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暗闇の中を歩く時に、僕が考えること

光が一切入らない、暗闇の通路を歩いている。

この暗闇というのが、本当に文字通りの黒。
目が慣れたら少しは見えるとか、そういうレベルの話ではない。

何も見えない。

本当に何も見えない。
恐怖で、真っすぐ歩くことすらできない。
こんな感覚は今まで味わったことがない。

自分の手の感触のみが、唯一の道しるべだった。



・・小説の1シーンみたいな文になったので、思わず冒頭にもってきてしまったが、小説ではないです。ごめんなさい。

今日、僕は双子玉川にある「玉川大師」に行ってきた。


「玉川大師」の正式名称は、寶泉山玉眞院(ほうせんざんぎょくしんいん)。真言宗智山派の寺院だ。

この寺院の最大の特徴は地下5m、全長100mにも及ぶ国内有数の地下霊場。

お遍路に行きたくても、行けない人のために作られた場所で、四国のお遍路様と同じご利益を、東京でも気軽に得る事が出来る。

本堂の中に入り、左に進むと「奥の院 地下霊場」に入ることができる。
参拝料として、一人500円を払い、いざ地下へ。

階段を降りる内に徐々に、光が消え、階段を降りる頃にはもう僕の目には何も映らない。

漆黒の闇。

光が一切入らない、暗闇の通路を歩く。

この暗闇というのが、本当に文字通りの黒。
目が慣れたら少しは見えるとか、そういうレベルの話ではない。

何も見えない。

本当に何も見えないのだ。

恐怖で、真っすぐ歩くことすらできない。
こんな感覚は今まで味わったことがない。

天井がどこにあるかもわからず、両脇の壁を手で触りながら、おっかなびっくり、歩いていく。

ゆっくりゆっくり歩いていく。

村上春樹の小説で、主人公が井戸の中に入って。暗闇の中で何日も居続けるエピソードを思い出した。

異世界転生する主人公は、案外こんな気分で現代から、見知らぬ世界にトリップしていくのだろうか。

こんな暗闇のスポットが、100メートルほどある通路の中で2箇所ほどあるのだが、そこだけ真っすぐな道ではなく、螺旋状になっているのが憎い。

自分の手の感触のみが、唯一の道しるべ。


やがて、視界の端に光が見える。

荒れ狂う大海原。
どっちに舵を切ればいいかわからない中で唯一見つけた灯台の光。

「見ろ、あれが希望だ。」

少し遭難した冒険者の気分になった。
これぞ異世界転生。

玉川大師は、東京で暗闇に迷い込める場所だった。

そして、暗闇を抜けたその先にある霊場もまた、迫力満点で、ここならご利益あるかもと思えること必至。


健康と金運を祈って、帰ってきました。

こんばんは。
最後まで読んでくれてありがとう。
明日もあなたにとって良い一日でありますように。

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