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消え残る「声」はきっと月のかなたから…

 お久しぶりです。ご無沙汰しています。
皆様、暑くなったり肌寒い日もあり、落ち着かない気候ですが、お元気でお過ごしでしょうか?私は元気です。

 現在、宝塚では月組が公演をしております。
月組のトップコンビ、月城かなとさん&海乃美月さんの退団公演。連日、盛り上がりを見せています。
 先日、やっと公演を拝見。中日も過ぎて充実期に入った舞台…身体の中に、役が染みてきて自由自在に生きてる様な感覚?なんて想像しつつ電車に乗っていざ宝塚へ。座ったとたんに、隣にホテルでお会いしたお客様が…「私、最後は泣きます。気にしないでください。」とおっしゃられ、平然と「大丈夫ですよ」と答える余裕の私。
 幕開きと共に月組メンバーが舞台に出そろう。ややじんわりと懐かしさが…この感覚久しぶりやわと思いながら、ストーリーが始まる。安定の月城さんの登場で一気に物語の世界へ。何故、彼女はいつも落ち着いて見えるのか。次世代を担うスターとしての期待を一身に浴びて雪組から月組へ。確か月組初大劇場作品は「All for one」という公演だった様な…当時のトップ珠城りょうさんの敵役として雪組で培った殺陣のテクニックとれいこさんならではのシュールなコメディエンヌぶりを発揮して一躍月組の中で存在感を放つ。お稽古場では、明るく社交的というより、じっと状況を見ながら適切なタイミングで適切な役割を果たすと言った様な人。周りに完全に溶け込んでいるわけでは無く、かといって一匹狼でもなく丁度良い距離感で人と接する。そして、ギブアップする前にきちんと休む、自己コントロール力抜群。
 「The Last Party」の時だったか…月組に来て初主演。幕開きはれいこちゃんと2人だけの芝居を。開演前に袖に黙って2人で立つ。落ち着いてる様に見えたけど、「緊張するの?」と試しに聞いてみたら、「昨日は眠れなくて…」と答える。その姿に「かっこいいな」と心配もせずに思う私(笑)「多分大丈夫」と何故か確信する私。そういった不安定さも「アーティスト」な彼女の魅力の一つになってしまう。
 全編を通して、こんなにも月組が愛おしく思うのは何故?れいこさんに聞くと「今一番言われて嬉しい言葉です。」と答えるでしょう。
 ただただ、無事に終わりますように。多くの縁ある愛情込めて関わり合った退団者たちを観ながら、涙がこぼれて。最後は隣のお客様より泣いている私。   

 月の彼方にまもなく消えゆくスターの光が最後のオーラを放っています。きっと想いは消え残って、また次の輝きを導き支えていくエネルギーに代わる筈。宝塚は人の想いで繋がっていく。そこが素晴らしいんだと改めて感じた舞台。
 月組の皆様、素晴らしき舞台をありがとうございました。
 愛してます!

すーさん

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