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鬼太郎誕生(ネタバレ)

まさか似たような時代の映画を立て続けに見ると思わなかった。
前情報あまり入れず、入れたのはキャラの相関図ちらっと見たくらいで単純に関俊彦氏が出るので行ってきたわけですが。

ここに墓を立てよう🪦とかなるとか聞いてねえんだわ…
(中の人は幼少期に笛のお兄さんを知った後彼が声優という職業だということを知って今に至っております勿論則宗はうちの本丸にいます)


内容は昭和三十年代の陰鬱とした田舎のあれそれに胸糞因習村と横溝作品の空気感と無印牙狼をぶち込んで救いようのない世界を作り出した上に鬼太郎6期を添えたらこうなりました!なんだけども。
ホラーというよりオカルト感があって、確かに血みどろではあるけどそこまででは…という所感ではあるんだが。

いやなんだあの親父殿…

設定はわかっていてもまさかほぼ物理で戦闘するとか聞いてねえのよ。テラスの手すりを素手で折り取ってそれを武器にするとか正気か?!頭で化物とはわかっていてもひええとなるしかない。
しかしラスボスが親父殿と同種である幽霊族の念から生まれているが故に勝てなかったり(そこは大逆転な方法でクリアされるわけではあるのだが根本的な解決がされる訳ではないのだ…)一族をことごとく潰して回った奴らに出会したり(言うて拝み屋崩れの人間なのでまあ腕力では勝てないのだが相手も対策しているから捕まったりするのだが)なので親父殿強いんだけど力任せでは通らないところとかもある。
強いだけではないのは勿論そうなのだが。どこかお人好しで優しくてでも人間を信用せず忌避するところもある、そんな男が最後の最後に認める相手が人間、ってのがまたなあ…

水木は水木しげる氏の投影というか、架空の人物であるが故の物語の投影がされているキャラクターになっていて、勿論墓場鬼太郎にも出ているのだけど、そこよりもさらに重みが増した感じがする。
そもそも新しい切り口と物語であるこの映画である筈なのに、これも一つの世界を作る物語だと受け入れられるだけの重さも味もちゃんとあるのだ。
時折カットインされた過去の映像は水木氏の自伝漫画のそれだな…って気付けたのは読んでいたからに違いないのだけど、よく差し込んでくれたな…という気持ちになった。

見終わってから、偶然にも近しい時期に同じような時代を描いた作品が公開されたのだな、と気づいた。
ゴジラ-1.0
戦後すぐの世界に訪れた人智を超越したゴジラという化物を描いた作品。
これを見てから鬼太郎誕生を見たからこそ、偶然もあるのだなあ…と思ったりした。
戦争というものが齎したもの、その陰が描いたもの。
その色を、香りを残す作品がこの時代に生まれることがどんなに貴重なことか。どんなに難しいことか。

改めて、戦争が終わり、そこから進んだ世界に思いを馳せることも必要なのかもしれない。


時に今回もシネマシティで見たわけですが。
fスタ、雨の音凄いリアルだったのスタツアから何かありました…?(雨と雷がやべえと評判だった)

追記
一晩経って気付いたんだがうちの父方の祖父南方からの帰還兵なんだよな…なんだこれ…

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