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デジタル保険の未来

ドイツにWefoxというヨーロッパ最大級のインシュアテック ユニコーン企業があります。ユーザーと保険代理店・プランナーのオンラインマッチングプラットフォーム事業をしています。

ACミラン初の背中にロゴを入れたスポンサーもしています。

https://www.instagram.com/p/CaO92EuKqs2/?utm_source=ig_embed&ig_rid=eb6975d5-125d-40bc-a1fe-5a7fc2f3bffd

企業価値は45億ドル、今期は6億ドルの売上を計画しており、200万人の顧客がおり、3,000の保険代理店にプラットフォーム内での保険販売を委託しています。他のインシュアテック企業は、自社サイトでユーザーに直接保険を販売しようとしているのに対し、Wefoxは、ユーザーと保険代理店やプランナーをオンライン上でマッチングさせており、保険販売を保険代理店に委託しているビジネスモデルが、高いバリュエーションにつながっています。

この間接流通のビジネスモデルにより、同社は世界の他のどのインシュアテック企業よりも迅速に規模を拡大しています。

この仕組みは日本においても今後普及していくと考えています。

保険のリテール営業はデジタル化しつつありますが、一部のIT化にすぎないZoom面談やオンライン契約ではなく、今後はデジタル上での見込顧客の発見や、面談に至るまでのデジタルコミュニケーション領域が注目されていくと考えます。

従来はリーズや共同募集がアナログ領域での見込顧客の発見や面談予約を担っていましたが、今後はWefoxのように、オンラインマッチングプラットフォームに多くのユーザーが登録をし、保険代理店やプランナーも登録をすることで、プラットフォーム内での相互コミュニケーションが活発化していくと思います。

先日、ドコモショップの700店舗閉鎖というニュースがありましたが、ユーザーにとって、リテール店舗に出向かなくてはならないというのは今や負担になっています。スマホやPCで気軽に相談したい、わざわざ保険ショップを訪問したり、訪販プランナーに来訪してもらったり、カフェに出向いて会うということがおっくうになっています。

そうなってくると、窓販も訪販も、見込顧客とのリアル接点は減少していくでしょう。そうなると見込顧客をオンラインで発見しなくてはなりません。
とはいえ、オンラインで見込顧客を自力で発見していくのは大変な労力がかかります。

・オンライン広告を打つ
・web、ブログやSNSなどで情報発信していく
・オンラインセミナー集客を行う

といったオンラインマーケティングやブランディングは大きな負担です。

体力のある保険会社や保険代理店であればコストをかけてできるかもしれませんが、大手でさえも、金融リテールの顧客獲得単価は数万円といわれていますし、中小保険代理店や個人プランナーではなかなか困難です。

ごく一部の優秀なプランナーは、Youtuberになったり、αツイッタラーになたりとインフルエンサーになれれば、オンライン集客ができるとは思いますが、そのようなタレント性があり、日々コンテンツをアップできる方はごくわずかです。才覚があっても、更新作業など膨大な努力が必要です。

こういった問題を解決するのがオンラインマッチングプラットフォームです。ユーザーは保険プランナーや保険代理店をあまり認知していません。中には接点がない人もいますし、知り合いに保険プランナーがいても相談しづらい。相談すると、ゴリゴリ営業されて、断りづらく、気まずいし、自身の懐事情や悩みや健康状態を知られたくないという方もいます。

ユーザーは気軽に、できれば匿名でお金の相談をしたいと思っています。
匿名だからこそ、年収や貯蓄、既存契約の保険料、悩みなどをプラットフォームに登録し、複数のプランナーからプラットフォーム上でアドバイスをもらい、その中からプランナーを選びたいと思っています。

従来のアナログ営業やリーズや共同募集では、ユーザーはプランナーを選ぶことができませんでした。
窓販であればカウンターにいた方が担当、訪販であれば紹介された方や知り合い、リーズや共同募集では、○○さんという知らないプランナーとのリアル面談をセットされたりしています。
ユーザーはこのプランナーさんとは相性がちょっと…と感じても、担当を変えてほしいとはなかなか言いづらいものです。結果として保険を申し込まずに、途中でフェードアウトしたりします。

プラットフォームを活用すれば、ユーザーは複数のプランナーの中から、良い方だな、優秀な方だな、相性が良いなと感じたプランナーを選ぶことができます。ユーザー優位のサービスです。もちろんプランナーにとっても、ムダな活動が減り、仕事の9割ともいわれる見込み顧客の発見の時間やコスト、労力、ストレスを軽減することができます。ユーザー、プランナー双方にとって良いサービスと言えるでしょう。

活動費や移動時間が効率化できることで、売上や生産性の劇的な向上が期待できます。
従来のアナログ営業で、1時間移動して、1時間面談、1時間移動という活動をしていた場合、1件に3時間がかかり、1日の面談上限数は3件程度になります。
これをデジタルでできれば、移動時間はないので、仮に隙間なく1時間ずつ連続して面談ができれば、MAXで9件の面談ができ、生産性は3倍になります。

実際に私の日々の仕事も、ほぼフルリモートで、1時間タームで連続して面談が入っている状況で、大体朝から夜まで隙間なくMtgが連続しています。従来の訪問していた時代に比べて、仕事の生産性、効率は数倍になっています。たまに移動やリアル面談の日があると、その日の生産性がガクっと落ちるのでなるべくオンライン完結できるように心がけています。

今後プラットフォームが普及していくと、金融のリテール営業、特に個人保険においては、見込顧客を自ら発見する必要は薄れていくでしょう。
見込顧客はプラットフォーム内にたくさんいますので、そこから好きなだけ選んでアプローチすれば良いからです。

よって保険営業は次のフェースに進んでいると思います。
ユーザーに複数のプランナーの中から自身を選んでもらうことが重要になってきます。オンライン上でのブランディングやセミナー実施といった情報発信が大切になるでしょう。また、ユーザーからの評価点やコメント数なども、選ばれる指標になってきます。

皆さんがAmazonや食べログで評価をみてモノの購買や選択をするように、プランナーもオンライン上の第三者評価、信用情報で判断されるようになってくると思います。
いずれはプランナー検索での上位表示なども重要になっていくと考えます。

現状はデジタル保険マーケットはまだブルーオーシャン領域も多くあると思いますので、イノベーター、アーリーアダプターとして、早い段階でプラットフォームを駆使して、評価件数を貯めていくことはオンライン上で良いポジションがとれる可能性もあると考えます。

ゆでガエルにならないように、ファーストペンギンであり続けることが営業の世界では大事だと思います。

ファーストペンギンと、ゆでガエル
https://note.com/toizumi_bizdev/n/n0290d4d7d702








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