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保険営業の未来

コロナをきっかけに、急速に変化が進むであろう生命保険営業の未来を予測してきたいと思います。

直販の減少

従来は保険会社の直販営業が主流でしたが、直販は自社の商品しか扱えないことから、顧客ニーズに応えきれず、減少していくと想定します。
いままではそれでも大丈夫でしたが、ユーザーの情報取得が容易になってきており、この設計のこの商品は○○社のものを活用した方が良いのでは?とユーザーが知識をつけたことにより、思うようになってきます。
今までは各保険会社の商品スペックは、ユーザーにはわかりませんでしたが、徐々に明らかになってくると思います。
保険ナビットのような各保険会社の商品のスペック比較データが、一般ユーザーもみられるようになっていくと思います。
担当の○○さんのことは買っている。だが、各社の提案や商品を比較検討した上で、○○さんの提案や商品がベストであれば契約するといった流れになりそうです。
ユーザーは直販の方から提案を受けた内容を、webの金融相談プラットフォーム上で容易にセカンドオピニオンをとれるようになりました。
そこで、あれっ?もっと良い設計、商品があるんだ!と知ることになります。
スーパースターはタレント力(商品力を上回る)で売れ続けますが、そうでない方はジリ貧化し、2極化が進みそうです。

保険代理店へのシフト

上記を察知し、直販社員で敏感な人は、保険代理店を起業したり、訪販系保険代理店にシフトをしていっています。
外資系でもトップ1ページ目クラブ(TOP50)のメンバーが多数、独立やシフトをしています。とりわけ、若い方のその動きが見受けられます。
ある程度以上の年齢の方は、直販は退職金が大きいので、移りたくても移れず、退職金をもらうまで会社にいるというスタンスになります。
優秀なベテランになると退職金は億単位になりますし、保険は継続手数料(リニューアルコミッション、RC)が4年ほど入ったりしますので、毎年数千万にもなるRC×4年を捨てられない方も多いです。

保険代理店の変化

保険代理店にも変化が起きつつあります。
今までの窓販系は、シンクタンクのデータからも明らかに減少傾向です。
一方で街中では見えない、訪販系保険代理店が伸びてくると思います。
外資系生保のエース級人材が独立してつくった訪販系保険代理店は、強烈な伸びをみせています。
プランナーのレベルは外資系直販の上位レベルで、提案できる商品は保険会社10数社、なかには証券、不動産などを含めた包括提案ができますので、とても強力です。小さなファミリーオフィスのようなビジネスモデルです。

副業OKで、フリーアナウンサー、MCなどをしながらプランナーをしたり、出社義務のないリモートワークを活かして、地方に移住してプランナーをしたり、自身が代表で別事業をやりながら、プランナーもするといった、新しいタイプのプランナーが増えつつあります。

ポイントはオンラインマーケティング

これからどんなプランナーが活躍していくのかといえば、オンライン活用の優れたプランナーが優位になる時代がやってきます。
まずはプランナー自身をPRするHPやweb、SNSでの情報発信です。
これらは直販の方は基本的に規制が厳しいので、やりたくてもできないのが現状です。この辺りは緩和していくのではと思います。
もはや、webを使わないという選択はできない時代です。
ユーザーはプランナーがどんな人物なのか、どんなストーリー、個性があり、趣味などの共通項はあるか、実績の点数や評価コメントを知りたいものです。
プランナーの中には営業本を出版して、自身をブランディングする方もいます。そのweb展開も良いでしょう。
営業や保険のセミナー、オンラインサロン、良質なものはまだあまりないですが、Youtube配信など、様々な展開が加速しそうです。
オンライン上でセグメントした層をファン化できる方が、優位に立ちます。

直販も変化する!?

ジャニーズ事務所は、数年前までは、Webへの写真掲載がNGでした。
これも時代の流れで解禁されています。
直販も、Web NGがどのように変わっていくのかは注目です。
現在では、会社で利用がNGにもかかわらず、LINEやFacebook Messenger、SMSなど、様々なWebコミュニケーションツールから、ユーザーからプランナーにメッセージがきている状況で、会社も黙認に近い状態です。
会社側としては、これらの社外ツールは監視や、NGワード検出、削除ができずアンコントローラブルな状態に陥っています。
今後は、会社として公式利用するWebコミュニケーションプラットフォームを用意し、チャットやコメント、メッセージ、Zoomなどを利用していく形に変化していくでしょう。
会社としてもセキュアな環境で、コントロールができれば、ユーザーと公式にWebコミュニケーションを行えるようになります。
これらのSaaSを、OEM、ODMなどで各社の導入する流れが進みそうです。
中には、Webマーケティングを会社で行い、ユーザーリードを促進し、ユーザーは保険会社のWebプラットフォームに入ってきて、その中でプランナーを選んで相談をする仕組みができてくると思います。
プランナーの既存顧客も、個別プラットフォームに招待をして、そこで一元化してコミュニケーションをとっていくようになりそうです。

スマホ最適化、UX視点

保険会社は、UX視点をもっと取り入れる必要があります。
問合せが電話のみだったりする部分を、チャットやメッセージなどを取り入れたり、スマートフォン最適を意識したユーザビリティの向上です。
保険証券や、控除証明書、各種手続きなども、スマホでできるような、スマホ完結、ペーパレス化のスピードアップが求められています。

オンラインマーケティングをどう行うか

プランナーが個々にオンラインマーケティングを行うのは、予算やリソース的にも限界があります。
webという大海原で、個人が釣りをしても、ヒットするかどうかはわかりません。そもそもページビューが少ないです。
よほどのスーパースターでタレント力がないと、独自でのオンラインマーケティングが難しいでしょう。
すでにたくさんのお金の悩みを持つユーザーが集まっているオンラインマッチングプラットフォームやメディア上に、自身の紹介サイトを持つべきです。そうすれば、自身に集客力がなくても、ユーザーの目に触れることができます。コンテンツを読んでもらうことで、自身のブランディングもできます。また、セミナーを開催し、集客していくことも効果的です。

オンライン上で先行者メリットをとる

オンラインで自身のページを持った際には、そのページ内に、既存顧客からの評価点やコメントを集約していくことも重要です。
食べログの評価点や評価コメントをみてレストランを決めたり、Amazonで評価点や評価コメントをみて、買い物をされているのと同じです。
評価やコメント数が数件のプランナーよりも、数十件のプランナーを人は信頼します。
これらの蓄積を早期にしておくことがアドバンテージになります。
保険営業でいえば、TOT、COT、MDRTなどの優績者は、まだオンラインセールス展開が少ないですが、そういった方々が早期にオンライン上で展開をしていくと、面白い結果が出ると考えます。
最近ではそのような方のオンライン営業参入がはじまってきています。
忙しくて、オンラインまで手が回らないという方こそが、オンラインに早期チャレンジをしていくべきです。生産性を劇的に向上できる可能性を秘めています。


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