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『BUTTER』

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ──。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。

表紙のイラストがかわいくて、ほっこり系小説なのかと思ってあらすじを読んだら社会派小説だった。文庫で600ページ近くあるけどあっという間に読み切った。久々にどっぷりはまった本で、読むのをなかなか止められない、読めない時間が惜しくて次の日仕事なのに夜遅くまで読んでしまったり。

モデルとした犯罪と小説は別物、でも実際の犯罪の報道を見てたしかに私も「この人が?」と疑問に思い興味を持った記憶があったのもあり引き込まれていった。

序盤、私も影響されてバターを買いに行き、バター醤油ごはんを食べ、ほんとだマーガリンよりバターの方がおいしいなあ、ホットケーキにもやっぱりバターだなあとどっさり使ったりしていたもんだから、読んでいくうちに主人公と自分を重ね合わせ、どんどん引きずり込まれていくのが楽しくもあり怖くもあり。


影響されて夢中になっていくという点では私も被害者とも主人公とも同じであって、何事も「適量」とまわりに助けを求めることができるかどうかが必要だなと思った。

でもバターのおいしさを知ってしまったのでこれからはバターを買ってしまうな、もうふるさと納税でちょっと良いバターなんかもチェック済み。

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