トイチの萬田

知財・非知財情報を駆使し、事業・研究方針に繋げる「IPランドスケープ」を実践。企画部門…

トイチの萬田

知財・非知財情報を駆使し、事業・研究方針に繋げる「IPランドスケープ」を実践。企画部門、事業部門、研究開発など、多様なキャリアを経て、現職。AIPE認定知的財産アナリスト(特許、コンテンツ)。

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【商標法】商品の類否は類似群コードで判断される

商品の類否は、類似群コードで判断される。 類似群コードは、ブレないように特許庁が独自に付与したもの。機械的に処理される。 なので、審査審判はだめたが、高裁最高裁までいけば判断が覆る可能性はある。 ※RYUKA国際特許事務所 宮口先生の解説動画 商標の類否より ■追記 類似群コードって、見れるんですね。知らなかったです。へえー。

    • 【特許法】新規事項追加違反で、誤訳訂正書の場合はどこから読むか?

      新規事項追加違反(17条の2第3項)では、外国語書面出願(外書)の誤訳訂正書については除かれています。 では、誤訳訂正書については、どこから読むか。 49条6号で読む。明請図が外書の範囲外になった場合は拒絶理由。 なお、誤訳訂正書での補正後に、手続補正書で補正した場合の補正範囲は、17条の2第3項第2かっこ(翻訳文または補正後の明請図の範囲で可)。 なお、新規事項追加違反は、拒絶、異議、無効理由になっています。 常にそうか、というとそうではない。 手続補正書により、原文

      • 【特許法】限定的減縮の3要件

        最後の拒絶理由通知に対する制約の1つ、限定的減縮(17条の2第5項2号)についてです。 要件は3つ。 ①限定するものである ②産業上の利用分野が同じである ③解決する課題が同じである 限定的減縮では、外的付加はできないです。 審査官は技術分野ごとに居るので、審査官を変えるのを嫌っているのだと教わりました。

        • 【特許法】最後の拒絶理由通知の定義

          最後の拒絶理由通知の定義についてです(特17条の2第1項3号に関連)。 ①最初の拒絶理由通知によって補正が必要となったこと ②その補正によって生じた新たな拒絶理由「のみ」を通知する ■理解 逆に言えば、最初の拒絶理由通知で通知できたはずの拒絶理由を含めて通知する場合は、最初の拒絶理由通知となる。 最初の拒絶理由通知で通知した拒絶理由が補祭によって解消しない場合は、最後の拒絶理由通知は来ずに拒絶査定となる。 最初の拒絶理由通知に対して意見書のみで反論した場合、拒絶理由が

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        記事

          【特許法】特30条の適用を急ぐべき理由

          新規性喪失の例外(特30条)について、例外適用しての出願を急ぐべき理由がようやく納得できました。 新規性喪失日から1年以内なら例外適用できるので、「急ぐべき」と聞いたときに、なぜかなと思ってました。 出願前に他人が出願してしまうと、特39条で拒絶され得るというのを本で読んだのですが、よくわかってませんでした。 ポイントは、特30条は「公知にしたもの」を非公知の扱いにするだけであって、出願日が遡及するわけではないということでした。 つまり、自分が出願するまでに他人が出願

          【特許法】特30条の適用を急ぐべき理由

          【特許法】特許侵害している生産装置で作られた結果物は非侵害

          物クレーム(1号クレーム)の特許を侵害している装置で作られた結果物は、特許発明の実施には該当せず、非侵害になります。 この場合、装置そのものは物なので、第2条3項1号です。 一方、生産方法クレーム(3号クレーム)の特許を侵害している装置で作られた結果物は、侵害になります(2条3項3号)。たとえ試験研究のためであっても、実施行為独立の原則により、侵害になってしまいます。 ■考察 1号クレームだと非侵害というのは、感覚に合わない気がします。侵害している装置で作った物と、侵害

          【特許法】特許侵害している生産装置で作られた結果物は非侵害

          【特許法】薬事承認のための試験研究が権利侵害にならない理由

          特69条の試験研究の続きです。薬事承認のための試験研究はなぜ許されるか、という話です。 前回のリンクは、こちらです。 薬事承認のための試験研究について。 先発特許がある場合は、量と時期で4パターンに分かれる。微量×消滅前後。 消滅前でも、微量かつ満了後に販売するなら許される。 試験研究に必要な程度の微量なら先発特許権者を害しない。消滅後に試験研究しているのでは商品化が遅れる。 これを認めないと、薬事承認までの期間が特許残存期間の実質的延長になるのでまずい。 法の趣

          【特許法】薬事承認のための試験研究が権利侵害にならない理由

          【特許法】特69条の試験研究 3つ

          特69条1項の試験研究とは、どこまでかという話です。 ■試験研究の、要件3つ ①特許性調査 ②機能性調査 ③改良発展 ①→明細書の感度を上げ、産業の進歩発展に寄与。 ※個人的には、以下のようなメリットもあるのではと思います。 自社技術が、特許権者の技術を侵害しないか確認できれば、独占排他の権利が尊重される。 ②→この特許、機能が優れて確かに効果あるなと確認できれば、特許権者にライセンスを申し入れる動機となり、特許権者に不利益がない。 ③→改良発明につながるので、産業

          【特許法】特69条の試験研究 3つ

          【条約】共同出願の資格 一人か全員か、条約によって違う

          共同出願する場合に、出願人の資格を一人でも満たしていたらいいのか、全員が満たしていないといけないのかについて、条約によって違いがあるようです。 ■一人でも良い PCT ■全員 パリ条約、ジュネーブ、マドプロ PCTがパリ条約の特別取極というところから考えると、両者間の間では平仄取れてると理解。PCTに則った国内法である、国願法がPCTと同じなのは、まあそうかなと思います。

          【条約】共同出願の資格 一人か全員か、条約によって違う

          【特許法】第187条 特許表示 〜「イヤな特許表示」

          今回は、第187条 特許表示です。 ■語呂合わせ 第187条 特許表示    イヤな特許表示 (解説) 健康食品のパッケージに「特許取得済」と書いてあって、さぞかし良いモノなんだろうなと思ったら、パッケージの特許でした、みたいな。イヤだなあ。 ドラマ「それパク」でも、そんなん感じの話がありました。 ■内容 特許表示についての条文です。努力義務です。 なお、特許切れした特許を表示すると、虚偽表示(188条)になってしまいます…。違反すると、3年以下の懲役か300万円

          【特許法】第187条 特許表示 〜「イヤな特許表示」

          【特許法】技術的思想と、創作3要件

          特2条1項についてです。 技術的思想とは、願望ではなく、具体的であること。 創作の3要件は、 ①新しいものであること ②創り出したものであること ③創り出すことが自明の事項でないこと ここで、 ①≠新規性 ③≠進歩性 違いは、判断時と、誰にとってか。 ①③は、創った瞬間、主観的。 新規性進歩性は、出願時、客観的。

          【特許法】技術的思想と、創作3要件

          【特実意】それぞれの17条の2と29条の2

          同じ条番号での、四法での対応です。 17条の2と29条の2が重要な気がしましたので、整理してみました。商標法は、あまり引っかかるものがなかったので省略。   17条の2    17条の3 ーーーーーーーーーーーーーーー 特 明請図の補正  φ 実 取戻移転請求権 φ 意 補正却下    新出願   29条     29条の2    29条の3 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 特 新規性進歩性 拡大先願    φ 実 損害額の推定 技術評価書提示 相当な注意

          【特実意】それぞれの17条の2と29条の2

          【特許法】69条と先使用権の違い

          69条(及ばない範囲)2項2号には、先使用権(79条)と似たようなことが書いてあります。どう違うのでしょうか。 違い: 先使用権は、更に作っても良い。69条は今ある分しか売ってはだめ。事業の準備をしているわけでもないから。 青本特69条には、本号の適用は極めて希で、「秘密に所持、かつ事業の実施または準備に該当しないときくらい」と書いてあります。 ■考察 秘密に所持してるのなら権利行使されようもないので、69条の意義がわからないと思ってました。 場面想定としてあるとした

          【特許法】69条と先使用権の違い

          【特許法】第18条 手続却下 〜「イヤだと手続却下される」

          今回は、第18条 手続却下です。 ■語呂合わせ 第18条 手続却下   イヤだと手続却下される (解説) 手続したけど、イヤだと却下されてしまいました。 ■内容  手続却下の条項です。なお、18条の2は不適法な手続却下。 18条は、2段階。出願日は認定された上で、補正命令が来る。つまり、補正の機会はあり、応じないと却下。 18条の2は、1段階。補正機会を与えられずに却下となる。庁にとって、補正機会を与えるのが面倒くさいもの。 例えば、7条(制限能力者)、9条

          【特許法】第18条 手続却下 〜「イヤだと手続却下される」

          『すごい傾聴』の話

          傾聴って難しいですね。 聴いてるつもりだが、聴いてないと言われる。お悩みの方、おられるのでは。 以下は『すごい傾聴』という本の紹介記事ですが、コレだと思いました。相手の話を追体験するという内容です。 私もかつて、伝え返しの罠に、嵌ってました。 以前にも ケイト・マーフィ『Listen』という本を読んだのですが、良本でした。 こちらには、相手がなぜそう思ったかを探りましょう、ということが書かれています。 テクニックに走った時点で聴けてない。相手にも伝わってしまいます。そ

          『すごい傾聴』の話

          【特許法】外特の準公知、補償金請求権の発生要件

          外国語特許出願(外特)の、似たようで違う条件2つについてです。 ■準公知 国際公開が条件(特184条の13)。 公知に準じるから。例えば刊行物公知は、アラビア語でも公知になる。 ■補償金請求権 国内公表が条件(特184条の10)。 模倣抑止のためだから。アラビア語では模倣できない なお、準公知に特29条の2の同日適用なし。新規発明公開の価値は同じのため。

          【特許法】外特の準公知、補償金請求権の発生要件