あなたが名前をつけるなら?
大学の友人たちと、久しぶりの再会。
なじみのカフェで
めいめいに好きな飲み物を注文して、
話に花を咲かせます。
そのなかで私はふと、
そんなことを尋ねました。
ひとりが、「私はね、」と話し始めました。
キラキラと楽しげに話す彼女。
洋画が好きな彼女らしい、
小粋なアイデアです。
つづいて、もうひとりが言いました。
菫やあやめ、桜に楓。
小さなことに目を向けて、心を動かせる人は
いま、それほど多く無いかもしれない。
けれど
こんな感性こそ、これからを生きる人には
大切にして欲しいと彼女は言います。
そうして、最後に
それまでじっくりと考えこんでいた友人が
口を開きました。
どうして?
私は尋ねました。
微笑む彼女の眼差しには
とおく、美しいものを想っているような
やさしいひかりが在りました。
彼女の話に、みな、
いいね!ほんとうにステキね!と
声を揃えました。
“こんな子になって欲しい”
“こんな人生を歩んでほしい”
親は、子の名前に
精一杯の想いを託そうと考えます。
託す想いは
それぞれ違っていて
それぞれに、違った良さがありますけれど
それは、どれも一様に、
家庭感情のぬくもりを物語っています。
いつかこの友人たちが子どもを授かり、
その子が大きくなって
自分の名前に
これほど美しい想いが
託されていると知ったとき
どんなに胸が熱くなることでしょう。
きっと
名前は、その想いと一緒に
胸のなかに凛と咲いて
その子をやさしく
励まし続けるはずです。
友人たちの笑顔と
和やかな空気を前にして
私は、しみじみと、
そんなことを思いました。
これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿