〒 クリスマスの - お手紙時間
カタン、と小さく
ポストの音がする。
冷たい風が吹く12月の水曜日、
一通の封筒が届いた。
それは、深い緑色の封筒。
刺繍を模したデザインが入っている。
文通をしている友達からにしては
返信が早すぎるので
誰からのお手紙かと裏に返すと
以前お世話になっていた
お花のセンセイからだった。
私が手紙を渡して以来
全く連絡を取れていなかったので
びっくり。
私は足早になってリビングに戻り、
そっと封を開けた。
*
封筒から、出てきたのは
とびきりキュートなクリスマスカード!
小びとサンタとクリスマスホーリー、
雪の結晶がゴールドにちらちら光るのが
賑やかで楽しい。
「お返事、書きますね」
別れ際、先生はそう言ってくれたけれど
クリスマスに届けてくれるなんて!
思いがけない一枚のカードを受け取り
イルミネーション点灯!と言わんばかりに
心の中がひと息に明るくなった。
仕掛け絵のついたカードは
開くと、幾重にもなったクリスマスリースが
飛び出すようになっている。
チェリーピンク色のリボン、リースの青緑、
ベルの濃いイエローが色鮮やか。
可愛らしい一文と達筆な文字。
センセイの楚々とした雰囲気に包まれている。
クリスマスの頃にやってくる
この華やかで特別感のあるカードは
こんなにも心をキラキラさせてくれるのだと
改めて知った。
翌日、センセイに電話をかけ、
このカードがひとつのプレゼントのように嬉しかったこと、また顔を見せに伺いたいと思っていることを伝えた。
*
私もこんなキラキラを送りたい。
さっそくレターセットボックスから
青の美しいクリスマスカードを取り出し
万年筆を滑らせた。
足を骨折して入院をしていた祖母へ。
先日撮った朝焼けの写真と
大橋鎭子さんの「すてきなあなたに」という本も添えて。
会えばいつも笑顔のおばあちゃんだけど
さすがに入院中は退屈そうにしていると
母に聞いていたので
まさにクリスマスカードの出番だと思った。
ちょうど25日に
病院まで荷物を届けに行くという母にお願いをしてカードも届けてもらうことに。
おばあちゃんはどんな顔で
このカードを受け取ってくれたんだろう。
おばあちゃんの心にも
ちいさなキラキラが届いてくれているといいな。
*
巡る想いの、クリスマスカード。
*
受け取った心は
本人にお返しをするのももちろんだけど
その心を誰か他の人に巡らせることも
とても気持ちがいいもの。
またひとつ
素敵な心の使い方を知ることができた。
*
クリスマスから遅れてしまったけれど
ぜひ残しておきたいと思ってnoteに書きました。
これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿