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想い出をのせたインテリア



この夏、家へやってきた
可愛いインテリアのお話です。



***


それは旅先で、あまりの暑さのため
涼みに立ち寄ったお店でのことでした。


店内のひんやりした空気にあたり
ふうっとひと息ついて、
お店の中に目を向けると

そこには思いもかけない
宝石箱のようなディスプレイが
広がっていました。


グラス、スノウドーム、風鈴、
アクセサリー、ガラスペン、ガラスの人形、、

棚のところどころが
ライトアップされ、
繊細なガラスのアイテムたちが
その中で
きらきらと可愛く光って並んでいます。

彩り豊かなアイテム。目にも楽しい品々。
お店はガラス細工の専門店のようです。
気持ちを弾ませながら
店内を見て回っていると、
棚の奥のほうで控えめに佇んでいた
ひとつの小さなツリーに
目がとまりました。



高さは15センチほど。
笠もそれほど大きくはありません。
てっぺんを飾る星と
ツリーの幹、枝葉の部分は無色のガラス。
そしてそのクリアな枝に、
これもまたガラス作りの
ぷっくり丸いオーナメントが
掛けられています。

葡萄の実ほどの大きさのオーナメントは
黄色、きみどり、薄茶に透けるものが
4個ずつ。

こっくりと落ち着いた色合いながらも
ごく薄いガラスの作りで、
どことなく涼感があります。



夏旅のお土産に、クリスマスツリー。
季節違いのインテリアだけに
少々悩みましたが、
「今回の旅の記念品ということにしよう」
と決めて
買うことにしました。
お店の方に丁寧に包んでいただいて
大切に持ち帰りました。



家に帰ると、さっそく
包装をほどいて
白いテーブルの上に置いてみました。


部屋に注ぐ夕陽が
ツリー全体をさっと包みます。


夕陽の光に引き立つ
透き通ったクリスタルの質感と輝き。
テーブルの上に広がるのは
オーナメントの色が映ったやすらかな影。
そしてなにより
均整の取れたフォルムの美しさには
あらためて心惹かれました。

やっぱり買ってよかった。
そう思いました。




そんなとき、主人が
戸棚の奥にしまっていた古いオルゴールを
取り出してこちらへやって来ました。

そしてオルゴールのネジを巻いて
そっとツリーの隣に置くのです。
オルゴールは
止まっていた時間など忘れたかのように
元気に動き出しました。

円筒の部分がまわります。
櫛歯が円筒の上に出ているポッチを
弾きます。
そうして
小さな箱から零れ出てくる
ポロン、ポロン、という美しい音は
ハウルの動く城の主題歌
「人生のメリーゴーランド」のメロディを
紡ぎ出します。



綺麗なクリスタルの姿に重なる
かわいいオルゴールの響き。



それは
さり気ないほどにさりげない、
それでいて
とびきり素敵な演出でした。



葉月の想い出をのせた
クリスマスツリー。

我が家の
とっておきのインテリアになった
そのツリーは
今日も
飾り棚のまんなかで輝いています。







これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿