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〒 誕生月の - お手紙時間


誕生日。

久しぶりに両親に手紙を書く。

今日までのことを思い返して
文字を綴っていると

知らないうちに
目に涙がたくさん溜まって
ぽたぽたこぼれて、
ちょっと困った。

自分で書いてて泣いちゃうなんて。
って思ったけれど

心が持たなくて休職してたあのころ、

ひたすら泣いている私を
「大丈夫、大丈夫」とそっと抱きしめてくれた父の、オムレツみたいに優しかった手とか
「人の役に立とうなんて今は考えないで、ただ、笑っていてほしいな」と言ってくれた母の陽だまりみたいな笑顔を思い出すと


止めたくても

ぽたぽたと。


普段はふたりして
お気楽なことを言っている
のほほん父とのほほん母だけど

心の中はやっぱり
家族への愛に溢れているふたり。

ふたりが見放さず、そばに居てくれたから
私はあの真っ黒な時間を乗り越えられた。

手紙には

溢れてきた気持ちをありのまま書く。
すごくまとまりのない文になってしまったな。


26年分のありがとうの気持ちを閉じ込めて
花の絵のシールで封をした。

終わっちゃえばいいと思っていた未来が
続いてほしいと願う今になってる。


不思議。

先のことを考えて
たくさん悩んできたけれど

思いもよらないことが起こるのが人生だから

今のことは、今の自分に決めさせて
未来のことは、未来の自分に決めさせる。

そのくらいの方がいいなあと気づき始めた26歳。

今は毎日を迎えることが
とっても楽しい。

父と母、2人それぞれに手紙を渡す。

父は渡したそばから読み始めようとするので
慌てて止めた。

やっぱり
ちょっと気恥ずかしい。


私は自分の部屋に引き返す。

ベッドに入って
布団を顔の半分くらいまでかぶる。

普段しないことをしたものだから
体温が上がったような気がする。

でもこのほかほかした気持ちは
すごく清々しくもあった。

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