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〒 2022 - 愛読書ゆうびん

* や さ し い あ な た へ

こちらは、白くて大粒の雪が
降っています。
そちらはどうですか。

私はこのところ、
気にかかることが重なって
なんとなく心が落ち着きません。
どうしようと思いつつ家を出て
自然と足が向くのは、
書店や図書館。
本がある場所です。

静かな空間に
行儀よく並べられた本の中から
気になったものを手に取っているうちに
少し心が回復する。

あなたにも、
そんな経験はありますか。


今日は
私のとっておきの本をここに
書いてみようと思います。
雪の降る、絶好のおこもり日和にでも
よかったら、読んでみてください。


**

天然日和(石田ゆり子)

透き通った、そよ風のようなひと。
石田ゆり子さんは、
私の憧れの女性のひとりです。
この本は
Webマガジン幻冬舎で連載されたものを
加筆修正して作られている、エッセイ集。
石田さんの、あの
やさしい声が聞こえてくるような
ピュアな感性で綴られる言葉がとても素敵です。

心をオープンにして、自分の言葉で喋る。
自分の行動に責任を持つ。嘘を言わない。
少なくとも、自分に対して嘘をつかない。
世界は循環しているので、自分がやったことは、
必ず自分に返ってくる。
優しさも、笑顔も、伝染する。
天然日和2 石田ゆり子


きみの隣りで(益田ミリ)

誰もが密かに抱えている、
けれど人には言いづらい胸の内のモヤモヤを
ちゃんと描いてくれているところが
益田ミリさんの本の魅力です。
わかるわかる、と頷きながら読んでいるうち
心の中がスッキリする。
中でもこの本は、
ひとの生き方を植物たちの生態から
学ぶところが面白くて、おすすめです。

「夫婦で大切に、大切に育ててますけど
子供は生きがいではない気がします。
生きがいは
ひとりひとり自分の中にしか
ないんだと思うんです。」
きみの隣りで 益田ミリ



365日のスプーン(おーなり由子)

おーなり由子さんの本は、本当にだいすき。
以前「ひらがな暦」も紹介しましたが、
この本も、とても好きです。
本当は内緒にしていたいくらいに。
一日ごとにのせてあるメッセージは
ほんの5行くらいの文なのですが、
読んでいると
胸の中に、ちいさな、キラキラしたものが
湧いてくるような
可愛くて不思議な魔法が詰まった一冊です。

12月23日 Dec

クルミとチョコレートの
ケーキを焼く。

型から
ふかっと
はずすときの幸福。
365日のスプーン



やがて訪れる春のために(はらだみずき)

認知症の祖母のために
自分ができることはなんだろう。
手がつけられず荒れ果ててしまった祖母の庭を
再生させようとする孫の真芽。
移ろう自然の美しさや家族のつながり。
きびしい現実にも
きっと、明るい未来が待っている。
装丁のイメージ通り、やさしく
前向きな気持ちになれる小説です。

なにもおおきなことではなく、
できることをやればいい。
なんのためにとか、
そんなことこだわらなくてもいい。
むずかしく考える必要なはない。
自分がやりたいことを、自分のやり方で
できる範囲でやればいいのだ。
やがて訪れる春のために はらだみずき



たぶん、人生って
自分のやりたいようには
生きてゆけないことの方が
多いのだと思います。

その中で、自分はどう振る舞うか
私たちは、常に
選択をしなければなりませんね。
けれどもそれって、結構
力のいること。
私は毎日、迷ったり、疲れたりです。

そうしたとき、
ふと、本が恋しくなる。
それはきっと
偶然手に取った本の中に

自分が探している「何か」が、
「何か」につながるヒントが、
見つかるような気が
するからかもしれません。

やっぱり、本っていいですね。


あなたの今日が
少しでも
やさしい一日になりますように。
ではでは。

ち あ き よ り *

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