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人を育成し、組織の成果に貢献するために、チームのメンバーに質問すべきこと

今日から新年度がスタートするという方が大勢いらっしゃると思います。

新年度のスタートにあたって、ドラッカー教授のとても大切な教えについて、是非皆さんに考えていただき、そして実践していただけたらきっと素晴らしいことが起きるだろうと思われることをお伝えします。

組織の成果に対して責任をもっている方が、真っ先に自問しなければならないこと、それは「自分はどのような貢献ができるか」ということです。

「成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならない。手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。そして責任を中心に据える。」

『経営者の条件』(P.F.ドラッカー)の第3章の冒頭に書かれた言葉

ドラッカー教授は会社での立場が上になればなるほど、「どのようにしてこの会社の成果に貢献できるか」を考えなさいと、繰り返し教えています。

新約聖書にはこういう言葉があります。

「あなた方の中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、みなの僕(しもべ)になりなさい。」

マタイによる福音書20章26・27節

太古の昔から、上に立つ者は全体に仕える者として、組織に貢献することを求められているということですね。

この問いを考えていくとき、みなさんはどんな貢献をすべきだと思われますか?

組織への貢献としていくつかある中で、ドラッカー教授がもっとも大きな貢献としていることは「人材を育成する」ということです。

「貢献に焦点を合わせるということは人材を育成するということである」

「経営者の条件」ダイヤモンド社

プロ野球の名監督だった野村克也氏は明治の政治家、後藤新平の名言を大切にしたと言います。

「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする」

ここでみなさんに、ぜひ実践していただきたいことがあります。

ドラッカー教授は貢献を考える時、組織内の人たち、つまり上司、部下、そして他の分野の同僚に対して、次のように質問することを勧めています。

「あなたが組織に貢献するためには、私はあなたにどのような貢献をしなければなりませんか」

この個所を読み、私は以前、部門長たちとの1on1の場で何度かこの質問を投げかけたことがあります。

最初はみんなキョトンとした顔をしますが、中には社長だった私に「それでは、こういうことをしていただけませんか。そうすると僕は仕事がとてもしやすくなります。」とリクエストしてくるマネージャーがいました。

おやすい御用です。
そんなことで彼が成果に近づくなら。

「君が成果をあげるために、私が君に貢献できることは何?」

この質問、何も部下に対してだけではありません。

上司にも、一緒に働いている同僚にも、響く質問です。

この質問、使ってみてはいかがでしょうか。

そうすると、周囲が期待している、自分がなすべき貢献がわかると同時に、周囲の仕事のレベル感もわかってきます。

成果に対してコミットしている人とそうでない人がわかってきます。

何度も聞いているうちに、みなさんのまわりに「貢献」のシャワーが降り注いでくるかもしれませんね。

きっと、それはそのまま「成果のシャワー」になるはずです。

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