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メンバーシップ型雇用は限界だ

先月は久しぶりにリアルで人と会いお酒を酌み交わす機会が重なり、楽しい時間の中で多くの気づきを得ることとなりました。

企業によって働き方が全く違うのだなあと実感したひと時でもありました。

今日はそんな中で、ある土曜日に高校時代の友人の家に行って懐かしい仲間と3人で、昼からビールを飲みながら語り合った話の中からシェアしたいと思います。

仲間と会った趣旨は、昨年の6月に亡くなった親友を偲んで、若いころから彼とともに聞いた数々の音楽を聴きながら思い出を語ろうというものでしたが、今日はその話ではなく、3人のうちの一人の娘さんの話しです。

彼女(友人)とは高校時代に実によく一緒に遊んだ仲で、我が家にも、今回お邪魔した友人の家にも何度もやってきては楽しい時間を過ごしてきましたが、彼女は大学卒業後にアメリカに渡り、その後日本人の実業家と結婚して30年間シカゴに住んでいて、今回は3年ぶりの帰国(彼女曰く旅行)でした。

その彼女の娘さんは今年30歳で、シアトルにいてビジネスウーマンとして活躍していますが、今の会社はすでに転職4社目です。小さな会社から始まり、Amazon、Starbucksを経て現在、病院の運営マネジメント会社でプロジェクトマネージャーをしているそうです。

転職のたびにポジションと年収が上がっていて、友人は昨年娘さんにパジェロを買ってもらったと言っていました。

転職のきっかけはすべて上司との確執だったそうで、やはりアメリカでも「会社を辞めるのではなく、直属の上司から離れたいから辞める」ということなのですね(といっても、このネタはギャラップの調査から引用したのでアメリカであれば当然と言えば当然)。

転職では過去の職務経歴とどんなことができるのかというアピール、それに加えて報酬としてどのくらいを希望するかを提示し、マッチすれば採用となるそうで、希望年収の提示はマストだそうです。

そして報酬は仕事の内容と成果ですべてが決まるので、年功の要素は一切入る余地がないというのは聞いていた通りで、日本のようにサラリーマンの平均年収のピークが52、3歳だというと、どうして給料が年齢にリンクするのかわからないと言っていました。

私が持論の「日本の50代の会社員の6割は給与に見合った働きをしていない」というと「だから日本は何年も生産性が低いままなんだよ、日本の正社員は守られ過ぎてるよ」といい「娘はすでに3人の部下を解雇したよ」とのこと。

解雇という直接的な表現にあまりなじめない我々ですが、現実には「仕事の内容や成果が、会社が求めるレベルではないので、あなたの働く場所はこの会社にはありません」という通告だということでしょう。

日本で伝統的に定着しているメンバーシップ型雇用と、欧米型のジョブ型雇用

最近では少しずつジョブ型雇用を導入し始めた日本企業もありますよね。

どちらにもメリット、デメリットがあり、この問題はかなり複雑で簡単にどちらがいい、悪いなどというわけにはいきません。

しかしながら私は雇用制度の形態の違いに着目するのではなく「人の強みにフォーカスした雇用制度」を確立すべきだと考えています。

メンバーシップ型でもジョブ型でも、強みを活かして仕事ができていればもっと違う結果が得られるのではないでしょうか。

少なくとも友人が言うように日本人一人当たりの生産性がOECD加盟38か国中29位だということを始め、日本がこの30年間で失った様々な世界的なポジションは計り知れないというのは事実です。

あらゆることを見直さなければ沈んでいく一方になってしまうと危惧している中に、このメンバーシップ型雇用も含まれるのは当然のことでしょう。

もう一人の友人が「ジャパンアズナンバーワンだなんて、はるかいにしえの出来事だよね」と言っていたのが印象的でした。

あの本が出版されてからすでに43年になります。

もう一度輝くためにはどうすればいいのか、ちょうどその頃流行っていたロック音楽を聴きながら考えさせられました。

友人に最寄り駅まで送ってもらい、彼女と二人で改札を通ってそれぞれのホームに分かれる時に、彼女が「次に会える時まで元気でいようね」といってハグしてきたことに少し驚いてしまった、どっぷり日本人の僕でした。

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