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私たちは学び続けなければならない

学校を卒業した後も、継続的に学び続けている社会人はどのくらいいるのか、正確なデータはわかりませんが、実態としてはかなり少ないのではないかと思います。

これは私の経験知ですが、少なくとも私が勤めていた二つの会社では、周囲にそういう人はあまりいなかったと思います。

何故、多くの人は学校を卒業すると途端に勉強しなくなるのでしょうか?

そもそも学校では「勉強のやり方を勉強していた」わけで、本当の勉強は大学卒業以降ではないでしょうか?

人生100年の時代に、最初の22年だけ勉強して、あとは仕事や生活に埋没して、本すらほとんど読まない社会人が実に多い実態は困ったものです。

現在では多くの知識が、10年以内に全く新しくなってしまい、大学で学んだことの多くがかなり早い段階で時代遅れとなってしまいます。

とくに技術系の知識の入れ替わりはさらに早く、科学的な分野では大学1年生の時に習ったことの多くは、3年生になったときには時代遅れになっていると言われています。

したがって知識労働者たる私たちは、学び続ける必要があります。

ドラッカーは多くの著書の中で、学校教育について改革、というよりも革命の必要性を説いています。

例えば、学校で習うことのうち、実社会で経験を積んでから学ぶ方が効果的な科目が多くあり、「マネジメント」などはその典型で、大学で勉強したからと言って、すぐに実践できる環境にいなければ何の役にも立たないでしょう。

また、法律や医学、教育学、建築なども、実経験のない若者が学ぶよりも、経験を積んでから学ぶ方が学びやすかったりするはずです。

また教師についてもこう言っています。

素晴らしい先生に何人もめぐり会ったという者はあまりいないはずである。12年あるいは16年も学校へ行っていながら、一人もめぐり会えなかったというものも多い

「断絶の時代」(ダイヤモンド社)

幸いなことに私にはそういった先生が3人もいて、恵まれていたと言えるのかも知れません。

知識の更新スピードが極めて速く、尚且つ、人の寿命が延びていて働く期間も長くなっているとなると、学校を卒業して社会に出て、5年から8年くらいでもう一度学校に戻り、1、2年間学んだあとに会社に復帰し、さらに10年後にはもう一度学校に通う期間を設ける、というのが自然な姿なのかもしれません。(「LIFE SHIFT」リンダ・グラットン他 東洋経済 参照)

教える教師の側も同じで、大学で教育を学んで社会経験が全くない人が教師になるのではなく、一度社会に出て経験を積んだのちに教育を学び教壇に立つ人が増えていくべきだと思います。

組織改革についての知識は経営管理者にとって必須である。若手の技術者にとっては役にも立たなければ意味もない。経験を積みしかるべき地位に達した後でなければ、実際に役に立つように教えることはできない

「断絶の時代」(ダイヤモンド社)

したがって、学校教育と継続教育を融合させて、可能な限り境界をなくしてしまうほうが、社会やそこで働く人々にとって有効な手立てだということになります。

確かにその通りなのですが、多くの企業で社員が、「○○を本格的に学びたいので1年間休職させてください」と申し出ても、許可が下りるケースは極めてレアだという現実があります。

現実が追い付いていない以上、工夫と努力によって自ら学び続けることが大切です。

そして、学んだことを実行に移すことが大切です。

知識労働者は学び続けなければならない。
とくに会社での地位が上がっていくマネジメントの人たちにとって重要なことです。

みなさんは今、どんな学びの中にいますか?

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