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「汝の時間を知れ」というドラッカーの教え

現在、あるプライベートコミュニティ内で『経営者の条件』というドラッカーの著書の読書会を、月に一回開催しています。

今週日曜日に開催したときの参加者は私含め12名、課題個所はこの本の第2章「汝の時間を知れ」というところでした。

ドラッカーの本は一人で読むビジネス書という捉え方よりも、何人かと共に勉強する「教科書」だと考えた方がより理解が進むと思います。

この章は次のような文から始まっています。

「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。」

「経営者の条件」(ダイヤモンド社)

まず何をやるにしても、自分の時間が何にとられているかを観察し、非生産的に使っている時間への要求を退け、そして最後に自由にできる時間を大きな塊にまとめることから始めなさいという教えです。

「時間の供給は硬直的である。需要が大きくとも供給は増加しない。価格もない。簡単に消滅し、蓄積もできない。永久に過ぎ去り決して戻らない。したがって時間はつねに著しく不足する」

「経営者の条件」(ダイヤモンド社)

成果をあげるために、これをやろう、あれにチャレンジしよう、と決意しても、時間がなくて前に進まないなんて言うことは誰にでもあることではないでしょうか。

私も会社勤めの時代、よくこういう想いを痛感していました。

「私の時間のほぼすべてを他人が決めている」

次々に会議の予定が入ってきます、イベントは何か月も前から決まっています。

ある年からは管理本部長が経営管理者の年間会議スケジュールを年始に決めてしまい、1年分が埋まります。
合間を縫うようにしてゴルフ、会食、出張の予定が矢継ぎ早に入ります。

こうしてあっという間にスケジュールは埋まり、自分の意志で何かに取り組もうとしても、数が月先まで空いている時間を探すことができません。

このような状態の日々を送っている方が大勢いらっしゃると思いますが、ドラッカーはこう言っています。

「時間を無駄に使わせている圧力は常に働いている。何の成果ももたらさない仕事が時間の大半を奪っていく。ほとんどは無駄である。地位が高くなれば、その地位がさらに時間を要求する」

「経営者の条件」(ダイヤモンド社)

それほどの超多忙な毎日の中でも、実は何の効果ももたらさない無駄な時間を使っているはずだ。

「時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない」

「経営者の条件」(ダイヤモンド社)

実際にやってみました。

アシスタントに協力してもらい、毎日出社から退社までの時間の使い方を分単位で細かく記録してもらい、3週間後に集計結果を見てみると多くのことに気づかされます。

まず気付いたことは、会議が点在していてこれが原因でまとまった時間を分断し、日々の時間を細切れに使わざるを得なくしてしまっていること、そしてそもそもこの会議に出る必要があるのかという根本的なこと。

さらに、ただ決裁印を押すだけが目的の書類の存在、部下に任せることができるはずの案件への関与や細かい数字の分析作業。

これでは成果をあげるようないい仕事はとてもできない、そもそも過去の後始末ではなく未来への施策に注力したいのに、これでは時間が足りない。

そう気づいたことから、次の「時間を整理する」「時間をまとめる」という作業に移ることができました。

みなさんも是非やってみてはいかがでしょうか。

まず最初にすべきことは、自分の時間が何に奪われているかを、分単位で三週間から4週間、記録してじっくり集計表とにらめっこすることです。

記憶に頼ってはいけません、記録してください。

成果をあげる人は、何かに取り組む前に時間の整理から始める。
それなしに計画から始めても何事も成就できません。

時間が足りないからです。


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