面倒な時とウキウキな時

人は夜中のトイレまでの距離を歩くのさえ面倒なのに、海外旅行にはウキウキで行く。

この〈面倒〉と〈ウキウキ〉の間には数千キロの差がある事になる。

心の中のほんの少しの違いは、距離にカン算するとエグい事になる。

距離もエネルギーだ。移動するにはエネルギーがいる。
車のガソリンや電車の電気や飛行機のジェット燃料、筋肉を動かすカロリーも多く使う。

つまり〈ウキウキ気分〉は、大きなエネルギーを必要とし、消費する。
しかし、同時にたくさん疲れる。

ん? 変だぞ。たくさん疲れると〈面倒な気分〉になるぞ。

どういう事だ? 何だか〈ループしそうな話しの予感〉がする。考えても考えても終わりがないパターンの話しは、大体がスピ系の事がからんでる。

ふと、ロッククライミングの事を思い出す。目当ての崖にたどり着くには、ハイキングではない登山をする事になるのだが、もの凄い勢いで体がカロリーを要求する。
登山中は10分〜20分おきに、何か食べないとすぐにメンタルにくる。楽しくなくなる。体が疲れると心も疲れるのだ。

疲れると、ブルーな気持ちになり、登るのが辛くなり、しまいには〈何の為に登っていたのか分からなくなる〉。

ウキウキしながら楽しむ為に登っているのに、エネルギーをこまめに入れないと、きょうの朝からの準備してウキウキしていた事が台無しになる。目的の〈楽しむ〉が無くなるからだ。

だからオレは太ってもいいから、いつもより余計に意図的に甘いものを食べる。コレが本当に美味い。

まるでシャブ中の人みたいな気分だ。身体が欲するに任せて、ひたすら食べる。

山で食べる炭水化物やチョコやカロリーメイトは最高に美味い。そしてそれも山の楽しみ方のひとつなのだ。

つまり、オレは〈面倒〉と〈ウキウキ〉の気持ちの調整を、登山中はカロリーメイトを使って行っている事になる。

コレは1人で登っているからこそ分かる事だ。友人と登山したのでは、別の楽しさや会話など判断要素が複雑になるのでわからなかっただろう。

オレの場合は沢山エネルギーを摂取して、同じく沢山消費していれば、ウキウキ気分でいられるようだ。
他の人はどうなのかなぁ。

ある日友人が「やらなきゃいけなくて、すごく大変」と言っていた。展覧会の準備の事だろうか。

展覧会は彼女の楽しみのひとつだったはずなのに、〈ウキウキ〉が〈面倒〉に変わっていた。
心の中のちょっとの気分の差なのだが、〈夜中のトイレ〉と〈海外旅行〉くらいのエネルギーの差がある事だ。

彼女にも自分に合った〈カロリーメイト〉のような調整出来るものが見つかればいいなと思うけど、

コレばっかりは、自分で見つけるしかないからどうしようもない。

だが、ひとつ言える事は、彼女はそれを今見つけようとしていて、それは見つかるだろうという事だ。
見つけようとしているのに、見つからないわけがない。
〈気づく〉為に、誰かが用意した課題だからだ。

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