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クラピカの念修行から見える~知識の定着方法~(ネタバレ若干注意)

こんにちは、あるいはこんばんは。
とげぬき法律事務所弁護士の寺岡です。

ご存知ハンターハンター。知らない人はごめんなさい。

1 覚えたけど忘れちゃう。。。

知識の定着。あらゆる受験勉強に必須なわけだが、これが意外と難しい。司法試験で言えば、
「処分性の定義、試験前に覚えたけどもう忘れたなあ」
「伝聞の論証、なんとなくわかるけどいざ手を動かして書くとつまる」
「平成27年司法の過去問、事業譲渡だったのは覚えてるし3か月前に趣旨・実感も読み込んで書いたけど今やると書けない」

こうした類の経験は相当数の受験生が通った道ではなかろうか。

そして、こうした知識の定着に関する話題・質問が出たとき、お決まりの回答は、
「繰り返しが大事」
「反復しようね」
である。

が、質問者側からすれば
「それはわかってるの!もっと具体的なやつ聞きたいの!怒」
であろう。「え!繰り返しって大事だったんですか!?」という人に遭遇したことは今のところない。

というわけで具体的に述べていく。なお、若干のネタバレが入るのでこれからハンターハンターを楽しみたい方は閲覧注意である。そして何より以下は私の実体験である。

2 クラピカの念修行

簡潔に説明する。ハンターハンターには、クラピカというキャラクターが登場する。そして、「念能力」なる特殊な力を得るために修行を始めるわけだが、クラピカは「鎖」を武器にしようと考えた。ここで、注意が必要なのは、クラピカが欲したのは、”実体のある鎖”ではなく、”存在はしていない具現化された鎖”だということである。
クラピカは、「鎖」を具現化させるべく、一日中、本物の鎖をただ眺めてみたり、描いてみたり、ときに舐めてみたりした。こうした修行を重ねてしばらくすると、ある日、クラピカの目に鎖の幻覚のようなものが見えてきた。次第に操ることもできるようになり、ついにいつでも具現化できるようになった。ようはこんな話。ってか読んでくれ面白いから。

3 「問題集」の具現化修行

さて、私も念能力者…と思いたいところだが残念ながらそうではなく。しかし、「問題集の具現化」には成功したのだ…!!!

2度目の司法試験不合格のとき、原因だった民法を徹底的に基礎からやり直すことにした。とにかく典型問題の処理手順を確立しようと、同じ問題を以下のように行った。なお、問題集を舐めたりはしていない。

①問題文読む
→②脳内で構成する
→③解答例読む
→④問題文閉じて脳内で頭から構成する
※主に、条文(条数のみならず文言まで)、理由付け、規範、当てはめを行う。
→⑤途中で詰まったら(例えばちゃんと定義言えなかったら)頭からやり直す
→⑥最後までいけたら一旦終了。以下、基本は④~⑥をやることになる。

問題はここから。
人は忘れる。忘却曲線も参考にすると、1時間後には50%忘れるとか。ということは、さっき最後までいけたうちの半分出てこないことになる。それじゃあ困る。

そこで、
1時間後にもう一回④をやる。意外といけるときもあれば、部分的に忘れているところもある。その場合は⑤、⑥をする。

あとはどんどん時間を空けていく。

タイムスケジュール的には以下のとおり。
13時   1回目(終えたのを13:15としよう。)
14:15 2回目
20:00 3回目
※シャワー浴びながらぶつぶつ言うこともあった
26:00 4回目寝る前(難しいこと考えてりゃ勝手に寝る。でもたまに気になって身体起こして確認することもあった。)
翌日
11:00 5回目(今日の勉強開始前にまずはってことで)
21:00 6回目
3日後   7回目
7日後   8回目

例えばこんな感じ。というか実際これに近いやり方をしていた。

4 具現化に成功!!!

するとどうだろう、幻覚…ではない。が、忘れてしまうことへの恐怖心か、あるいは、脳が「この情報はこの人にとって大事な情報だな」と認識してくれたのか、今度は「忘れらなくなる」。他のことをしてても”勝手に出てくる”ようになった。マジで”勝手に”。
1問だけではなく、いくつかの問題を同時並行的に進める。無論、全科目全問題をやるのは限りなく困難。民法を中心に、それ以外の科目も適宜。自前のノートも何度も見た。

5 いざ本番にて、「発」

さて、試験本番。民法の試験が始まった。机上には
・六法
・問題用紙
・解答用紙
・筆記具
のみ。一枚ずつ消えていくバーコードシールも趣深いが今は割愛。

だがしかし。私の机上、いや、空中には、「具現化された問題集」が見えたのだ。絵的にはクロロのスキルハンターに近い。
あとは「具現化された問題集」をベースに、典型論点を”ラブリーゴーストライター”を使って自動書記しつつ書いていく。応用論点は自分で考えた。

6 結果

あれだけ苦手な民法だったが、(計算すると)Aの中でも上位のA(多分2桁)を取っていたことがのちにわかった。最終的な総合順位は400位くらい。
エンペラータイムが発動していたのだろうか。途中吐きそうになって逃げちゃおうかと思ったけど逃げなくてよかった。ウヴォーさん聴こえますか…。

7 結語

思ったよりもハンターハンターネタを投じてしまった。知らない人、すまない。比喩ばかりでよくわからないところもあっただろう。

結局のところ、

愚直に淡々とやる

という元も子もない話。
とはいえ、何か1科目でも、あるいは1問だけでもいいからやってみてほしい。「1つだけど絶対書けるようになった」という成功体験を手に入れることが何より強み

おわり。

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