令和4年民訴法改正により、予備試験短答民訴法の解答が変わるところ調べてみた(暫定)

こんにちは、あるいはこんばんは。弁護士の寺岡です。

さて、表題の件。まずはこちらをご覧いただきたい。

住所、氏名等の秘匿制度の創設
→施行日が令和5年2月20日。
当事者双方がウェブ会議・電話会議を利用して弁論準備手続の期日や和解の期日に参加することが可能となる仕組み
→施行日が令和5年3月1日。

そして、令和5年予備試験が行われるのは7月16日。

https://www.moj.go.jp/content/001376826.pdf

さらに、出題される法令について、「試験時に施行されている法令に基づいて出題する。」と説明されている。

https://www.moj.go.jp/content/001384845.pdf

つまり、改正法で回答しなければならないことになりそう。

住所、氏名等の秘匿制度の創設については、実はあまり確認できていない。というのも、元々存在しない制度であった以上、出題されていなかったと思われる。見つかったら(あるいは情報提供あれば)随時加筆する。

メインは、当事者双方がウェブ会議・電話会議を利用して弁論準備手続の期日や和解の期日に参加することが可能となる仕組みのほう。

冒頭の法務省の資料を読んでもらえば早いが、端的に言えば、

”弁論準備手続につき、遠隔地じゃなくていいし、両方が来なくても電話かwebでできるようになった”

”和解期日もオンラインでできるようになった”

というのが改正の中身。ここ2年くらいは「書面による準備手続」としてやっていたが、真正面から「弁論準備手続」でできるようになったわけだ。事実上やっていたことはほぼ変わらない。

短答で頻出だったのが

”弁論準備手続は、どっちか一人は来ていないとダメ”

という趣旨の問題。従来は〇だったが、これが×になる(逆に、”どっちも来なくてもできるというのは、従来×だったが、〇になる)。 

そして、これが出題されていたのは以下のとおり。
【プレ第64問-2】
×→〇に変更
【予備平成24年第36問-4】
×→〇に変更
【予備令和元年第40問-ア】
〇→×に変更
【予備令和2年第42問-イ】
〇→×に変更
【予備令和3年第38問-3】
×→×で結論は変わらず。ただし、従来であれば×の理由は、”準備的口頭弁論はそもそも電話会議使えないから”であった。しかし、それに加えて、後半部分も他の問題と同じ理由で×、ということになる(つまり、誤りが2か所にななる)

そして、和解の点では、
【司法平成26年第66問-ウ】
×→×で結論は変わらず。ただし、根拠が明文化された89条2項となる。

とりあえず現状確認できたのはこのあたり。見落としもあるかもしれないので、その際は情報提供していただけるとありがたい。

改正されていきなり出すかなあ、ちょっとは試験委員も気を遣ってくれるのかなあという思いもあるが(毎年出ているわけではないし)、こればかりはわからないので。

以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?