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~明るく残酷~【LaLaLand歌詞】Another Day of Sun【トド版】

今回は、傑作ミュージカル映画「ララランド」のオープニングを飾る超弩級の傑作曲「Another day of Sun」や。
この曲、ホンマに歌詞の完成度も高くて、一曲でこの映画の世界観、テーマを描ききって、もとい歌いきっとんねん。

今回はそんな曲に込められとるダブルミーニング的なところを丁寧に訳してみたで。

もちろん、歌詞の訳だけみたいゆうヤツは、この記事の最後に一気にゴー!やで!


ちな、この曲のテーマは、もう一曲の傑作「City of Stars」の歌詞を読むとよりはっきりわかるんや。ぜひ、そっちも読んでみてやー。





曲の魂

いつもの太陽。カリフォルニアの明るい太陽が、この曲の魂やねん。another day ちゅうのはゆうたら、「いつもと同じ1日」やねんけど、そこに込められとる意味はかなり深い。

ハリウッドスターを夢見てロサンゼルスにやってくるやんか。もう、明るい太陽が行く手を照らしとる、最高やろ。

でな、もちろんオーディション落ちまくる訳や。当然やろ。楽な道やない。けどな、やっぱり朝になれば、明るい太陽が行く手を照らして勇気くれるんや。次も頑張る!今日も頑張るってなるやろ。

そっからやねん。オーディション落ちまくって、もう力尽きて、諦める日がほとんどのやつのところに来んねん。そうするとな、太陽どうなると思う?太陽は、全然昨日と同じようにカンカン照りやねん。

で、気がつく訳や。「あー、今日もここには沢山の夢見るやつがおって、同じくらい沢山の挫折があって、そんでもなにごともなかったかのように、っていうかそれがここの日常で、太陽は誰がどうしたなんて関係なくこの街を照らしとるんやなー」って。

ハリウッドならではの日常。無情感。焦燥感。絶望感。そして歓喜、期待、夢みたいな「世界観」がこの歌詞に込められとる。そしてタイトル「another day of sun」にもまた、そうゆう意味が込められとるんや。

そして、もう一個。映画の重要なテーマが歌詞の冒頭で提示されとる。訳のところで解説するけど、それは
愛か自己実現か
ゆうことやねん。この世界観テーマがこの曲の魂や!!


その1

I think about that day
あの日のことが心に浮かぶ
I left him at a Greyhound station
サンタフェの西、
West of Santa Fé
グレイハウンドのバス停で彼と別れた日のことが

We were seventeen, but he was sweet and it was true
私たちはまだ17歳だったけど、彼のことは間違いなく愛(いと)しかったわ
Still I did what I had to do
それでも、やらなきゃいけないことを私はしたの
'Cause I just knew
そうする運命だって分かってたから

Summer Sunday nights
夏の日曜日の夜
We'd sink into our seats
私たちはシートに身を沈めてた
Right as they dimmed out all the lights
全部の照明が消えると

A Technicolor world made out of music and machine
音楽と映写機がテクニカラーの世界を創り出し
It called me to be on that screen
私に、役者になれって
And live inside each scene
そして、映画の登場人物になれって誘ってた

Without a nickel to my name
だから、何のあてもないのに
Hopped a bus, here I came
ここにバスを乗り継いでやってきたわ
Could be brave or just insane
これって勇気?それとも無謀?

We'll have to see
どうなるのかしらね

A Technicolor world made out of music and machine
ここでのポイントは、「make out of」やね。実はこれは辞書引けばすぐ出てくる表現で「を作り出す」ちゅう意味やねん。ここでは「made」になっとるんやけど、これは過去形やなくて過去分詞形やから、「A technicolor world 」が「music」と「machine」から作られとるってゆうとるんや。
「technicolor」ちゅうのは、1910年代に開発されたカラー映画技術のことやねん。今でゆうたらiMaxみたいなもんやな。で、「machine」ちゅうのは映写機、「music」は音楽なんやけど、当時のフィルムは音は別に出してたんちゃうか。(あとで調べる笑)

ま、要するに「本当に愛しとった彼氏と映画館デートしとるとき、隣に座る彼氏にやなくて、自分が女優になる夢に心が囚われとった」ゆう話やねん。

でやな、これって、この映画「ラ・ラ・ランド」全体を貫くテーマでもあるんや。

愛か自己実現か

オープニングのシーンで、世界感と重要なテーマが提示されとる訳やね。

Without a nickel to my name
これ、「nickel」ゆうたら「5セント」のことやねん。感覚的には「5円玉」やね。で、「Without a nickel to my name」ゆうのは、「自分の名前には5セントの価値もつけられてない=完全に無名」ゆうことやねん。
しやから、ここでは「なんのあてもないのに」て訳しておいた。
「お金を持たずに」ちゅう訳やないんや。むしろ、自分の名前に金払ってくれるヤツなんてまだ誰もいないのに、ちゅうニュアンスがポイントやんな。だって金も持たずにいきなり田舎から出てきたら、いきなりホームレススタートで、そら、さすがにハードモードすぎるやろw

グレイハウンドってゆうのは、アメリカの長距離バス会社や。お金なくて遠くの街に行く移動手段の代名詞なんやで。なんとなく雰囲気伝わるやろ。

2

'Cause maybe in that sleepy town
あの退屈な町で
He'll sit one day, the lights are down
彼はいつかあのときみたいに映画を観て
He'll see my face and think of how he
スクリーンの中の私を眺めながら、私がどんなだったか
Used to know me
思い出すことになるかも知れないわ

Climb these hills
ハリウッドの丘に登って
I'm reaching for the heights
その上に立ちたいの
And chasing all the lights that shine
輝くすべてのチャンスを追いかけて
And when they let you down
今日、チャンスに手が届かなかくても
You'll get up off the ground
また起きて立ち上がるの
'Cause morning rolls around
だって朝がやってくれば
And it's another day of sun
また昨日と同じ陽(ひ)が昇るんだから

Climb these hills
この「hills」ゆうのは、もちろんハリウッドやで。ただの丘やったら、そんなん登るの苦労しいひんやろ。ハリウッドちゅう場所、ショービスの頂点、それがこの「hills」やねん。

And chasing all the lights that shine
そして、ここでの「lights that shine」は、「輝いてる光」なんやけど、意味からしたら「チャンス」やし、実際には「オーディション」のことやねんな。オーディションこそ、まさにスクリーンの中に繋がるドア、道、光やんか。

And when they let you down
You'll get up off the ground

ここの「you」は「あなた」やなくて、一般論を説明するときの主語「You」やねん。

日本語で
「電車に乗るときは、切符を買う必要があります」
てゆうやんか。このとき、主語ないやろ。こうゆうケースで英語では「you」を主語にするんや。
しやから、ここでの「you」は、「私」ももちろん含まれるんやで。一般論としていいつつ、自分を鼓舞してるニュアンスや。「みんなだってオーディション落ちても、また立ち上がるんだから私だってそう出来る!」みたいな。

ここでは、「今日、チャンスに手が届かなくても、また起きて立ち上がれるわ」ってしといた。

3

I hear 'em ev'ry day
毎日のように聴こえる
The rhythms in the canyons
ロスの街に響くリズム
That'll never fade away
これからもずっと響き続ける
The ballads in the barrooms
私と同じようにここにやってきた人たちが
Left by those who came before
刻んだバラードがバーに流れてる
They say "you gotta want it more"
「もっと強く望め」って
So I bang on ev'ry door
だから、私は全部のオーディションに挑戦するの

And even when the answer's "no"
たとえ受からなくても
Or when my money's running low
たとえお金が尽きかけても
The dusty mic and neon glow
年季の入ったマイクと輝くネオンがあれば
Are all I need
自分には十分

And someday as I sing my song
田舎から出てきた若者が
A small-town kid'll come along
自分の歌う歌を聴いて
That'll be the thing to push him on and go go
夢を追いかける勇気を得る、そんな日を夢見てる

Climb these hills
ハリウッドの丘を登って
I'm reaching for the heights
その上に立つことを目指してる
And chasing all the lights that shine
すべての輝くチャンスを追いかけて
And when they let you down
今日そのチャンスに手が届かなかくても

You'll get up off the ground
また起きて立ち上がれるわ
'Cause morning rolls around 
だって、また朝がきて
And it's another day of sun
昨日と同じ陽(ひ)が昇るから

The rhythms in the canyons
「canyons」は、ロスを囲む渓谷のことやねんな。要するにハリウッド、ロサンゼルスのことやねん。あえてここはロスってしてみた。ハリウッドの丘の麓ちゅう意味でw


4


And when they let you down
たとえ私が夢破れても
The morning rolls around
また朝が来て 
It's another day of sun
昨日までと同じ陽が昇る
It's another day of sun (oh)
昨日の私を照らしてたのと同じ太陽が
It's another day of sun (sun sun sun sun)
また昇って今日の私を照らす
It's just another day of sun (oh)
それがこの街の太陽
Just another day of sun (oh)
なにごともなかったように
It's another day of sun (sun)
昨日と同じ陽が昇る
Another day has just begun (oh)
この街のいつもの一日が始まる
It's another day of sun
いつもと同じ陽の下で
It's another day of sun
いつもと同じ陽の下で

Songwriters: Justin Hurwitz / Benj Pasek / Justin Noble Paul

Another Day Of Sun lyrics © Warner/Chappell Music, Inc, Universal Music Publishing Group

ここは、英語の歌詞は今まで出てきたのとほとんど同じやから、日本語の訳だってまったく同じにしても全然かまへんのやけども、あえて、あえてこの曲、この歌詞の二つの顔を表現するために、日本語訳を大きく変えてみた。

冒頭曲の魂で書いたように、この曲の世界観は、「成功も挫折もハリウッドの日常」「輝く太陽は、ただただ明るく街を照らすだけ」ちゅうもんやんか。

成功を夢見てハリウッドに来たときに見た太陽、悔しい想いをしながらも立ち上がり続けた時に見た太陽、そして挫折し夢を諦めたあとに見た太陽。全部一緒やねん。

そうゆう万感を込めて訳しておいた笑

翻訳


あの日のことが心に浮かぶ
サンタフェの西、
グレイハウンドのバス停で彼と別れた日のことが

私たちはまだ17歳だったけど、彼のことは間違いなく愛(いと)しかったわ
それでも、やらなきゃいけないことを私はしたの
そうする運命だって分かってたから


夏の日曜日の夜
私たちはシートに身を沈めてた
全部の照明が消えると

音楽と映写機がテクニカラーの世界を創り出し
私に、役者になれって
そして、映画の登場人物になれって誘ってた

だから、何のあてもないのに
ここにバスを乗り継いでやってきたわ
これって勇気?それとも無謀?

どうなるのかしらね

あの退屈な町で
彼はいつかあのときみたいに映画を観て
スクリーンの中の私を眺めながら、私がどんなだったか
思い出すことになるかも知れないわ

ハリウッドの丘に登って
その上に立ちたいの
輝くすべてのチャンスを追いかけて
今日、チャンスに手が届かなかくても
また起きて立ち上がるの
だって朝がやってくれば
また昨日と同じ陽(ひ)が昇るんだから


毎日のように聴こえる
ロスの街に響くリズム
これからもずっと響き続ける
私と同じようにここにやってきた人たちが
刻んだバラードがバーに流れてる
「もっと強く望め」って
だから、私は全部のオーディションに挑戦するの

たとえ受からなくても
たとえお金が尽きかけても
年季の入ったマイクと輝くネオンがあれば
自分には十分

田舎から出てきた若者が
自分の歌う歌を聴き
夢を追いかける勇気を得る、そんな日を夢見てる

ハリウッドの丘を登って
その上に立つことを目指してる
すべての輝くチャンスを追いかけて
今日そのチャンスに手が届かなかくても

また起きて立ち上がれるわ 
だって、また朝がきて
昨日と同じ陽(ひ)が昇るから

たとえ私が夢破れても
また朝が来て 
昨日までと同じ陽が昇る
昨日の私を照らしてたのと同じ太陽が
また昇って今日の私を照らす
それがこの街の太陽
なにごともなかったように
昨日と同じ陽が昇る
この街のいつもの一日が始まる
いつもと同じ陽の下で
いつもと同じ陽の下で

Songwriters: Justin Hurwitz / Benj Pasek / Justin Noble Paul

Another Day Of Sun lyrics © Warner/Chappell Music, Inc, Universal Music Publishing Group

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