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~人類って度しがたい~【ビリー・アイリッシュ和訳】All the good girls go to hell【トド版】

今日は、ビリー・アイリッシュの「All the good girls go to hell」訳していくでー。これもリクエストからや。ちな、次はリクエストに応じて、またグリーンデイの「Minority」行く予定や。リクエストあったら、バンバンなげてやー。

曲の魂

ビリー・アイリッシュは、環境問題でほんまに人間にあきれ返っとる。環境を破壊する連中も、環境問題なんてないように振舞っとる連中も、みんな「度し難い」と思ってはるんや。もう、そこがこの曲の根幹、魂そのものや。

けど、この曲の面白さを理解するためには、キリスト教の世界観についての知識がちょっとだけ必要やから、そこもちょっと触れとくで。

天国の歴史ダイジェスト【トド版】:
1.かつて天国を二分する反乱が起きた(神派 vs ナンバー1天使ルシファー派)
2.原因は、神が土から人間をつくって、かつて自ら火から生み出した天使たちに世話を命じたから
3. 天使「土から作ったしょーもない人間なんてもんを何でワイらみたいな尊い天使様が世話せなアカンのですか?逆ちゃいますか?」
4.ルシファー「よっしゃ、モマエらの気持ちはよく分かった。ワシが神様にビシッとゆうたる!」からの戦争勃発
5.ルシファー派、負けて堕天(天国から追われる)。悪魔に転職。

もう一個。聖ペトロちゅうのが歌詞に出てくんねん。今回の翻訳ではとりあえず「天国の門番」って訳を当てとるんやけど、その理由もここで話とくわ。

聖ペトロ:
「わたし(主のこと)はあなた(ペトロのこと)に天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上でも解くことは、天上でも解かれる。」というマタイによる福音書の16:19の記述から、ペトロと言えば、映画やコミックなどでは、天国の門の前に立ち、リストを見ながら天国へ行ける人を選別する白髭のお決まりのキャラクターとしてしばしば描かれる。

さて、この辺りを織り込んだ、(ちょっと厨二病っぽい)名曲。訳していくでー!
例によって、翻訳は最後にまとめとくから、翻訳だけみたいやつは、画面を思いっきりスクロールやで。今回の解説は、ホンマに長いからいっぱいスクロールやで!!ww

その1

My Lucifer is lonely
堕天したけど、一人ぽっち
Standing there, killing time
ただ傍観してるだけ
Can’t commit to anything but a crime
何も救えず、罪を眺めるだけ
Peter’s on vacation, an open invitation
天国の門番は休暇中で、誰でも天国行き
Animals, evidence
人以下のヤツでも、罪の証拠があっても
Pearly gates look more like a picket fence
真珠の門っていうより、庭の柵みたい
Once you get inside ’em
でもね、入ったら最後
Got friends but can’t invite them
かつての友達とは二度と会えないわ

冒頭な、「My Lucifer is lonely」ってあるやんか。これ直訳したら、「私のルシファーは孤独」ゆうことになんねんけど、MVを見ても明らかなように、「Lucifer」は「私自身(Billy Eilish)」やねん。

厨二病ってゆうたらあかーん!!!w

でな、冒頭にも書いたけど、そもそもルシファーはごっつい天使やったやんか。それが、あくまでも、堕天した天使として地上に降りてきたゆうかんじやね。

Can't commit anything but crime.
普通に直訳すると「犯罪以外、何もできない」みたいな感じやけど、前後の文脈からゆうて、「Crime」は「犯罪」ゆうより「罪」の方が適切やし、ルシファーが何かするゆうよりも、「ただもう罪が犯されるのを呆然と眺めとるしかない」ちゃうか。

Peter’s on vacation.
「be on vacation」で、「休暇中」やから、この訳は「ピーターは休暇中」ゆう話やねんけど、しやったら「ピーターだれやねん」ってなるやん。

ピーターは、聖ペトロのことやねん。先にも書いたけど、「天国の門番」やから日本語訳では「天国の門番」ってしておいた。

ちな、ペトロは、ピーターのラテン語読み。ちな、フランス語のピエール、イタリア語のピエトロ、ドイツ語のペーター、スペイン語・ポルトガル語のペドロ、ロシア語のピョートルやで。

Once you get inside ’em
Got friends but can’t invite them

直訳は「ひとたび天国に入ったら、友人を招き入れることは出来ない」「天国」に入って欺瞞の仲間になってもうたら、それまでの友人とはお別れよ、くらいのニュアンスやろな。

その2

Hills burn in California
山火事でカリフォルニアが焼けている
My turn to ignore ya
今度は私があなたたちを無視する番よ
Don’t say I didn’t warn ya
警告しなかったとは言わせない
All the good girls go to hell
”良い子”は、みんな地獄行き
‘Cause even God herself has enemies
神様でさえ完璧じゃないんだから
And once the water starts to rise
海面上昇が始まったら
And Heaven’s out of sight
天国なんて人から見えなくなるの
She’ll want the Devil on her team
神様だって、悪魔と一緒に嘆きたくなるわ

My turn to ignore ya
「ya」は、「you」。あとは、そのまんまやね。「今度は私があなたたちを無視するターン」くらいのもんや。天使時代にさんざん人間たちに無視されてきたから、ここで逆襲のルシファーw

All the good girls go to hell
「いい子」は、この欺瞞に満ちた世界で「この世の中的に『いい子』として振舞っている連中(少女たち)」モマエら全員、地獄行きやで、ゆうてはるんやw

ここでおもろいのは「ルシファー=自分=女性」、「良い子=All the good girls=女性」、「神様=She=女性」で出てくるのは、全部、女性ゆうとこやね。あ、無能な聖ペトロは男性やけどもw

She’ll want the Devil on her team
ここが、この歌詞の世界観を端的に表しとる。Sheは神様やんか。直訳したら「神様も、悪魔に神様自身のチームに入ってもらいたがる」ゆうことになんねん。
環境を破壊しまくる人間がポンコツ過ぎて、人間をかばってきた神様も、悪魔(=人間に対する評価が原因で対立した天使たち)と一緒に嘆きたくなるゆうとんねん。

その3

My Lucifer is lonely
堕天してきたけど、一人ぽっち
Look at you needing me
あらら、あなた私に助けて欲しいの?
You know I’m not your friend without some greenery
天国の住民気取りのあなたたちは、もう私のお友達じゃないって知ってるわよね?
Walk in wearing fetters
天国に入れても、結局、足枷つきだったのよ
Peter should know better
天国の門番は騙されてたけど
Your cover up is caving in
あなたたちの企みなんてもう失敗してるの
Man is such a fool
人間って本当に愚かね
Why are we saving him?
なんで私たちが人間を助けなきゃならないの?
Poisoning themselves now
自分で毒を飲んでおいて
Begging for our help, wow!
助けを求めに来てるんだから、びっくりだわ

Look at you needing me
Look at you!は、よく使う表現。なんやろなー。この場合は、「あらら~」みたいな感じって、ゆうても分らんか。小馬鹿にしたような感じ。
いいニュアンスで使われることもあるんやで。「刮目した!」みたいな意味なんやけど、「刮目」自体、よく分からへんやろw
ええ表現思いついたら、この説明書き換えるわw

あとオモロイのは、
Man is such a fool
Why we are saving him?

もちろん、文脈的にこのManもhimも「人間」ちゅう意味なんやけど、PeopleやHuman、Theyとかやなくて、Man、himをあてとるのは、神もルシファーも女性ちゅうのと対比になっとる。

聖ペトロはじめ、愚かなやつはみんな男性があてられとって、神やルシファーといった愚かな連中に呆れるのはみんな女性。

ま、ちょっとした言葉遊びくらいのもんやね。

で、こっからしばらく、ワイの翻訳がキレッキレに冴えわたるで。

You know I’m not your friend without some greenery
ここなー、普通、訳されへんやろ。Greeneryは、「緑」ってことやねん。直訳すると「緑がない限り、私はあなたのお友達じゃないってわかってるでしょ」ってなるやんか。
これをどう解釈するか。実はむっちゃむつかしい。いくつか選択肢があんねん。

解釈①「Greenery」は「マリファナ」の隠語やねんから、そういう解釈すると「あなたが今マリファナ持ってないなら、私はあなたのお友達じゃないでしょ」ちゅう訳になる。
でもな、「なんのこっちゃ?」ってなるやん。これやと。

解釈②「Greenery」は「森林」ちゅう意味もある。その方向やと「森林を大切にしないあなたたちは、私のお友達になれないってしってるでしょ」ちゅう訳。これは、曲の主題からしてもかなり有力。普通やったら、これ。ってゆうか、これで十分。しやけど、前後の文脈から浮いとって、そこが変なんや。

解釈③「Greenery」は「葉っぱ」。「葉っぱをつけてないあなたは、私のお友達じゃない」=「天国の住民気取りのあなたたちは、もう私のお友達じゃないって知ってるわよね?」ちゅう訳をあてておいた。これは、前後の文脈とも整合的やねん。

なんで「葉っぱをつけてない=天国の住民気取り」なのか?この記事の文字数は、既にとんでもなく多くなっとるので、解説は割愛するwww

旧約聖書の創世記を読むか、ミルトンの失楽園を読むと分かるで。

Walk in wearing fetters
ここでのポイントは、Walk in。ウォークインクローゼットの「Walk in」やね。どこに「Walk in」したのか。これは、天国やねん。前に「門番がさぼってるから、天国は入り放題」みたいなフレーズがあったやろ。みんな天国に入っとる、ゆうことや。
fetters は足枷。そのまんまやね。天国に入れた思っとるかもやけど、そうは問屋が卸さんわ!みたいな感じ。

その4

Hills burn in California
山火事でカリフォルニアが焼けている
My turn to ignore ya
今度は私があなたたちを無視する番よ
Don’t say I didn’t warn ya
警告しなかったとは言わせない
All the good girls go to hell
”良い子”は、みんな地獄行き
‘Cause even God herself has enemies
神様でさえ完璧じゃないんだから
And once the water starts to rise
海面上昇が始まったら
And Heaven’s out of sight
天国なんて人から見えなくなるの
She’ll want the Devil on her team
神様だって、悪魔と一緒に嘆きたくなるわ

繰り返し。特に追加はない。

その5

My Lucifer is lonely
堕天してきたけど、一人ぽっち
There’s nothing left to save now
救えるものはもう残ってないわ
My God is gonna owe me
神様、私の言った通りだったでしょ
There’s nothing left to save now
救えるものはもう残ってないわ
(I cannot do this snowflake)
欺瞞にはもううんざりよ

My God is gonna owe me
「神様、これは貸しよ」ゆうてる。ま、冒頭の神様vsルシファーのエピソードがピンときいひん大多数の日本人のために、もうちょっとだけ、説明的な翻訳にして「神様、私の言った通りだったでしょ」ってしておいた。

ちゅう訳で、激烈長文解説にお付き合いいただいて、おおきになー!

最後、翻訳まとめとくでー。

翻訳

堕天したけど、一人ぽっち
ただ傍観してるだけ
何も救えず、罪を眺めるだけ
天国の門番は休暇中で、誰でも天国行き
人以下のヤツでも、罪の証拠があっても
真珠の門っていうより、庭の柵みたい
でもね、入ったら最後
かつての友達とは二度と会えないわ

山火事でカリフォルニアが焼けている
今度は私があなたたちを無視する番よ
警告しなかったとは言わせない
”良い子”は、みんな地獄行き
神様でさえ完璧じゃないんだから
海面上昇が始まったら
天国なんて人には見えなくなるの
神様だって、悪魔と一緒に嘆きたくなるわ

堕天してきたけど、一人ぽっち
あらら、あなた私に助けて欲しいの?
天国の住民気取りのあなたたちは、もう私のお友達じゃないって知ってるわよね?
天国に入れても、結局、足枷つきだったのよ
天国の門番は騙されてたけど
あなたたちの企みなんてもう失敗してるの
人間って本当に愚かね
なんで私たちが人間を助けなきゃならないの?
自分で毒を飲んでおいて
助けを求めに来てるんだから、びっくりだわ

山火事でカリフォルニアが焼けている
今度は私があなたたちを無視する番よ
警告しなかったとは言わせない
”良い子”は、みんな地獄行き
神様でさえ完璧じゃないんだから
海面上昇が始まったら
天国なんて人には見えなくなるの
神様だって、悪魔と一緒に嘆きたくなるわ

堕天してきたけど、一人ぽっち
救えるものはもう残ってないわ
神様、私の言った通りだったでしょ
救えるものはもう残ってないわ
(欺瞞にはもううんざりよ)

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