2022年12月は実質賃金上昇率がプラスになりましたね~続・賃金データの観察にご注意を!

なぜ、年平均を先に書くんでしょうね?

 本日、2022年12月の毎月勤労統計調査の速報値が公表されました。日経新聞は2022年平均の実質賃金上昇率をメインに書いてました。足元の変化が重要な時になぜなんでしょうね?また、3月の速報のときは年度平均を出すんでしょうね(汗)。
 記事の最後の方で触れているように、2022年12月の実質賃金上昇率は、これだけ物価が上昇している中で前年同月比0.1%増とわずかにプラスになっていました。後述するように、これも特殊要因と思われますが、あえて目立たない形で書いているのは、2022年11月の速報値まで「実質賃金の下落率がどんどん拡大しているぞー」と記事で煽っていたからですかね(笑)。

2022年11月も12月も単月のブレですね

 速報段階で前年同月比3.8%減となり日経が賃金の目減りと騒いでいた2022年11月の実質賃金上昇率は、確報段階では同2.5%減までマイナス幅が縮小していました。
 速報で19.2%減と特別給与が大幅減になっていておかしいなーと思ってましたが、確報では3.1%増になったのです。それを報じた1月25日の日経の記事では「厚労省によると、11月の調査は年末年始を挟むため速報段階では事業所からの回答率が低く、確報値で大きく修正される傾向にあるという」とのこと。速報段階で騒がなければ良かったのにね(笑)。
 一方、本日公表された2022年12月の特別給与は前年同月比7.8%増。この影響で現金給与総額も同4.8%増になり、実質賃金上昇率がプラスになりました。2022年11月の速報段階で書かせていただいた下記のnoteで指摘させていただいた通り、特別給与の支払い月のズレにより、11月の伸びが過小、12月の伸びが過大になったのではないかと思われます。いずれ、年末賞与の集計結果が公表されますので、それを注目したいと思います。


共通事業所でもブレがあった模様

 前回のnoteと同様に、共通事業所の結果も確認しましょう。現金給与総額は前年同月比3.3%増となり、共通事業所以外も含めた同4.8%増よりは低い伸びでした。ただ、共通事業所ベースでみると、11月は所定内給与も現金給与総額も前年同月比1%増で特別給与の押し上げ寄与があまり見られなかったのに対し、12月は所定内給与が引き続き1%増だったので、特別給与による押し上げの大きさが伺えます。11月に特別給与を支払う企業と12月に特別給与を支払う企業にこれほどの大きな違いがあるとは思えないので、単月のブレが出たのでしょうな?
 ただ、11~12月を均してもそれなりの賃金上昇になっているので、徐々に良い方向に向かっているのではないかと期待したいですね~


#日経COMEMO #NIKKEI

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