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【失敗談】新卒の時に詐欺に遭い、60万円騙された話


この記事では、私の失敗談を記事にしています。

1人でも多くの方が同様の被害に遭わないことを願い記事にしました。

特に新社会人や学生の方に読んで頂きたい記事です。宜しくお願いします。

▪️社会人初めての上司から

大学を卒業して会社に入社した後、半年間は研修として取引先の職場に出向して働く事になっていました。

私の社会人としてのスタートは親元を離れ、見知らぬ土地で初めての1人暮らしという環境でスタートしました。

半年間の研修は、余程の事がない限り、企業・部署が研修中に変わる事はなく、その職場で一緒になったメンバーと半年間、一緒に仕事をする事になります。

私が出向した企業の部署では、私を含めて8名体制のチームとなっており、チームを纏めるチームリーダーがいました。

そのリーダーが、私の社会人としての初めての上司になります。

チームは8名体制でしたが、職場毎に2名ずつ、計4グループに分かれる事になっており、入社直後の私はリーダーと同じグループで3ヶ月間、一緒に勤務する事になりました。

▪️周りからの人望も厚い、理想のリーダー


リーダーは、私と同じ会社の所属で年齢は当時新卒の私より一回り年上の30代中盤、大柄な体格に陽気で誰とでもすぐに仲良くなれる社交的なタイプの方でした。

仕事になると、オンとオフの切り替えが非常に良くできる方で普段は、私語も多く仕事中でも釣りやキャンプなどの趣味の話を周りの社員と話をする時もありますが、チームを纏める時は、厳しい表情で的確に指示を出し、同じミスが続いた社員を人前で怒鳴りつける事もありました。

私も気が緩んで同じミスが続いた時は、他の社員の前で怒鳴られた事もありました。

一方で仕事への責任感は非常に強く、取引先やリーダー自身の上司に対しても、職場環境の改善を積極的に提案したり、部下の失敗に対して自らの指導不足を理由に部下を庇う一面も見られ、チームメンバーからも信頼されているリーダーでした。

私自身もリーダーを信用するようになっていき、1人暮らしでの生活の状況や将来の願望など様々な悩みを相談する様になっていました。


▪️突然の誘い


研修が始まってから3ヶ月程経過したある日の勤務中、リーダーに社会人になってからの給与や支出に関する事を聞かれました。

私がリーダーの質問に答えていると、突然リーダーから、『仕事以外で金を増やす方法がある。身分証明書と印鑑があればすぐできる。

誰にも言わないと約束するなら詳しい話をするが興味あるか』と言われました。

冷静に考えれば、怪しい話だと疑いたくなる様な話ですが、当時の私は社会人になったばかりの世間知らず、初めて親元を離れ、頼れる人が職場の人しかいない環境で知り合った信頼できるリーダー、そのリーダーからの話でしたので、自分の事を真剣に考えていると錯覚していしまい、リーダーの提案を受ける事にしました。

興味がある、誰にも言わないと回答した所、具体的な内容を教えてくれました。

『私の兄が、消費者金融の借入を審査する会社で勤務している。

カードローンで借入した借入情報をシステム内で削除できる権限を持っている。

自分もこれまで計100万円ほど借入したが、借入情報を削除して貰っているので返済する事も無い。

この事は、私が信用している一部の人にしか教えていない。

少額の借入を継続的に行い、返済期日が迫ったタイミングで借入情報を兄に削除して貰う。カードを作れば、1週間以内に3 万円渡す事ができる。

その後も定期的に2~3万円の金を毎月渡す事ができる。

本日の勤務終了後、妻に迎えに来させるので、自宅に身分証明書と印鑑を取りに行って、そのままカードを作りにいかないか。』


今振り返ると、どう考えても詐欺ですね。

ただ、当時の私は世間知らずで、しかもリーダーを完全に信用していたので、騙されている疑いは全く持たず、リーダーの発言を真剣に受け止めていました。

当時の私は、金銭に困っている事は無かったですが、リーダーに認められたい、承認欲求に近い感情が働いており、リーダーの提案を受ける事にしました。


▪️人生で初めての消費者金融


その日の仕事が終わり、職場にリーダーの奥さんが車で迎えにきてくれました。

車に乗り込み、連れてこられたのは、消費者金融の無人ATMがある小さな建物。

ATMには、1人で行ってカードを作ってくるようにリーダーに指示されました。

私がカードを作っている間は、リーダーと奥さんは駐車場で待機していました。

建物には人は誰もおらず、ATMと電話機が設置されていました。

私は、ATMの操作画面通りに操作を行い、個人情報の入力、オペレーターとの通話、本人確認、その場で職場への在籍確認もされ、審査を通過しその場でカードが発行されました。

そのまま駐車場に戻り、車で待っているリーダーにカードを渡しました。

リーダーから、『このカードは私が保管しておくから安心して欲しい。

それから、暗証番号を教えて欲しい』と言われました。

暗証番号を教える事に、少し不安が過りましたが、ここまで来たら引き返す事ができないので、リーダーの言葉を信じてカードの暗証番号を伝えました。

後日、リーダーは現金で私に3万円を渡してくれました。

その際、次は、1ヶ月後に2~3万円渡すと言われました。

当時の私は、3万円貰えた事よりもリーダーに信用されているという感情の方が大きく、騙されているということは全く考えていませんでした。

現金を受け取った2週間後、チーム内のグループ編成があり、私はリーダーと違うグループになり、同じ企業・部署で仕事はしているが、担当の職場が変わり、リーダーとの接点が減りました。

気づいたら、カードローンの件についても話をする事が無くなりました。

1ヶ月後に2~3万渡すと言われていましたが、その後、リーダーから現金を渡される事はありませんでした。

私も気にはなっていましたが、以前より人前を避けて話ができる機会が無くなり、こちらから話題を持ち出す事ができませんでした。

グループの編成から約2ヶ月後、私の研修が終わり、本配属先が発表され、他県へ転居する事になりました。

研修の最終勤務日の終了後、職場のチームメンバーが私の送別会を開催してくれました。

送別会の終了後、リーダーに呼ばれ久々にカードローンの話をされました。

『例の件はもちろん忘れていない。近いうちに入金するから銀行の口座情報を教えて欲しい。

それから、異動した後もこの件は絶対に誰にも言わない様にして欲しい。』

当時の私は、転居する前にリーダーからカードローンの件について話を聞きたかったので、話を聞けて安心していました。

リーダーに銀行の口座情報をその場で伝えました。

送別会の翌日、私は荷物をまとめて本配属先の他県へ引越しをしました。


▪️詐欺にあったと自覚


研修後は、希望していた法人営業の部門に配属され、研修時とは一変して多忙な日々を過ごしていました。

私は、カードローンの事はすっかり忘れてリーダーとも全く連絡を取っていませんでした。

私の口座へリーダーから振込される事は全くなく、私も気にしていなかったのでこちらから連絡する事もありませんでした。

本配属されてから1年程経過したある日、見知らぬ番号から着信がありました。

電話を取ると、消費者金融からの電話で『昨日、返済予定日だったが入金が無かった。いつ入金できるか回答して欲しい』この話を聞いた時、リーダーの事を思い出し、嫌な予感がしました。

ここで初めてリーダーに騙されたのではと、脳裏によぎりました。

消費者金融には、確認して対応すると伝え、すぐにリーダーに電話をしました。

リーダーからは、『兄に依頼するのを忘れていた。すぐに依頼するからもう大丈夫だ』と言われました。

翌日、消費者金融からの連絡はありませんでしたが、その後、1~2週間おきに消費者金融から連絡が来るようになりました。

その都度、リーダーに電話を掛けましたが連絡が取れたのは最初だけで、その後は、何度電話を掛けても全く連絡が取れなくなりました。

消費者金融からの連絡は、着信が1日に数件あり、折り返ししなくても翌日また電話が掛かってくる、電話を取った際に、期限を決めてそれまでに入金すると回答していました。

ただ、リーダーとは連絡が取れず振り込みの仕方もわからないので、期限が過ぎるとまた消費者金融から電話が掛かってくるという日々がしばらく続きました。

丁度その頃、私は仕事が軌道に乗ってきた事もあり、社内から様々な仕事を任される様になり、カードローンの事は深く考えず、対応が後手に回っていました。

リーダーとは、連絡が取れない状況でしたが、同じ会社に勤めているので、いつかは連絡が取れるだろうと軽く考えていました。

その様な状況が半年程続いたある時、あまりにも消費者金融からの連絡が多くなってきたので、流石にこれ以上は耐えられないと考え、消費者金融に纏めて返済するので、返済の総額を尋ねました。

すると返済総額は、約60万円だと告げられました。

こんな大金は借りていないので、非常にショックを受けました。

恐らく、リーダーが私のカードで限度額まで引き出した後、返済が遅れていたので、利息がかさんで返済総額がここまで増えたと推測しています。

この時は、完全にリーダーに騙されたと思いました。

会社の上層部に報告してリーダーに返済して頂こうとも考えましたが、
当時の私は、出世の話が出ていた事もあり、せっかくのチャンスに影響が出ては困ると考えてしまいました。

当時、給与の大半を貯金していた事もあり、一括で支払う事ができる状況であった為、自分の貯蓄から全額支払いを行いました。

後日、消費者金融から郵送で完済証明書が届きました。

消費者金融からの電話も無くなりました。

20代中盤で60万円という大金を失った事も大きいですが、それよりも自分が信頼した身近な人に騙されたという事実の方が大きなショックでした。


▪️信頼していた人から騙されて学んだ事


私がカードローンを完済してから、約1年が経過した頃、私は地方にある支店の支店長になっており、これまで以上に会社の様々な情報が入ってくる様になりました。

私が研修で勤務していた企業を管轄する支店の支店長から、私が研修中に勤務していた取引先で、職場のリーダーが金銭トラブルを起こして警察沙汰になったという話を聞きました。

詳しく聞いてみると、社内でカードローン詐欺を働いていた、親族がカードローンの借入を審査する会社で働いており、借入情報を削除できるので消費者金融でカードを作れば定期的に金銭を渡すという嘘の話を社員複数名に持ちかけていた。

被害にあった社員が複数名いると報告が上がっており、大問題になっている。

その話を聞いた数日後、リーダーは警察に捕まり、懲戒解雇で会社をクビになったと聞きました。

私は自分が被害者であった事は最後まで話をしませんでした。


長くなってしまいましたが、この経験から私が学んだ事は以下の3点です。


・どれだけ信用している人でも、楽して儲かる話は絶対に信用しない

・消費者金融には近づかない

・万が一、騙されたと気づいた場合は、必ず誰かに相談する


私は、今回の件を自分自身の無知に対する勉強代として60万円払ったと自分に言い聞かせ気持ちを切り替えました。

ただ、今思うと、もっと早く誰かに相談していれば、信用していた人に裏切られる事や大金を失う事も無かったのではと後悔しています。

この記事を書いたのは、私と同じ様な事で悩んでいる人や親元を離れて働き始めた人が、同じ様な経験をしない為に私の経験談が役に立てればと思い、記事を書きました。

本日の記事はこれで以上になりますが、私の記事では、仕事のノウハウだけではなく、読者の方の社会人生活の充実を目的に私自信の経験談や失敗談を記事として書いていきます。

宜しければ次回の記事も見てください。

宜しくお願いします。


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