見出し画像

ペッパーが介護業界にやってきた!・・・という記事の紹介です。

ペッパー君、みなさんご存じでしょうか。
最近見かけなくなったなぁ・・・という感じですが、実は6年ほど前と、3年ほど前にそれぞれデイサービスで管理者をしている時に、このペッパー君をデイサービスに導入しようと企んでいた時期がありました。

僕が所属している会社は、とにかく各事業所でウリを作れ!と言ってくるのに、独自の取り組みは快く許可してくれないという非常に不自由なシステムがあり、管理者レベルで行政担当者にわからない事を質問する事すらご法度の状況でした。こればかりはずっと納得いきませんでしたね、行政担当者とコミュニケーションもとれないで管理者が管理者として育たないのでは?という意見は出しましたが、どうも実地指導などの呼び水になることを恐れているような回答でした。
個人的には、実地指導の経験回数がそのまま管理者としてのスキルの熟練度アップにつながると思っているので、不安はわかりますけど、そんなに信用できない人間を管理者に任命しているのか・・・と思うとなんだか悲しくなったことを思い出しました。

さて、そんな感じですので、それなりに費用もかかるペッパー君の導入が実現する事はありませんでした。

ペッパー君ですが、簡単な体操や脳トレやレクリエーションを行なったり、顔認証等の機能を活用したコミュニケーションや見守り機能がありますので、職員がやっつけ仕事でやるような体操やレクリエーションと比べるとよほど面白い取り組みになるのではないか、と考えたのと、ペッパー君は人間ではありませんので、休日や休憩を与える必要もなく、安定的にそのプログラムに配置する事ができるわけで、そういう前提で費用対効果を考えると、そこに割くマンパワーを他のもっと必要な部分に充当できる可能性があると考えました。
こういうのは実際にやってみないと見えてこないので、試してみたかったのですが、そもそも導入自体が認められなかったので試すこともできませんでしたが・・・。

その後、ショートステイで夜中に歩き回ってしまう利用者さんの対策で、エレベータをふさぐように衝立や椅子を並べている様子を見て、そんな身体拘束するくらいならペッパー君でも配置しておいて見守りしてもらったらいいのに・・・というのも思いましたが、そもそもペッパー君を活用できるレベルではないな、と思ったので認知症ケアの学習から始めましたが、人手不足だから仕方ない、忙しいから仕方ない、というところから外に出ようとしない・したくないチームだったのでどうしようもありませんでした。

そんな経験をしてきたのでペッパー君の記事には自然と目に留まりました。

https://www.minnanokaigo.com/news/visionary/no84/

集客や接客だけに留まらず、いまや介護や教育といったこれまでとは違ったフィールドでもペッパーは活躍している。
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

6年前の資料請求して担当者と会っていろいろ話を聞いた時でも介護業界での活用の広がりは進んでいました。

当時は何もしらなかったので『ペッパー君は自分で自由に移動できないのですか?』みたいな質問はしましたね。

あの車輪でコンセントがつながっている範囲くらいは自走するんじゃないかと思っていましたので。
実際は、人力で動かすしかないそうでした。

高齢者のウケは良くて、たくさん話しかけてくれたり、握手したりと、職員の代わりにいっぱいコミュニケーションをとってくれるという話や事例を聞いて、それだけでも導入する効果はあるな、感じました。

見守りもできるので、挨拶とどうされましたか?くらいの話しかけもしてくれるので、本当に見守りとしても役に立ちそうだとも感じたのも思い出しました。

山本「右から左に“完璧に”モノを運べるようなロボットの需要は、今後も高まるはずですが、ペッパーの役割はそれとは違います。子どもからお年寄りまで、コミュニケーションを通じて『人を楽しませる』ことがペッパーの魅力であり特徴のひとつです」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

そう、ペッパー君の強みである”人を楽しませる”というのは介護現場にピッタリなんですよね。実際に使ってみたかったなぁ・・・。

当初、ペッパーは家庭向けのモデルとして発表されたが、その後、法人向け、教育向けと事業領域を広げていった。

介護業界においては、現在150以上の施設で導入され、延べ約10万時間のレクリエーションを提供している。
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

結構導入されていますね、レクリエーションの質とかも向上していると思います。

山本「事業領域を拡大していく過程で、ペッパーを取り入れた企業のご担当者から、『高齢者の“ウケ”が非常に良い!』というフィードバックをいただきました。そのお声が進出を考えたきっかけですね」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

これは僕自身も営業担当の方とのディスカッションの中でよく耳にしました。
実際、そういう光景は容易に想像もできたので面白そうだ、と思いました。

太田「子どものようなビジュアルと声のトーンもあって、孫のようにペッパーをかわいがってくださる方が多かったと聞いています。

介護の現場では空間が『マンネリ化』してしまいがちです。でも、そこにペッパーという“新しい存在”が登場することで、施設の利用者はもちろん、スタッフも笑顔になって生き生きと明るい雰囲気に変わるようです。

業務負担を軽減するだけでなく、心理的にもプラスになったという声もいただきました」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

一方はペッパー君に任せておいて、一方を職員が直接レクをしたり必要なケアを提供する、というような分業や、一緒にペッパー君とレクや体操を取り組む、という事もできるでしょうし、ペッパー君を活用した面白い取り組みはいくらでも出てきそうです。

介護現場で「活躍」できるように、ペッパーには主要な機能として2つのアプリが搭載さている。

レクリエーションを一緒に楽しむために開発された『ロボレク』、リハビリテーションの「プロ」と開発したリハビリテーション専用アプリ『ロボリハ』の2つだ。

『ロボレク』は、体操・歌・ゲーム。脳トレといった多彩なコンテンツを楽しむことができる。体操は、上半身体操が43種、下半身体操が11種、口腔体操が12種登録されているので、施設に応じてカスタマイズできる。カラオケ機能もあり、高齢者に人気の歌の78曲が初期設定で唄うことができる。

『ロボリハ』は、リハビリテーションの支援を行う。プログラムは、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士らによって監修されており、発声の練習やペッパーの動きを倣うことで機能的な訓練を実施できる。
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

実際、ペッパー君に集団体操のリーダーをさせて、補助に職員がつくことで質の高い運動の機会が提供できるとも思いました。
職員は、うまくペッパー君の動作や指示を理解できなかったりついていけない方のフォローをする事で、ある程度いい感じの取り組みになりそうだとイメージしました。

カラオケも人気ですので、そういう意味でも古い機材で限られた曲しかない(当時はカラオケ機材も廃棄するか使い続けるか、という議論がありましたので、それならペッパー君でも代用できるとも思いました)状況よりも全然いいですよね。

集団体操にしても運動にしても、介護職に身体機能や体操や運動について基礎的な学習資料や運動器機能向上訓練の資料を配布したり教えたりしてはいましたが、ちゃんと理解して現場で活用できている職員は限られており、そういう意味でもペッパー君が実施した方が質を担保できる可能性が広がる、とも感じていました。

ペッパー君の体操からヒントや着想を得て介護職のスキルアップにもなる可能性もあったと思います。

太田「『ロボレク』の特徴に、カスタマイズの自由度があげられます。例えば、月曜日は体操10分とカラオケ20分、火曜日は体操15分とカラオケ15分といったように、一週間分のメニューを自由に細かく組み合わせられます。ご利用者にとって計画的に楽しんで頂けるのはもちろん、介護現場の人員配置にも役立てられるのではないかと思います」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

本当にいろいろ設定できたと思います。
顔認識と氏名を覚えさせておけば、職員と利用者の呼び分けもできたはずです。それだけでも面白いですよね。

太田「『ロボリハ』を行った方のリハビリデータを記録・グラフ化する機能があるので、個人の『進捗状況』を蓄積することが可能です。また、このアプリには1,000人くらいの顔を認証する能力があり、顔認証機能によりリハビリを行う人の名前を呼びながら進行をしてくれるので、『前のめり』にリハビリに取り組んでいただけているようです」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

データが記録されグラフになるだけでもいいですよね。
ここでも顔認証と個人が連動して記録と紐づけされるので、うまく活用すれば業務負担の軽減にもなりそうです。
体操しながら名前を呼んで声をかけながら進めていく事は本当に重要なんですけど、そこまでやれる職員って少ないんですよね。
プログラムを進める事だけ一生懸命で、何が重要でどういう部分をしっかり取り組んでもらえたらいいのか、とか、個別のタイミングやペースをうまく調整できる職員は本当に少なかったです。

そういうのがうまくできる職員の体操や評判良いです。

太田「ロボリハは、リハビリのプロをペッパーに『憑依』させているようなものなので、効果を期待することができます。 個人ごとにカスタマイズできるので、それぞれの利用者の方にとって最適なメニューを提供できる一方で、施設ごとの導入台数に限りがあるため、個々の利用時間を施設側でスケジュール管理するなど、施設ごとに最適な運用ルールが必要になります」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

うれしい悲鳴ですけど、介護職や機能訓練指導員がそこまで出来ない部分をペッパー君が担ってくれればいいのですが、この内容だと人間より評価が高いという事になってそうで、それはそれでどうなんだろう・・・と思ってしまいますが、個別のデータを管理して適切なプログラムや進捗を把握するのは人間よりも素早くできるのがロボットの強みですもんね。

介護施設へ導入された数日は、ペッパーへの接し方に『戸惑う』利用者の方々もいたようだが、接していくうちに子どものようなペッパーに楽しげに話し掛ける光景が生まれたようだ。開発者として思わぬ「収穫」もあった。

太田「ある施設ではスタッフが前に立ってレ行うクリエーションには参加しないのに、ペッパーが前に立つときだけ体操に参加する利用者がいるという話がありました。これには、職員の方も不思議に思ったそうです。

実はこういったフィードバックが多く、それまでは歌をあまり歌わなかった方がペッパーと一緒であれば歌い出したり、レクをぼうっと眺めていただけの方が一緒に体操を楽しんでくれたりするそうです」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

これって、たぶんスタッフのやるプログラムは何となく強制的な感じと、単純に面白くないからなんじゃないかと思います。
実施するスタッフ自身が、そのプログラムをどう面白く満足度高く実施するかまで考えて準備して実施しているかどうか。

ペッパー君だと、スタッフと利用者という人間関係というか上下関係を感じにくいというのも要因としてあるんじゃないかと感じています。

こういう事例を聞いて、だったら人手不足の現状もあるのでペッパー君を導入してプログラムを任せる事でなんとかならないか、と思ったんですよね。

利用者さんが自発的に参加してくれる前例があるのであれば、そこに期待したかったのを思い出しました。

再度ペッパー君を導入したくなったのが、この機能があるのを知った時でした。
この機会にペッパー君を使いたいし、しかもパート職員さんが長期病欠していて採用の目途も立たなかったので活用したかったんですが、やはり導入するところまではいきませんでした。

コロナ禍で、ペッパーに検温カメラをセットし、体温の高い方などに「声を掛ける」機能を商業施設などで実行した。この機能に対してユーザーアンケートを実施したところ、ペッパーの声掛けが、人間よりも1.5倍好評だったという。ペッパーの対応にはストレスを感じにくいようだ。

山本さんはこう分析する。

山本「あくまでも推測ですが、人間から指摘されるとちょっとした「抵抗感」があることでも、『人とロボットの中間』にいるペッパーが伝えることで、コミュニケーションの摩擦が軽減されるのではないかと考えています。

そんなペッパーが、大勢の前でレクリエーションを一生懸命に率先することで、施設の利用者の方々も『やってみようかな』と気持ちになるのではないか、と。これは、人型をしていることがもたらす効果でもあるのではないでしょうか」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

利用者さんの心を動かせ、と職員にはよく言ってきました。
強制させるんではなくて、そう動いてもらうように何をどうやって伝えるかを考えることが重要ですが、ペッパー君だとそのハードルも低くなるみたいですね。やってみようかな、と思わせればそれ以上の事はありません。

ペッパーのコミュニケーション能力がもたらす効果については、それだけではない。

太田「介護職の方も利用者の方も人間なので、それぞれの現場で『相性』があるかと思います。でも、ペッパーがいることで、コミュニケーションが円滑になるようです。たとえばデイサービスへ行くことを拒んでいた人が来てくれるようになった話も聞いています」

ある介護施設の職員は、ペッパーがみんなの前に立ってレクリエーションを実践することで、人前に立つ心理的なハードルがすごく下がったということもあったようだ。

ペッパーを導入していることを施設の特色として、HPで積極的に打ち出したり、ケアマネジャーに伝えたりと、他の施設との差別化を図っているところもあるようだ。
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

ウリになるとも思いましたし、費用は回収できるとは思ったんですけどね。
僕自身が通所系の事業をやるとしたら、ペッパー君は導入して使ってみたいですね。

スタンダード(両方)でも、1日6時間労働だとして、たしか400円以下の時給換算だったと思います。
ペッパーにはAI会話機能が搭載されており、ある程度の会話をストレスなく楽しむことができる。会話という行為が認知症の進行の抑止を期待されることもあり、AIによる会話機能の向上を求める施設も少なくない。

しかし、会話の機能に関しては利用者の声の大きさ、話す速度、方言などまだまだ多くの課題があるため、現状では多くの方に対応できる『ロボレク』『ロボリハ』の開発を着実に進めている。その開発の先に、会話機能の発展があると二人は声をそろえる。
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

今のAIの進歩を見ていると、会話コミュニケーション能力は飛躍的に向上しそうですね。

太田「スマートフォンが世の中に受け入れられていったように、ロボットもさらに普及して、受け入れられていくと思います。

介護業界は人と人との触れ合いを非常に大切している業界です。人でしか感じられない触れ合いと、ロボットにしか出せない価値を上手に使い分けていくことで課題解決が出来ていくのではないでしょうか。

現状では、レクリエーションやリハビリテーションの提供がメインですが、今後は施設内の管理システムなどと繋がることも可能になると思います。

たとえばレクリエーション中に『〇〇さんに異常が見られました!』と通知し、職員の方に『〇〇さんのところへ行ってください!』とデータを送り、その対応をしている間に『次は何時にレクがあるのでみなさんよろしくお願いします』と待っている人に声を掛ける……こういった総合的なサービスを、ペッパーを中心に、さまざまなデバイスとテクノロジーで築いていけるように、1つ1つ実現していきたいですね」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

こういった見守り機能は既に活用されていて、入所施設等で夜間の見守り機能で歩いている入居者さんに話しかけて、その間に顔認証による氏名と画像データを詰所に送信してアラートを鳴らす、といった事はプレゼンの時に聞きました。

デイでは、送迎の乗車まちのタイミングとかにも活用できそうだな、と思ったのを思い出しました。

山本「介護現場には、入浴介助や深夜の見回りといった『実際的』な負担が多く残っています。テクノロジーで解決し得ることは、まだまだたくさんあると感じています。

『ペッパーにはなぜそういうことができないのか』。そんなフィードバックがあることからも、最終的には何でもこなすロボットを人が求めていることも肌感覚としてあります。

もちろんペッパーだけでなく、テクノロジーは日々進化していきます。その過程でロボットにできることが増える一方、「ここから先は人がやった方がいい」というロボットと人の境界線を社会はどこまで受け入れていくかも考えていく必要があるように思います。それは介護業界にだけいえることではありません。

それを受けて、さらに技術はどうのように進歩していくのか……。人とロボットが共生する未来では、ロボットは人に受け入れられないといけなし、人も変わっていかなければならないと思っています。ペッパーを通じて新しい『価値』を創造していきます」
みんなの介護 / ビジョナリーの声を聴け

ペッパー君は、これからどんどん介護施設等での導入ケースが増えるんだろうなぁ・・・なんて漠然と感じていたのですが、それ以降あまりペッパー君を見かけなくなったので忘れていたというか、うまく広がらなかったのかなぁ・・・と思っていたのですが、2023年2月の記事ですので徐々に広がっているんだなぁ、と思いました。

現場の人員の代わりにはなりませんが、人手不足の不足感をある程度緩和できるような活用はできると思っています。

今後の進化に期待ですね。

個人的には自走してくれるようになればかなり活躍の場が広がりそうな気がするんですけど、コストも考えるとそこまで求めるのも難しいのかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?