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「視座を高める」だけで良いのか?~3つの目を持て~・・・という記事の紹介です。【研修準備】

今日は、この週末に控えている研修資料の準備をしながら記事を書いていこうと思います。

今月と来月で、それぞれ職員の個別研修計画に位置付けた研修を実施するのですが、項目の一つに挙げていた”視座”について、資料をまとめるついでに紹介しつつ内容を整理していこうと思います。

視座を高めるというと、高い視点で物事を見なさいとか、そんな感じかなぁと思うのですが、僕自身が指導してきた言い方としては、今の役職や立場から2つ上の役職や立場で物事を考えなさい、という感じです。

現場職員なら、リーダーの上の立場で状況を俯瞰せよ、という感じ。
リーダーなら、上司の更に上の立場で物事を考えよ、という事です。

こういう事を意識しないのとするのでは、働き方や現場での動き方・ポジショニングが全く違ってきます。

ただ、頭でっかちで目線だけ高くて実際には動けない職員も出てきちゃうので、伝え方が難しいんですよね。そういう上の視点を理解していれば、現場で今その時に求められている役割を全うするために必要な最適解に近くなるという事なんですけど・・・要は、上司がなぜそういう指示や命令を出すのか理解しやすくなるんですよね。理解できていたり、状況から上司の指示命令の予測がつけば事前の準備もできるわけですから、かなり仕事の効率は上がると思いますし、実際に僕自身が実感している事でもあります。

視座について

視座とは「物事を見る姿勢や立場」のことで、一般的には「高い」方が良いとされる。

「視座が高い」と、問題を発見でき、選択肢を多く持て、ゴールに至る効率があがる。

ただ、「視座が高い」だけでは不足があり、「鳥の目」「蟻の目」「魚の目」の3つの目を併せ持つ必要がある。

ミライズロケット

視座とはこういうものですよ、という説明ですが、視座が高いだけでは不足で、”鳥の目””蟻の眼””魚の目”が同時に必要だよ、という事です。

鳥の眼・蟻の眼・魚の目は聞いたことはありますが、そこまで詳しく本当の意味を知っているわけではなかったのでいい勉強になりそうです。

3つの目について

鳥の目 : 大局的に見る
蟻の目 : 現場から見る
魚の目 : トレンド変化に着目

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鳥の目と視座が高いがイコールのような気もしますが、そうではないようです。

視座とは?

辞書的には「物事を見る姿勢や立場」という意味の視座ですが、その言葉通り、物の捉え方・問題意識って人によって違うよね、という前提から考えられます。

良く語られる例えで言うと、ビルの入り口に立っている人では遠くは見通せませんが、ビルの屋上に立っていれば遠くを見通せる、ゴールへの最短距離を俯瞰して見える、と語られたりします。

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遠くまで見通して物事を考えましょう、という事ですね。

仕事でいうと、会社の理念や事業所の目標に向かって、いま自分たちがどの到達点(立ち位置)に立っていて、どっちの方へ向かっていくのか、どのような手段で理念や目標を達成(目的地に到着)するのか、順序だてて考えるようにしましょう、という事だと思います。

その為には、現場の事だけ見ていては気が付いたら目的地の反対方向に進んでいる事があるかもしれませんし、乗り越えられる(乗り越えるべき)課題を安易に避けて目的を見失って迷走してしまうかもしれません。
仕事でいうこういう迷走してしまっている状態というのは、立てた目標が達成できなかったり予算が達成できない状況を意味しますので、マイナスの結果となり業績が悪化して最悪働く職場がなくなってしまう、という事に繋がります。

チーム全体が理念や目標を共有した上で、メンバーの視座が高ければ、それこそ記事で紹介されているように最短距離を進める上に立ちふさがる課題に対しても解決策が出やすくなるのは明白です。
だからこそ、職員の視座の高さは求められるのだろうと思います。

これは下記のイメージで考えれば、ポジション的にも表現しやすく、立場が変われば、物の見え方は大きく異なってくるよね、というのがわかりやすいと思います。

視座 役 職

↑高 社 長
|  部 長
|  課 長
|  係 長
↓低 平社員

つまり、ビジネス的観点での「視座」の使い方では「高い」ことが良しとされています。

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現場職員も経営者の視点を持って仕事すべき、というのは介護の現場でも流行りましたよね。少なくとも僕もリーダーの時代に同じような事を会議や研修でメンバーに伝えた事があります。

・・・が、それだけでメンバーの視座が高くなったかというとそうではないので、現実は難しいです。

ただ、不思議なんですけど現場のケアの質や働き方について視座を高く持ってほしいのに、そういう部分での視座はあまり高まらないのに、こと経営数字に関しては、視座の高い意見を言ってくれる職員が増えたのは事実なので、数字のような分かりやすい項目だと伝わりやすいのかもしれません。

視座が高いと、より上位レイヤーの立場にたって問題を捉えることができます。
自分個人のことではなく、事業や会社の立場にたって、やるべきことを策定し実行できるのです。
広く遠くを見ているので、発生しうるであろう問題を予期できる場合もあり、また成果をだすまでのプロセスも複数立案でき、成果を出す、ゴールにたどり着くまでの効率が爆あがりします。

逆に視座が低いと、自分中心に物事を考えてしまいます。
仕事が忙しければ愚痴を言い、まわりの人のことを考えずに、自分自身だけの領域で部分最適化を実行します。
誰かが休む(病欠だったり、産休だったり、色々な理由が考えられる)と「自分の負担が増える」と不満を見せ、チームの雰囲気を悪くし、自分が休みたい状況において休みづらくする、自分の首を絞めてしまう状況を作る場合もあります。

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僕自身が介護現場で経験してきた実体験から思い返すと、やはり多くの現場で総じて職員の視座は低かったと言えますね。
記事で記されているような視座の低い場合の具体例そのままの事例が、あちこちの現場で発生していました。

これ、介護現場の離職理由の職場の人間関係の悪さに大いに関係していると思います。
そう、どんな職場の中にも、視座を高く保って頑張ってくれている職員は必ず存在しました。そういう職員が、リーダーに抜擢されて潰されていく、そういう職員が現場で浮いてしまって働きにくくなってしまう、そういう職員にばかり業務のしわ寄せがいってバーンアウトしてしまう・・・。

僕自身、そういう職員を守りたくて起業したとも言えるので、やはり視座の高さは重要な育成やチーム作りのキーワードになると思いました。

これは何も仕事の話だけでなくプライベートにおいても同じで、会社で出世したくない、と考えている人も、視座は高い方が良いことが多くあります。
ゴールにたどり着くまでの効率が爆あがりするのは、自分自身の自己実現に対しても言えるからです。

自分が持っている知識や経験、置かれた環境、自分自身がやりたいこと、人生の幸せ。
そういったことを高い視座で俯瞰して見れれば、現在地点からゴールまでの距離を、最短に縮め、自己実現を果たせる可能性があがるのです。

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そっか、仕事で指導するというよりも、私生活やその人の人生をよりよくするためのツールとして視座を高めてもらうというのは良いアプローチになるかもしれません。

【例1】大学生A君

A君はボランティア活動に熱心で、若いのにビジネス書をたくさん読み、起業家などが主催するセミナーなどにも足を運ぶ、勉強家です。

将来は起業をし、世の中を良くしたいと考えています。
しかし、まわりの意識が低い、「視座が低い」人たちを見下す傾向があり、友達は少ないです。

【例2】ベンチャー起業家Bさん

若くして起業し、世の中を良くしたいと思い、壮大なミッション・ビジョンを掲げ、ごくごく少人数の創業メンバーと共に頑張り、何とか今までに無いサービスをローンチしました。

セールスのミーティングでBさんがいつも言うのは「それはミッション・ビジョンに照らし合わせて、どうなんだっけ?」。

顧客はまだついていません。

【例3】大企業社長C氏

誰しもが知っている多店舗展開をしている会社です。
いわゆる「ブラック」企業として。

C氏は店舗を効率よく運営する手法として、「ワンオペ」という人件費を最小化できる方法を考え実行しました。

会社の業績は爆あがりしました。
短期的には。

ある時、時流の流れか、社会から叩かれ、従業員は去り、きれいな形のある店舗が大量に営業できない状況に陥りました。

当然、業績も急下降です。

物事を高い視点で見て、社会を良くしよう、会社の業績を良くしよう、と思うのは結構なことなのですが、それだけではダメなのです。

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どこにでもありそうな事例ですね、確かに視座が高いだけではダメな感じです。

視座が高いだけではダメなのならば、何が必要なのでしょうか?

それは、「鳥の目」「蟻の目」「魚の目」の3つの目です。

鳥の目とは、鳥のように上から俯瞰して物事の全体感を掴む、ようは「マクロの視点」です。
上述していた、「高い視座」に近いものがありますが、微妙に違います。

蟻の目とは、蟻のように小さな目で、目の前にある物事の状況を見る、ようは「ミクロの視点」です。
「低い視座」に近いと思ってしまう人がいるかもしれませんが、全然違います。

魚の目とは、「潮の流れを読む」、つまり時代や市場の流れ、トレンドの変化に着目する視点です。
「魚眼レンズ」からイメージして、世の中を今までに無い切り口から見る場合に使うたとえとして、言及されることもあります(こっちを超音波視覚的な感じから、コウモリの目、と言ったりする人もいますね)。

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ここで、最初に出てきた3つの目が必要との事。
これらの目線を併用する事で、上述した事例のA君、Bさん、C氏にどんな可能性があったのか見ていきましょう。

【例1】大学生A君
A君に足りないのは、結局の所、本人の実務経験であったり、そのどうしようもないコンプレックスに向き合わない精神です。

A君が、鳥の目、自分を客観的に見る視点を持てば、態度を改め、応援し協力する人をたくさん得られるかもしれません。

【例2】ベンチャー起業家Bさん

Bさんに足りないのは、いいから足を動かして顧客をとる、という圧倒的な行動力です。どんなに崇高な志を持っていたとしても、吹けば消えてしまうような会社では何の説得力も影響力もありません。

Bさんが、蟻の目、ひたすら足を動かし、汗をかき、顧客を獲得する貪欲な動き方をすれば、マーケットの声をたくさん拾え、サービスのブラッシュアップにつなげられると共に、実際に顧客を獲得できるようになるかもしれません。

【例3】大企業社長C氏
C氏に足りないのは、時流を読む力であったり、現場を見ない、もっとストレートに言うと経営者としての能力不足です。きっと、部課長としては優秀だったのかもしれません。(人は、無能になるまで出世を続ける、と言いますしね。ピーターの法則。)

C氏が、魚の目、時代の変化を掴み、これまでの現場経験を振り返り、今必要なことを再度考え直せば、もしかしたら業績悪化を防ぐことができたかもしれません。

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それぞれの目線は、より自分に近かったり取り巻く環境の変化に敏感になったりという感じで、いずれにしても自分自身を常に成長させる・スキルアップする、という自己覚知や自己研鑽が必要という事ですね。

まぁ、当然といえば当然で、実力が伴わないと視座が高くてもダメだという事ですよね。当たり前の話ですけどね。

さて、ではどのようにすると視座が高められるのか・・・。
こちらもちょっと調べてみました。

視座を高める3つの方法

実際に視座を高めるには、視座の高い人の考え方に触れることが必要不可欠です。

GLOBIS CAREER NOTE

視座を高めるには、視座の高い人の考え方に触れて影響を受けるしかない、という感じなんですけど・・・。

で、これでまた気が付いたんですけど、介護現場の離職理由の上位に(最近は上位じゃないかも?)、目標に出来る先輩がいない、というのがあったと思いますので、これって凄く重要ですよね。

視座の低さが離職理由に関係ありそうだったので、それを高めたいけど、そもそも視座が高く目標にしたい先輩がいないと視座が高まらないという悪循環・・・。

今までもそうだったんですけど、これからは本当に人手不足が確実な介護業界ですので、守るべき人材をしっかり守っていかないと職場の好循環は生まれないのかもしれません。

ロールモデルになる人と会話する

「この人くらいまで視座を高めたいな」と思う人が周囲にいたら、定期的に1on1を依頼するのがおすすめです。

可能であれば、普段あまり近くで一緒に仕事をしていない人の方がよいでしょう。
距離が近すぎると、普段の仕事のやりやすさや人間関係を配慮し、なかなか本音で話しにくいためです。

自分の今の悩みや、モヤモヤしていることを相談すると、自分では全く持っていなかった視点からアドバイスをくれることがあります。

その経験を積み重ねることで、次第に「あの人だったら、この問題をどう捉えるか?」といった発想ができるようになり、視座が高まっていくことにつながります。

GLOBIS CAREER NOTE

これ、出来る人少ない気がするなぁ。
何かきっかけがあればいいんですけど・・・。

ただ、noteだと本当に良い刺激をもらえるので、そういう意味では一方的ではありますが、似たような効果を得られているような気がしています。

さまざまな本を読む・動画を見る

残念ながら、周囲に視座が高いと思える人がいない場合は、本や動画を参考にするとよいでしょう。
高い視座から情報発信をし、世間に影響を与えている人は、世の中にたくさんいます。

もちろん、物事を見る角度は人によってさまざまですので、自分の心にしっくりくる人もいれば、あまり共感できない人もいるでしょう。

本や動画を通して、いろいろなタイプの人の考え方に触れることで、自分にとって理想的なロールモデルが見つかるかもしれません。

GLOBIS CAREER NOTE

共感できる出来ないにかかわらず、本当にいろんな人のいろんな話や意見を聞く・読む、というのは凄い勉強になります。

訪問介護の仕事では、それなりに移動時間がありますので、その時間を聞き流したり有効活用できるので仕事しながら視野を広げたり知識を深めたりする事ができるのは訪問系の仕事のメリットだなぁと思っています。

社外のコミュニティに参加する

社内や身近な範囲にとどめることなく、今まで足を踏み入れたことがなかったコミュニティで、視座の高い人と接点を持つことも大事です。

例えば、オンラインサロン、NPO法人への参画もありますし、私が勤めるグロービス経営大学院のようなビジネススクールで社外のコミュニティを築く方法もおすすめです。
社外にネットワークができれば、そこから徐々に新しいつながりも生まれます。

自分に紐づくネットワークが広がれば、その分、視座の高い人に巡り合える可能性も高まるので、より効率的に視座を高めることにもつながるでしょう。

GLOBIS CAREER NOTE

横のつながりを広げるのは本当に良い事なので、研修会などの案内があれば極力参加できるように調整しています。

同じ職場の中だけでのコミュニケーションだけでは広がりにも限界がありますし、そもそも考え方や知識が偏ってしまう可能性も高いので閉鎖的にもなっていきそうなのであまり良いとは思えないので、外部の刺激をどんどん取り入れる事で様々な化学反応が起こると思うので、そういうの楽しめたらいいな、と思いました。

今回は、研修資料作成のため、視座についていろいろ見てみました。

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