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犬と猫

僕は猫の絵を描く事が多いが猫を飼った事がなく、飼っていた事があるのは犬のみ。犬を飼い始めたのは僕が東京から愛知に引っ越してきた小学校3年生の年、親が知人から譲り受けたのがきかっけで、当時僕がラッキーマンが好きだった影響で「ラッキー」という名前を提案、そのまま採用された。中型の雑種犬で毛が長く多い。力が強く散歩が大変だった。紐に足をひっかけて転び骨折した事もあった。
僕が大学生の時に亡くなった。その頃実家を出て長久手に住んでいたので亡くなった瞬間や弱っていく過程を知らず、元気だった時の印象のままどこかにいなくなってしまったような感覚が今もある。その影響で気軽に犬の絵を描く事ができず、ドライな気持ちで描ける猫の絵ばかり描いていたが、先日の展示で犬とも一度ちゃんと向き合おうと思い犬の絵を何枚か描いた。やっぱりエモーショナルになりすぎるのでもうちょっと継続して描いてみようと思った。

猫はドライな気持ちで描けるが思い入れがない訳ではなく、昔一度だけ子猫を世話した事がある。確かラッキーの散歩中に段ボールに入っている捨て猫を見つけ、連れ帰り世話をした。まだ生まれたばかりの目も開いてないような状態で、仕事から帰ってきた父も加わり家族一丸となって世話や必要なものを調べたり等をした。次の日の朝猫は亡くなった。家族皆泣いたが、父が一番泣いていたのがとても印象に残っている(これまで父が泣いた姿を見たのはこの時と家族でスピルバーグの「A.I.」を観に行った時のみ)。
あと大学時代、学内にたくさんの半野良猫(学内の誰かが餌付けをしている猫)がいて、その中で1匹だけ人馴れしすぎて逆に他の猫とは仲良くない猫がおり、よく休憩中に外でご飯食べていると近づいてきてしばらく膝の上にいてくれたりして、その時に観察して得た猫の情報がかなり自分の絵に反映されている。
また、京都の「ゆすらご」に2匹の猫「フムフム」「チャオ」の絵をたくさん描かせてもらった事も大きい。
こうやって改めて振り返ると猫に対しても結構思い入れあるなと思った。

先日の展示で描いた、エモーショナルさを前面に押し出した犬の絵。この文章の後でこの絵を見るとかなり恥ずかしさがある。

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