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ベトナム人女性の写真撮影好きは「自分を愛すること」の現れか

 ベトナムではプロの写真家に撮影してもらう機会が多い。結婚式、子どもの誕生日、学校の卒業式、あるいは会社のイベントとして社員全員の撮影会もある。女性ならば新しいアオザイを新調して街や花畑にくりだし、プロのカメラマンに撮影してもらう。撮影費用はカメラマン、メイク、アシスタント込みで一人当たり220万ベトナムドン、約1.2万円ほどなので、結構な金額だ。遠出をすれば、さらに車両費がかかる。ちょっとした出費だが、それでも写真撮影好きな中年女性は、季節ごとにアオザイを新調して年4回も写真撮影にでかけるという。

 日本女性は年齢を重ねると自分の容姿に自信がなくなるのか、写真に映りたがらないひとが多い。しかしベトナムでは自分の容姿がひとからどう思われるか思いわずらうより、自らの容姿がどうであれ、カメラを前にまるで女優のようにポーズをとることに躊躇がない。自己顕示欲が強いといってしまえばそれまでだが、しかしそれだけでもなさそうだ。

 ある日本のテレビ番組で、中年女性がアオザイを着て写真撮影をする習慣があるのだと番組ディレクターに伝えたところ、それは面白い!と取材することになった。

 写真撮影に文廟を訪れた50代の女性たちにインタビューしてみると「苦難にあってもニコニコわらい、自分を愛することが元気でいられる秘訣」との回答。ディレクター氏は日本人もベトナム女性を大いに見習うべきだと関心しきりだった。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2023年1月号掲載


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