見出し画像

円安で日本のランチがベトナムより安く感じられる時代に

 円安である。ベトナムドンは日本円に対して恐ろしいほど高いものになってしまった。日本円1円に対して160ベトナムドンだ。

 ついこの間まで1円はおよそ200ドンだった。2万ドンは約100円。タクシーの初乗りが2万ドン、100円。観光地でボトル入りの水を購入すれば1万ドン、50円。

 ベトナムドンの価格からゼロを二つとって2で割ればおおよその円価格が暗算できた。それが今や1米ドル=145円だ。1円200ドンの時代からしたら日本円は2割もの減価だ。

 ドンとドルはペッグ制(固定相場制)をとっているため、ドル高となればベトナムドンもそれにつれて高くなる。

 阿佐ヶ谷に住む私の友人が教えてくれたが、先日ランチに食べたしょうが焼きセットはサラダ、飲み物付きで900円だったそうだ。ベトナムドンにして145,000VNDだ。

 先日ベトナム人オフィスガールでいつも満員のハノイの人気洋食店でランチに食べたスパゲッティカルボナーラは149,000VND 、約930円だった。飲み物別の単品価格だと言ったら友人は驚いていた。次回のベトナム旅行に行くのが怖いねと苦笑していた。

 今後日本では円安を背景にエネルギーや食品など必需品の価格高騰が目に見えている。ベトナムではペッグ制を維持するためには無理をしなければならず、その無理がいつまで続けられるのかも心配だ。

 コロナが去ってまた一難、今度はインフレが世界を襲う。悩みは尽きない。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2022年10月号掲載

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?