都築 あい(てもねっと)

Webライター&オンライン事務ワーカー。 3児を育てるアラフォー主婦。 2024年 W…

都築 あい(てもねっと)

Webライター&オンライン事務ワーカー。 3児を育てるアラフォー主婦。 2024年 Webライターラボ 入会。 日々感じたことを備忘録として綴っています。 Xアカウント→https://twitter.com/tmnet2022

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#19 大沢たかおと消えたホステス

「お疲れ~~!ねえ、今日は何のパン食べる?」 出勤前、いつも私にパンを与えてくれる女性がいた。 彼女の名は、飯島 ラン(いいじまらん)。 「AV女優みたいな名前だな」と酔っぱらった常連客によく言われていた。もちろん源氏名だ。 私は大学3年生の時、家庭の事情により中洲のスナックで週に4日ほどアルバイトをしていた。 大学が終わると急いで西鉄バスに乗りこみ、50分ほど揺られて西中洲のバス停で降りる。 飲み屋街の地に降り立つと、そこから私は競歩ばりのスピードで歩くのが日課だっ

    • #34 『花とお金』と私

      1冊の本に憑りつかれている。 須王フローラさんの『花とお金』だ。 難しい言葉や言い回しはほとんどなくて、読みやすい本のはずなのだけれど、内容が深くて立ち止まって読むページが1章ごとに5カ所くらいある。 私は比較的せっかちな性格なので、「白黒つけて次、次!」と読むタイプなのだが、この本はそれを許さない。 なぜなら「無理に分かろうとしなくていい」「分からないことはそばに置いておく」といった趣旨のことが書いていあるからだ。 となると、自分の「分からないこと」の神髄がどこなのかを

      • #33 命短し、欲せよ乙女

        最近、彼女の様子がおかしい。 ここ最近、とにかくよく食べる。そして散歩にも行きたがる。 今朝も5時に「メシ!メシをくれ!」と飢えたカオナシのように私を起こしにきた。 マル、ロングコートチワワ、メス、15歳。 毎朝ウエットタイプのドックフードと野菜を混ぜたエサを彼女にあげることから私の朝は始まる。 そしてドックフードを食べた後は散歩だ。この散歩も、私がリードを持てばクウンクウンとねだるような声を出して、「早く連れていけ」と急かしてくる。 彼女はもともと小食で、散歩にも消

        • #32 10001回目に挑む勇気

          私がアパレル企業に勤めていた25歳のとき、Y子店長というカッコイイ女性に出会った。 私より9歳年上で、もともとエリアマネージャーまで務める優秀な大先輩だったのだが、持病のヘルニアが悪化したため、店舗間の移動が少ない店長職に落ち着いた。とにかく売場づくりに強くマーケティング力も高い人で、接客も完璧だった。 そんなY子店長と私のお店は隣同士だったので、私はよくY子店長と一緒にランチに行ったり、飲みに行ったりしていた。 2007年に私が配属されたブランドは、当時なかなかの売れ

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        #19 大沢たかおと消えたホステス

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        記事

          #31 早朝ハイボール

          社会人になって初めて、会社に不義理をした。 5月26日の日曜日、理由もなく仕事を休んだのだ。 起きれなかったとか、体調が悪かったとか、そんなんじゃない。 体調は万全だったし、心が病んでいる自覚もなかった。 休んだ理由。 それは燃え殻さんの『すべて忘れてしまうから』というエッセイを読んで、なんとなく休んでみたくなったから。 私の勤める会社は土日が稼ぎ時の営業職。 なんなら「土日と、会議をする月曜さえ出勤すれば、あとは好きにして」くらいのスタンスだ。とくにここ1年は、土曜日

          #31 早朝ハイボール

          #30 病めるときも、健やかなるときも、

          大学1年生の時 『ジェーン・エア』という映画をみた。 おそらくこれが生まれて初めてみたモノクロ映画で、当時はDVDなんかではなくビデオテープだった。 時間割を見間違えて、90分も早く登校してしまった、とある日。 あまりにもやることがなかったので、大学内の図書室に併設されている視聴覚室で映画を観ることを私は思いついた。 有意義な時間の使い方ができるなあと、機嫌よく視聴覚室に向かったのだが、見事に期待は裏切られる。 視聴覚室に並んでいるビデオテープたちは、映画とはいっても『オ

          #30 病めるときも、健やかなるときも、

          #29 許されぬ恋と、許される会話

           「ごめんね、あなたには何でも話せてしまう」 そう言って自身の不倫話を1から10まで語る友人がいた。 今思い返すと、そんな友人は1人ではない。 ざっと数えただけでも、おおよそ10人ほどの女性から『許されぬ恋』の話を聞かされてきた。 そして満足いくまで話し終えたら彼女たちは必ずこう言うのだ。 「私といつも一緒にいる〇〇ちゃんには話してないことだから、内緒ね」 そんな秘密の話を受け始めていたのは大学生の頃。 友達を作っても作らなくてもどちらでも構わない時代を生きていた。

          #29 許されぬ恋と、許される会話

          #28 9歳の推し活のすゝめ

          先週の自宅での会話。 長女が「ママ、V君のキーホルダーを買いたい!」と私に言ってきた。 V君は私も推している歌い手グループの赤色担当で、ネット上でグッズも販売されている。 どれどれと娘が持っているタブレットを確認すると、「800円」と金額表示されているV君のキーホルダーと目が合った。 「メルカリで売られているのか、中古かな」と私が呟くと、「チュウコってなに?」と長女は私の目をじっと見ながら聞いてきた。 私が「あー中古ってのは、誰かが買って使って、要らなくなったから売っ

          #28 9歳の推し活のすゝめ

          #27 マイネームイズ

          「なんで、『てもねっと』なの??」 鹿児島の天文館図書館で初めてお会いしたさとゆみさんから、こう聞かれた。 それは『ママはキミと一緒にオトナになる』の本に、さとゆみさんが私の名前入りのサインを書いてくださるときの出来事だった。 「お名前は?」と聞かれ、緊張のあまり私はうっかりライターネームを答えてしまったのだ。 そして冒頭のさとゆみさんからの質問で、憧れや尊敬の気持ちで震えた手にパニックも加わった。さらに震度が増す。 「あ、えっと、その・・・子供3人の頭文字をとりまし

          #27 マイネームイズ

          #26 愛情たっぷりの毒リンゴ

          以前『世界が騒然!本当にあったマル秘衝撃ファイル』というテレビで、夫に持たせている水筒に妻が毎日毒を混ぜて飲ませ、殺害したという事件が放送されていた。殺害動機は、金銭トラブルだったと記憶している。 毎日少しずつ飲ませることで徐々に夫の体調が悪くなり、数か月後には死に至る・・・という感じの劇薬で、妻は出勤前の夫に毎日笑顔で毒入りの水筒を差し出していた。 へえええ、そんな毒が世の中にあるんだ!と驚いたのを憶えている。 * 「22時までにして」 先日夫からパソコン作業の門

          #26 愛情たっぷりの毒リンゴ

          #25 あの頃の題名たち

          「QuestionMagic(クエスチョンマジック)」 「ブラウンの涙」 「Model Friends(モデルフレンズ)」 「バレンタインデーの怪」 「ユーニバース〜私の星〜」 これは私が小学3年生から小学6年生にかけて書いた、漫画や小説の題名の一覧だ。 見事に、ダサい。それは置いといて。 漫画や小説を「かく」。 たった3年くらいの期間だが、私は作品を作ることにハマっていた。 しかしそれらのほとんどが、題名→登場人物→あらすじまで書いて終わっている。 そう、ここに構

          #25 あの頃の題名たち

          #24 推し活と赤髪

          先日行った美容室の話。 終始、推し活の話で盛り上がった。 担当の美容師さん、アシスタントの美容師さん、そして私。 3人とも全員推しがいた。 関ジャニ(SUPER EIGHT)、ソフトバンクホークスの選手、インターネット界隈の歌い手・・・ 全員推しが違うのに、推しの好きポイントで大いに盛り上がった。 カラー剤を片付けている担当美容師さんは 「やっぱり素振りなんですよ、フォームがねもうヤバくって!」 落ちている髪の毛を箒で集めているアシスタント美容師さんは 「そうそう、

          #23 遅刻魔とランジェリー

          「痛っっ!!」 私の胸にチクっと刺さったのは、3年ほど愛用しているブラジャーから飛び出たアンダーバスト部分のワイヤーだった。 「あーあ、もう寿命か」 ワイヤーが飛び出している穴を縫えばまだ使えるか・・・と一瞬考えたが、布自体がもう劣化している。自称倹約家を名乗る私でも、再生は不可能だと推測できた。 3年も私のおっぱいを守ってくれていたその子は、本日をもって天寿を全うしたのだとあきらめよう。 「新しいのを買いに行かないと・・・」と思ったが、私はブラジャーをお店で選ぶの

          #23 遅刻魔とランジェリー

          #22 性格の悪い もの書き

          「あなたは性格が良いですか?」 と聞かれて「はい、良いです」と言える人は、なかなかいないような気がする。 おそらく「わりかし、良いほう」と内心自分では思っていても、「いえいえ、意地悪なところもあるんですよ」とか「悪いとは言われない性格だけど、自分では良いと思ったことがないです」など、はっきり「YES」を言わない人が多いと思う。 もちろん私も例にもれずYESなんて言えない。 自分の黒い・・・いやどす黒い内面を知っている。 それは私が押し込めようとしても湧き出てきてしまう、

          #22 性格の悪い もの書き

          #21 究極の二択

          「あなーただーけみつーめてる」 私がこの曲を初めて聴いたのは小学生の時だった。 今も国民に愛されて映画化されているアニメ「SLAM DUNK(スラムダンク)」のエンディング曲、大黒摩季の「あなただけ見つめてる」。 先日、3カ月ぶりに1人カラオケに行った私は、迷うことなくこの曲を歌った。 ここで私はスラムダンクのアニメーションが流れるほうではなく、大黒摩季のライブ映像Ver.をいつも選択する。 そこには今とさほど変わらないルックスの大黒摩季が、ホットパンツにウエスタン

          とある方へのVoicy愛、語らせて。

          「文化祭の日、好きな先輩に告白する」 日頃は恥ずかしくて伝えられないことを、盛り上がるイベントに便乗して伝える・・・誰だって一度は経験があると思う。 今回、中村さんが「偏愛」というテーマでコラムを募集している。 私にとって、これはまたとないチャンス。 そう、私にとってこのイベントは、「盛り上がるこの空気にのっかって、自分の想いを精一杯伝えるチャンスだ!」と(勝手に)考えた。 最初に伝えておくと、この前置きはここからの変態偏愛っぷりを少しでも大目に見ていただきたいとい

          とある方へのVoicy愛、語らせて。