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東大で全10学部の授業を一度に履修してみた話 (進振りの最適解は教育学部だったかもしれない)【中編】

こんにちは。さいさと申します。

現在、東大工学部の学生です。
今回は、前回に引き続き、私が3年の秋学期に東大にある全10学部の授業をすべて一つずつ以上履修した話を書こうと思います。

前回の記事をご覧になってない方はぜひこちらからご覧ください。
全学部の授業の時間割を組むことの難しさが伝わると思います。

今回は、全学部履修あるあるを、まとめていこうと思います。

全学部履修経験者ならばすごく共感をもらえるあるあるばかりを集めたつもりです。


あるある①:授業日程の把握が難しい

授業日程の把握が難しかったです。

夏休み明け、「あれ、いつまで夏休みだっけ?」と考えてみると、それが学部ごとに違うわけです。

この時は、法学部は秋学期の開始が二日ほど早かったのですが、法学部は水曜しかとっていないから結果的に関係なさそうだな、とかそういうようなことがありました。

また、だいたい秋学期の半分の時に各学部、試験期間や補講期間などがあるのですが、そのあたりでも、今日は○学部は休日だけど、△学部は休日じゃなくて授業があるから□限だけ行かなきゃいけないな、などありました。

そして、各学部の授業日程が一目でまとまっているものはないので、その都度、各学部のウェブサイトをあたる、ということもしました。

こうして、各学部のウェブサイトにも見慣れていきました。

あるある②:ダブルブッキング、トリプルブッキングが生じる

基本的に各学部の学生はその学部、学科の授業しかとらないため、補講、ガイダンスなどは、その学部の授業がない平日の授業時間中に行われます。

私自身は週25コマ履修していたため、平日の授業時間中に空いている時間は少しもありませんでした。
そのため、補講や、自分の学科のガイダンスが入れられるたびに、教授に連絡して、オンラインやオンデマンドで対応できるか、などを確認してました。

あるある③:他学部履修の認定届が楽しい

他学部の単位を卒業単位に認めてもらうには届け出を出す必要がありました。

週25コマ授業があって、しかも全くの無知の分野の授業もいっぱいあると考えて、実際全学部履修はすごく大変だと思っていたので、これを書いているときが一番のピークかなと思うくらいにはこれを書くのが楽しかったです。
他学部履修が10単位以内しか卒業単位に認められない学科で、こんなに他学部履修したことがある人が歴代いたのか気になりますね。

九種九牌

あるある④:薬学部は他学部履修の想定が全くされていない

毎週10:25-受けてた薬学部の「細胞生物学」の授業の試験当日、私はいつも通り10:15まで法学部の「イスラーム法」を受けたのちに、10:25にいつもの教室に行くと誰もいませんでした。

そこで、薬学部のウェブサイトを見てみると、10:00-11:30でいつもとは全く違う教室で試験だったと分かりました。

その後その教室に行ってみると、薬学部生しか通れないように鍵がかかっていました。
しばらく格闘したのち、裏口から入れることに気づき何とか教室にはたどり着いたのですが、そのころには試験は残り55分でした。

薬学部では通常1限がないので、1限の時間にかぶって試験は行われるし、試験会場がいつもの授業の教室と異なることも、授業内で告知してくれないし、その教室も鍵がかかっていました。

また、基本的に薬学部では個人を識別する方法として、学生証番号ではなく、薬学部生のみに割り振られている「薬学生番号」を用いていました。

また、成績が発表される時期が学部によって異なるせいで、工学部生が薬学部の授業を取ると、薬学部の想定よりも遅くにしか成績を確認できないため、成績が「不可」の人を救済するための課題を出すべきかどうかの判断ができないという問題もありました。

東大は全学的に他学部履修があまり想定されていない設計になっている節がありますが、薬学部での経験は非常に極端な例でした。

あるある⑤:知識レベルの違い

当然ですが、他学部の分野については完全に素人なので、前提となる知識レベルが足りないことがありました。
「この授業を受けている方なら、○○について知らない方はいないと思うのですが」、という前置きで全く知らないことを説明されることがありました。

あるある⑥:シンプルに楽しい

全学部履修、シンプルに楽しいです。
私は知的好奇心旺盛な方でさまざまな分野に関心があるのもあってどの勉強も好きでした。

一日の中で教室の移動が何度もあって気持ちが切り替わるし、様々な学問分野を同時に学ぶわけですが、頭の使い方が異なるので、飽きないというのもメリットです。

具体例として一日のスケジュールを書き出してみると、
まず、1限イスラーム法を受け、次に、2限で細胞生物学について学び、3限には、機械工学科の授業を受け、4限は人工衛星の軌道を計算する授業を受け、5限には食の安全科学を受けます。そして家に帰ると、高等教育に関するレポートを書き、その後、博物館展示論の課題をする、といった具合です。
まったく異なる能力が次々に求められて、かなりワクワクする日々でした。

ここまで読んでいただきありがとうございました。これで中編終了です。後編では、最終的にとった成績、全学部履修を終えた感想、副題(進振りで教育学部が良い)の回収などについて説明していこうと思います。

ありがとうございました。
↓以下が後編となります。是非お読みください。


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