縹 くも

人生、最後に笑い飛ばせれば万事OK。 花屋歴ン十年。次のステージは何をしようか模索中。…

縹 くも

人生、最後に笑い飛ばせれば万事OK。 花屋歴ン十年。次のステージは何をしようか模索中。毎日のこんなこと、あんなこと、書いていこうと思います。ぜひお付き合いのほどを。 宣伝会議 編集・ライター養成講座43期生。 https://lit.link/mie3

マガジン

  • 多摩花賣所物語

    東京の西のはずれのある街でビルの軒下から始まったちいさな花屋のものがたり。 笑いあり、涙あり、ヘッポコで失敗だらけの笑える話と全く笑えない話がてんこもりです。 初めはみんなひとりでやってきて・・そしてお客さん同士が繋がり出した。 三々五々現れては帰っていく。 それぞれの居場所がそこにはあった。

  • cinema channel

    子供の頃から映画好き。ミニシアター系は特に。 映画館で観たものが中心ですが、NetflixやAmazon primeからもチョイスしてお届けいたします。

  • おいしい物語

    口からモノを入れて生き存えている我々人間には、どうもこの「おいしいもの」っていうモノに目がない。 元来甘党の私が見つけてしまったアレコレの話。

  • MA・JI・ME

    人生おもしろおかしく生きるがモットー。 でもまじめに書きたいこともあるのよねぇ。

  • ご近所物語

    ちょっとぶらっとご近所巡り。どこに行っても人間模様はおもしろい。

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これを奇跡と言わなかったならなんていう?

4歳の時私は死にました。 甲州街道沿いの商店街にあった我が家。通りを挟んで向かいの八百屋へ買い物に行った母を追い、甲州街道に飛び出した私は乗用車にはねられて15メートルほど飛んだという。 病院に運ばれましたが、内臓破裂で内出血し、お腹は真っ黒、出血でパンパンに腫れ、ほぼ即死状態だったそうです。 私の血液型はO型。父はB、母はA。祖母がO型でしたが、その頃は60歳を過ぎた人の血液は新鮮じゃないからダメだと言われたそうで、同じ血液型なのに孫を助けることもできないのかと祖母は

    • スタバでみつけた春の恋

      おとうさん、ちょっとこれ食べて待ってて。私は銀行行ってくるけど、すぐに戻るから。ここから動いたら行けんよ。 大丈夫? あぁ、いいわ、やっぱり一緒に食べようね。 お父さん、いろんな人がいて、おもしろいでしょ?眺めてるだけで飽きないからね。 ちょっとだけここで待っとって。 70代と思しき右隣りのご夫婦の会話が聞こえてしまった。 手話が共通言語のサイニングストア、スターバックス国立店にはカウンターの前に大きなテーブルが二つあり、そこは皆がテーブルをシェアして利用している。 一

      • イニシェリン島の精霊

        【イニシェリン島の精霊】 1日は映画の日。ゴールデングローブ賞が発表になりましたね。 作品賞、主演男優賞、脚本賞を獲り、アカデミー賞 主要9部門ノミネートの『イニシェリン島の精霊』を観てきました。 1923年アイルランドの孤島、イニシェリン島が舞台。島民全員が顔見知りの長閑で美しい景色が広がる小さな島で、いつものようにパードリックが初老のコルムとパブへ行こうと迎えに行くシーンから始まります。 ところが、コルムは家にいるのに一緒に出かけないのです。何で機嫌が悪いのかさっぱり

        • 【モリコーネ 映画が恋した音楽家】

          「音楽家の名前が、『ジャンル』として認識されるほどの人物は、数百年に及ぶ音楽史においても、極めて限られた存在である。バッハも、モーツァルトも、ベートーベンも、ワーグナーも、もはや作曲家名ではなく、『ジャンル』だと思えるのだ」 そう語ったのは岩代太郎(作曲家)さん。そして「エンニオ・モリコーネ」も、紛れもなく『ジャンル』となった音楽家であるという。まさにその言葉に尽きます。 モリコーネの曲が聞こえてくると、映画のシーンが脳裏に浮かび、そこへと誘ってくれます。 例えば「めぐ

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        記事

          【離ればなれになっても】

          イタリアで公開され大ヒットを記録したラブストーリー「離ればなれになっても」。 キノシネマでの上映が終わる頃ではないかと観に行ってきました。 いやぁ、これはなかなかいい映画でした。 「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ライフ・イズ・ビューティフル」を彷彿とさせてくれるような映画でした。超えるまではいかないにしても、観る価値は十分ありです。 イタリア映画ってドキッとする映画が飛び出すから好き。この映画は50代以降の人が観たら自分の青春時代と重なる人が結構いるんじゃないかと思い

          【離ればなれになっても】

          忘れられない映画

          【素晴らしき哉、人生】 私には忘れられない映画があります。 生涯を通して一本の映画を挙げよと言われたら迷わず選ぶのがこの「素晴らしき哉、人生」1946年のフランク・キャプラ監督の映画です。 そんな昔の映画ですから、当然映画館のスクリーンで観る機会はないと思っていましたが、FBFからの情報で田端の小さなミニシアターで年末に観る機会を得ました。 15人から20人くらいしか入らない小さな小さな映画館で、スクリーンも小さくて。それでも朝10時からの上映に、6、7人いたことに驚きま

          忘れられない映画

          【ミセス・ハリス、パリへ行く】 

          舞台は1950年代のロンドンから始まります。ミセス・ハリスは戦争が終わったのに戻ってこない夫の写真を眺めながら、もう生きてはいないのだろうと思いつつ、希望は捨てずに家政婦としてせっせと働いています。 ある日、仕事先の家で、夫に内緒で500ポンドで購入したというクリスチャン・ディオールの美しいドレスを見つけてしまったハリス。手の込んだモチーフがたくさん付いた、淡いピンク色のあまりに綺麗なドレスについ手が伸び、自分も一度はこんなドレスが着てみたいと心を踊らせるのです。そしてミセ

          【ミセス・ハリス、パリへ行く】 

          「エルヴィス」に恋をした

          今夜、私はエルヴィスに恋をした。 エルヴィス・プレスリーが活躍していた頃、記憶に残っている姿は歌手として復活した晩年の太ったエルヴィスだ。あのチャラチャラした暖簾の紐みたいな衣装をつけて、つま先立ちして足を小刻みに揺らしながら、マイクスタンドを持って右に左に身体を倒して歌う。独特でセクシーなダンスかも知れないが、なんかダメ。そんな単純な理由で好きにはなれなかった。 だが今夜、それを恥じてどれほど後悔したことか。 映画で泣いて、湯川れい子さんのトークショーで泣けて。 駅を降

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          じぶんの居場所

          二世帯住宅の母と息子 ジリジリと照りつける夏の日差しがようやく傾きだした。 商店街のモザイクタイルから立ち昇る、モワッとするような熱を打ち水で宥めていると、交差点の向こうからつばの広い亜麻色のモダンな帽子を被ったその女性はまっすぐこちらへ向かって歩いてきた。同系色の麻に銀糸のアクセントが入った、涼しげで高級そうなワンピースの裾が風でなびいた。 「今日はまた一段と素敵ですね。歌舞伎かお芝居でも見に行かれたんですか」 とまだ数メートル離れていたのに声をかけていた。 「まさか」

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          トップガン・マーヴェリック

          【トップガン・マーヴェリック】 映画のことはインスタに任せていたが、noteにも残したら?と友達に言われて、ホイホイと調子に乗ってこちらにも。忙しくしていたので、久しぶりの投稿だ。 話題のトップガンを観てきた。 オープニングのシーンで一気に36年前に引き戻されてしまった。いきなりかつての友人グースの写真が出てきて泣きそうになった。 もしかして、あのクールな女性教官だったチャーリーも出てくるのだろうか。と期待してしまう。それはなかったが、グースの奥さんキャロルを演じたメグ・ラ

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          MUJIカフェでの怪

          となりで MUJIカフェでバランスのとれたご飯でも食べようと、長~いソファーベンチの真ん中辺りの席に予約席の立て札を置いた。 朝から人に会ったり、厄介な買い物で神経を使ったのでなんだかお腹が空いていた。とりあえず選べるデリセット4品で、ひじきの炊き込みご飯にした。 白身魚とえびのしんじょう、北海道のコロッケ、厚焼き卵、海苔のサラダ。 常温の水もトレーに乗せて席に着くと、なんだかホッとして、食べる前にすでにささやかな幸せがテーブルに用意され、おもわずニンマリ。 少し遅れて

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          キムタクめ、女房に初めての花を買う

          テレビで気象予報士が「数年ぶりの大寒波が来るので防寒をしっかりしてお出かけください」と朝出がけに言っていた、そんな極寒の冬の夜。 三間の横に長いガラス扉がいつのまにか曇って結露し、雫が落ちてできた線が模様を描いていた。するといきなり扉が開いて一人の男性が入ってきた。 「いらっしゃいませ」 建設現場帰り風のニッカポッカを穿いた50代も後半くらいのオジサマだった。 「花束5千円」 そう告げるとそそくさと外に出ていってしまった。 え?なに? カウンターから飛び出て、外にいるお客様

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          雪国の農家が挑み続ける花づくり 【後編】

          生まれたストーリーに光をあててほしい 「こんなポテンシャルを持っている芍薬は他にはない」  鈴木さんは信じていた。地道にコツコツと作り、増やしてきたかぐや姫と白雪姫がようやく売れ出した頃には、さらに10年ほどの歳月が流れていた。人生の大半を、芍薬の育種に注ぎ込んできた「滝沢の親父の名 前と生き様を残したい」と鈴木さんは思うようになっていた。  そんなある日のこと、雑誌「花時間」が滝沢さんのかぐや姫を取材したいといってくる。だが鈴木さんは断った。 「花をクローズアップするんで

          雪国の農家が挑み続ける花づくり 【後編】

          花屋の花に隠れた物語  帰ってきたかぐや姫 【後編】

          生まれたストーリーに光をあててほしい 「こんなポテンシャルを持っている芍薬は他にはない」  鈴木さんは信じていた。地道にコツコツと作り、増やしてきたかぐや姫と白雪姫がようやく売れ出した頃には、さらに10年ほどの歳月が流れていた。人生の大半を、芍薬の育種に注ぎ込んできた「滝沢の親父の名前と生き様を残したい」と鈴木さんは思うようになっていた。  そんなある日のこと、雑誌「花時間」が滝沢さんのかぐや姫を取材したいといってくる。だが鈴木さんは断った。 「花をクローズアップするんで

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          国立駅前スタバ物語

          スターバックスnonowa国立店は中央改札を出て正面にあり、いつも賑わっています。数あるスターバックスの中でここが他とちょっと違うのは、公用語が手話ということ。そう、ほとんどのスタッフの方が聴覚に障害を持つので、注文は指差しや手話を使っています。店内には手話をレクチャーしてくれる掲示板もあるし、壁の絵も手話を模したアートになっています。初めての時は注文できるかしらと一瞬たじろぎますが、みんな並んでいるし、大丈夫かなとレジの方を注視したりして。でもそんな心配は無用でした。指差し

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          『資産を増やす富裕層たちを追う』 その蓄財方法には衝撃の抜け道があった

          本記事は宣伝会議第43期 編集・ライター養成講座の課題「News Picksの特集企画を立てる」として作成し、最優秀賞をいただきました。公開にあたり、一部写真を付け加えてあります。 いま富裕層が楽しみながら稼ぐ方法はコレだ  新型コロナで見えてきた将来への不安に、まず仕事が安定して存続していくのかという問題と並行して手持ちの限りある資金をいかに運用していくのか、昨今ではミドル層のみならず、若い世代にまでこの資産運用が以前より関心が高まってきている。日本は少子高齢化で人口減

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