星組『RRR / VIOLETOPIA』(2024/1)


座席 : 1階25列センター

まずはちゃんと幕が上がったことに感謝。
あんまり信じられなくなってたものだから、実際に開くまで覚悟してたけど見られて良かった。センター寄りなので音も構成も綺麗に見れる。今回は1回しか取れなかった(ここ最近で一番取りにくかった)のでこれが最善です。

RRR

挨拶に被せるようなリズムでもう再現度の高さを実感した。本当に本当にあの映画を2倍速で駆け抜けていって、エネルギーが凄すぎて、原作を見た時みたいに良い意味で疲れるというか、まだ続くんか…?!の連続だった。割と本当に全部やりきってくれたなという感じ。舞台の使い方も相変わらず本当に上手くて、仕切りの外で炎が燃えてるみたいな布の演出とか、それを檻に見立てるとかすごく良かった。

礼真琴様(ビーム)

虎に君臨する礼さんを見た瞬間込み上げてくるものがあった.....。毎度毎度、トップさんの放つオーラにぐっっっと心をつかまされるのすごいね。

二番手ぶりに拝見したけど、本当に五角形をそのまま大きくしたみたいなレベルアップのされ方をしていて、非の打ち所がなさすぎてびっくりした。声も太く朗々と幣くし、聞こえづらくないし、身体しなやかだし何ができないんですかね...???

同じトップさんでも、礼さんからは君臨する!というよりかは下から上に駆け上がるような、泥臭い男らしさを感じてとても良かった。

ビームという「冴えない」感を出すのに上手くオーラが消えてたし、でも正装して戦う時は気がものすごくて圧倒された。あと処刑シーンの歌が上手すぎてもはや薄笑いになってしまった。凄すぎる。これは革命とかさせたくなるだろうな〜〜エネルギーが凄い。少年漫画の主人公みたいな、基本「こちら側」の親しみやすさがあるのが物凄い魅力。でも馴れ馴れしい気持ちにならないのはやっぱり声とか歌の説得力、演技での存在の大きさなのかなと思ったり。何でもできるのは知ってたけど、今日やっとそれが分かった。

暁千星様(ラーマ)

正直ノーマークというか、凄いんだろうな〜ぐらいでみてたらびっっくりした。顔ちっさい足長すぎか?ちよっと不安になるぐらい人類としての比率がバグってた気がする。

基本的に子供顔でいらっしゃるから、お日様みたいに笑うイメージがあったけど、彫りの深さと合って、あと骨格と表情の使い方、礼さんばりに深く響く声の総合力で圧倒的に男性だった。動いている方が髭の説得力ある。ビームに兄貴!って呼ばれた時の雰囲気がとても良かったです。

舞空瞳様(ジェニー)

原作の天真爛漫さ、悪気のなさ、唯一の優遇イギリス人枠の良さを余すところなく演じられてとてもとても良かった。当たり前に美しいし歌が上手い。星組さん、本当に何も不安になるところがないというか、全員もれなく歌が上手くてびっくりする。凄いな本当に……。

その他

原作を見ていたから、細かいシーンでのあ!ここ!の気づきがたくさんできてしい。始まりの歌から「歌」でとても良かった〜インドの民謡感がガッツリ感じられる麗しい歌声ばっかりで雰囲気が本当に良かった。 

ナートゥがドラムから始まるのも、一糸乱れぬ踊りがどんどんテンポ上がっていくのも凄い。あんなに速い手拍子初めて。ずーっと踊りまくって歌って芝居してるの凄すぎんか?拍手喝采だった。ラストのジャングルシーン、原作もだけどここのラーマがほんっっっとうにかっこよくて頭から離れない。七三分けパーマっぽくて、弓持ってのけぞって射るの最高。ここの暁月さん本当に本当に以下略。

エンドロールまで完璧で、客降りも楽しくてとっても最高の観劇始め、RRR体験でした。感謝感謝。

VIOLETOPIA

前評判で新しいと聞いていたのでその気持ちで行ったけど、個人的には好きな部類だった。万人受けではないと感じたけど、気にいる人は気に入りそう。黒執事っぽいというか。

プロローグ〜サーカス

プロローグの廃墟からかなり好みだったのに、上手から来た礼さんがすみれのランプに触った瞬間、ぶわっと灯りがついて、あっこれ好きだと思った。全体的にずーっと悪夢と虚構の繰り返し。八の字眉の礼さんがいっぱい見られて満足。テーマソングもすごく好きだったし、銀橋センターの礼さんが、決めポーズでかかげたマントのグラデーションがとても美しかった。

暁さんの劇場シーン、めちゃくちゃ「あ、これ空想だな」と分かった。イメージ通りの爛漫な感じ、キュートさプラスアルファで踊って、空想が終わって小首を傾げて、なんの顔も残さずにバチっっと全部消えたの、ものすごく良かった。

蛇のシーンも良かったな~🎪。礼さんのしなやかさがよく分かるし、操られる側の立場が新鮮。最後、舞空さんが呆然とする中、夕陽に御一行の影だけ映る演出が良かった。

中詰

中詰め!ここの衣装すごく好き。ベレー帽が素敵。シンセとかエレキとか、ぎゅいーんと爆音なので気分上がる。けど、今までの積み重ねで何かあるんじゃ...と勘繰ってしまうな笑

暁さんのベレー、ピンク衣装とめちゃくちゃ似合ってて粋だった。朝美さんみを若干感じた。暁さんの魅力についてまだちゃんと掴みきれてない。めちゃくちゃ惹かれるけど、何でだろうってずっと考えてる。粋に全振りかと言われればまっすぐ男らしさで押すときもあるし、でも余裕ある立ち居振る舞いだし...可愛くもあるし...このギャップが魅力なのか???一つ言えるのはとても光側のスターさんだなということかな。これは礼さんも然り。この辺り雪組の陰感とは違うな~月組の燻し銀感とも違うし、花の華々しさとも違う。そんなことないのに等身大を感じてしまう。動いた時の方がより余裕を感じて、可愛いよりもかっこいいが強く出る気がする。華は十分にあるから、こっからどんどん凄みが出てくるんだろうか。楽しみ。

何となく知ってたけど、本当にトリデンテで降りてくるなんて思わなくて頭真っ白になった。顔が小さすぎることしか覚えてない。本当に本当に小さい。舞台の上にいる時と同じ大きさでくるの遠近法無視じゃない?礼さんはあの目を細める感じの挑発スマイルで手を振っていかれた。暁さんもそうだったと思うたぶん。あと極美さん?もいらっしゃったのかな?凄く元気づけようと踊ってくださった感があって良かった。

このシーンはごちゃごちゃしてて野心があって、でもそれがすごく良いように全部働いてて...ごちゃっと調和しているところが良かったな~

〜フィナーレ

舞空さんの男装はヨドルの好きコンセプトなので困る。スーツでしなやかな感じ。そこに迷い込む?礼さんとまさかのディーバ暁さん。ちょっと綺麗すぎ。

椅子を踏み台にしていくところとか、腕も足もめちゃくちゃ鍛えた人のしなやかさで運動のモチベが上がる。女性の服着るとますますアイドゥルのウギちゃんに似てるなと思ったり。ここの幻想、たぶん男女逆転というイメージかな?と思うけど、ただ足を組んでじっと見つめる暁さんと、にじり寄る黒服がすぎて本当に悪夢だった。そりゃパニックになる。

その後、沈黙の中で礼さんの息遣いだけが聞こえるのとても良かった。そっちに行かない方がいいんじゃないかなというハラハラ感。操られ礼さんのリアリティよ。

謎サングラス群舞でちょっと笑ってしまった。外した時の礼さんの目線が最高だったので何でも良いか。アンニュイな礼さんから紡がれる英語歌詞のまあ退廃的なこと!これ何の曲かめちゃ気になる。(エルトンジョンのthe king must dieかも)

若干上目遣いのような、虚ろなようなこの感じ、余裕がないとできないトップの表情だと思う。真ん中に立つ人はやっぱり独特のオーラを放っていて、それは私がよく君主とか統べるとかいう言葉で表現してるけど、礼さんは同じ目線なのに(そう見させてくれてるだけ)絶対に届かない、触れちゃいけない感じを出すのが魅力だと思う。暖かいのにスッと一筋に射す煌めきが凄い。

デュエダン!舞空さんが一歩リードしてるように見せて礼さんが好きにさせてるこの関係性、かなり対等めな気がして新鮮。爽やかで友達のような、大切がいっぱいに溢れた愛を感じた。
若手さんで印象的だったのは天飛さんと詩さんかな?一緒に銀橋渡ってた気がする!

フィナーレは純白!暁さんはこんなん絶対王子様なのと、舞空さんのくるくるロングがお人形さんみたいで可愛かった~!礼さんのキリッとしたお顔も、ぱっと咲く笑顔も素敵だったな。

久しぶりの大劇場はやっぱり楽しかったし、星組さんのエネルギーと安定感、礼さんのふにゃっともキリッとも、舞空さんの愛らしさと何より暁さんの魅力に気付けた最高の一日でした!ありがとうございました。このまま東京まで無事に走り抜けられますように。

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