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認知症を予防する5つの栄養素 食べ物

先週(5月第2週)発表された
厚生労働省の調査によると、
2022年の認知症443万人、
65歳以上の高齢者の8人に1人、
軽度を含めると4人に1人だと
いうことが分かりました。

平均寿命が伸びていても、認知症になっては充実した余生を過ごせるとは思えません。

それまで積み重ねてきた知識や知恵、教養、自らの経験や人とのつながりなど、インプットしてあったことが出てこないのは非常に残念なことです。

そこで認知症対策となりますが、認知症の予防に働く栄養素、食べ物があります。

この記事では、
認知症を予防する5つの栄養素とそれが含まれる食べ物について解説します。  
(記事の文末に動画を添付しています)

認知症を予防する栄養素 ①レシチン

レシチンは、細胞を包む細胞膜の重要な材料であるリン脂質、油の一種です。
脳は、水分を除くとその60%が油、脂質です。

レシチンは、脳の材料そのものと言っても過言ではありません。

さらに、レシチンの中にはコリンを含みます。
コリンは脳の発育に必要な物質で、脳細胞や脳神経を活発にする働きがあります。

コリンは、神経伝達に関与するアセチルコリンの前駆体(前の段階の物質)でもあります。
アルツハイマー型認知症の原因の一つに、脳内のアセチルコリン量の減少が挙げられています。

レシチンが含まれる食べ物は、玉子(卵黄レシチン)と大豆食品(大豆レシチン)です。
最近の玉子の値上がりは気がかりですが、玉子を毎日2つは食べていただきたいと思います。

認知症を予防する栄養素 ②オメガ3[DHA]

オメガ3の油には、魚介類に含まれるDHAやEPAのほかに、亜麻仁油、紫蘇油、荏胡麻油があります。
ここではDHAに絞って話をします。

DHAは、脳の神経細胞の構成成分です。
DHAには脳神経細胞を活性化させて、情報伝達能力を向上させる働きもあります。

もう一度、先程の図をご覧ください。

下の方、リン脂質(DHAを含む)と書かれています。
DHAも立派な脳の構成因子です。

アルツハイマー型認知症の死亡者は、脳の海馬(記憶を司る部分)のDHA含有量が少ないことがわかっています。

DHAと聞くと「サプリで」と考える人も多いかと思います。
が、DHAもまた、食べ物から摂れない油ではありません。

「まずは食事から。足りない分をサプリで」
という考え方、食生活が大切です。

認知症を予防する栄養素 ③水溶性食物繊維

筑波大学の研究では、中高年が食物繊維を多く摂取することで、高齢者の認知症発症リスクが低下することを明らかにしています。 

研究グループは、秋田・茨城・大阪の3地域で40~64歳の3,739人を対象に、1999~2020年まで最大21年間にわたって追跡調査しました。
その間、1⽇の⾷事中に含まれる⾷物繊維の摂取量と認知症リスクとの関連を分析しました。

その結果、⾷物繊維の摂取量が上位25%の群は、下位25%の群と⽐べて、認知症の発症リスクが0.74倍に減少して、統計学的に有意な関連がみられました。 
⾷物繊維を多く⾷べる⼈は、認知症にかかる確率がおよそ4分の3に減少することを意味しています。

そして研究では、食物繊維の中でも水溶性食物繊維を多く摂っている人で、認知症リスクがより低下する傾向が見られたということです。 

水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなり善玉菌を増やします。
おそらく、その善玉菌がなんらかの形で作用して、脳細胞や脳神経の活性化に働いているのではないかと、私は推測します。

水溶性食物繊維を多く含む食べ物は、何と言っても海藻類
野菜では、ゴボウ、オクラ、春菊、モロヘイヤ、アボカド

それ以外では大麦です。
大麦は、ご飯を炊く時に混ぜるだけです。

認知症を予防する栄養素 ④アントシアニン

アントシアニンはポリフェノールの一種で、自然の食品に含まれる紫や青い色素です。

Nutritions という医学雑誌に掲載された論文では、アントシアニンが脳の認知機能と心臓の血管にとって良好な効果があると報告しています。

アントシアニンは、ブルーベリーをはじめ、チェリー、ブドウ、黒豆、赤キャベツ、沖縄野菜のハンダマなどの食べ物に含まれます。

認知症を予防する栄養素 ⑤ノビレチン

ノビレチンはフラボノイドの一種です。
沖縄で収穫される(大宜味村が有名)シークヮーサーが熟す前の皮に、とくに多く含まれています。

ノビレチンには、神経細胞の突起を伸ばして、神経細胞同士のネットワークを形成することが分かっています。
これは、脳の機能維持に極めて重要なことです。

その先は、研究段階です。
ノビレチンの認知症予防に関する研究は、国内ではロート製薬が進めています。今後の研究結果が楽しみです。

イチョウ葉エキスの認知症予防効果は?

イチョウ葉エキスは記憶力の維持、向上に働く成分です。
であれば、認知症予防にも効果がありそうです。

しかし、近年の研究論文を見るかぎり、そのような結果、エビデンスは報告されていません。
つまり、加齢による記憶力の低下、その延長線上に認知症があるのでは必ずしもないということです。

とは言え、物忘れを遅らせるということは、生活のクオリティを高く維持します。
その意味では、イチョウ葉エキスは意味があると考えます。

イチョウ葉エキスに関しては、下の記事で解説しています。

まとめ

認知症を予防する栄養素、一つ目はレシチンです。

レシチンは脳の材料となる脂質で、玉子(卵黄レシチン)、大豆食品(大豆レシチン)に含まれます。

2つ目はオメガ3の油、なかでもDHA。
DHAは、脳の神経細胞の構成成分です。

3つ目は水溶性食物繊維。
水溶性食物繊維を多く含む食べ物は、
海藻類、ゴボウ、オクラ、春菊、モロヘイヤ、大麦などです。

4つ目はアントシアニン。
アントシアニンはポリフェノールの一種です。

ブルーベリー、チェリー、ブドウ、黒豆、赤キャベツ、沖縄野菜のハンダマなどの食べ物に含まれます。

5つ目はノビレチン。
ノビレチンはフラボノイドの一種で、シークヮーサーの皮に含まれます。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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