①自己紹介と現状、丸森町について

2024年1月19日 13:30

はじめまして。
目をとめていただきありがとうございます。
2022年8月から宮城県最南端の丸森町（まるもりまち）というところへ移住し、古民家を取得し、現在は自宅と自分の仕事場を改修してくらしています。
このマガジンでは、移住へ至る流れや考え方、実際にどうやって実行していったかを紹介していきたいと思います。
建築設計に携わる人間として、そのノウハウを説明し、同じことを実践してより良いくらしを手に入れようと決意する後押しになれば幸いです。この考え方は私が建築をやっているからできるということではなく、ビジョンを持って計画していけばどんな方でも実践可能な汎用性があると考えています。
都心のマンション暮らし、郊外の戸建て住宅の他にも、快適で自分らしいくらしを実現できる別の選択肢があることを広く知って頂ければと思い、重い重い腰をあげて発信していきます。

1.まずは自己紹介から

出身は宮城県仙台市で、大学院から東京へ移り14年ほど生活し、36才の時に丸森町へ移住しました。
地元ではないですが、エリアが近いことからいわゆるJターンということになります。
大学から建築を学びはじめ、就職後も設計事務所の何社かで働き、一時はタイのバンコクで生活していたこともあります。その後、東京にて独立し設計事務所を個人で主宰しはじめたのが2021年の春のことでした。
あるきっかけがあり、その年の秋ごろから移住することを意識しはじめ、空き家バンクを通して古民家を探しはじめました。
ステータスとしては個人事業主1年目で無謀にもこのプロジェクトをスタートしたことになります。
なぜこのようなことをはじめたかなどのきっかけについては追ってご説明します。

2.移住先の丸森町について

私が移住先に選んだのは、宮城県伊具郡丸森町という宮城の最南端で、福島との県境に位置するまちです。
宮城の中心である仙台へは車で約1時間、東京へは新幹線の駅である白石蔵王駅を利用すれば3時間程度で着きますし、距離的にいえば「ちょうど良い田舎」というのがしっくりくる説明かなと思います。
“水とみどりの輝くまち”というまちのキャッチフレーズにあるように、自然豊かな環境が広がってます。
特産品はお米、干し柿、ゆず、自然薯、えごまなど。また昔から養蚕農家が多かったことから猫を飼っている家庭が多く（蚕を食べるねずみを退治してくれる）、猫神様の石碑数が日本一多く存在しているそうです。子どもの頃に一度キャンプで両親に連れられてきたらしいのですが、全然記憶はなく、ほぼ縁のない場所でした。

3.ビジョン

新しい場所へ移住して、どんな暮らしをしてみたいか、想像することは容易にできます。ただ、それだけではなく目にみえるかたちでビジョンを示すことがとても大事だと考えます。

これは私が地域おこし協力隊への応募に際し、絵が得意な後輩にお願いして描いてもらったビジョンスケッチです。ここでは一旦、風呂敷を大いに広げて、こんなことやあんなことが出来たらという、“もの” “こと”を詰め込みました。いつ完成するかということは分からなくても、こういった絵が共有できるゴールとして描かれることで推進力が生まれていくと思っています。登場人物も具体的にこの人みたいなことも決めて、どんな人たちが集まってくるかなども考えて描いています。
現時点で出来ているのは、中央の母屋部分の自宅部分（母屋の半分以下）と手前のオフィス部分のみです。今後の予定は未定です笑。

-MARUMORI Lab 説明文
宮城県最南端に位置する丸森町にある、古民家を含む敷地全体をラボ（実験場）と見立て、設計者自身が里山における新しいくらしを耕していく拠点。1期工事として自宅兼ショールーム、設計事務所の改修工事を行いました。古民家に対してのネガティブなイメージ（寒い、汚い、不便など）を払拭するために、スケルトンから断熱気密施工し、古民家がもつ本来のおおらかさを尊重するプランニングとし、塗装工事はまちの方々に協力いただきDIYで仕上げています。
木部はすべて柿渋塗装で、箇所ごとに木の種類や塗装回数を変えることで様々な表情を付けています。
今後も事業拠点として、半自給自足を目指す畑、まちの特産品である干し柿のもととなる渋柿からつくる柿渋の工房、山水を利用したサウナ、蔵ワインバー、ボルダリング施設など、整備を続けながらまちへひらいていくことを展開していきます。
まちの機関とも連動し、古民家を活用した移住促進のモデルとなるようなライフワークプレイスとして、都心の生活とは異なる、里山での新しいくらしのかたちを実践し、発信を行っていきます。