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青に似たすっぱい春

正直な話、うまく言葉にまとめられるかは分からない。でもこの話を、この感動を伝えるためにはまずは4年前の春の話からしてみようと思う。

以前「12」という記事でも触れた内容にはなるが、Mrs. GREEN APPLEを好きになった経緯を少しだけ。
4年前、2020年の2月から5月にかけてコロナが世界を襲った。学校は休校になった。そのタイミングで、私はMrs. GREEN APPLEが大好きになった。

2019年から、有名な曲+αくらいは聴いていた。周りにもミセスが好き!と言っていた。思えばこの時から全ては始まっていた。

休校で、暇ができたからなのか、たまたまなのかは覚えていないが、本格的にミセスを聴こう!と思い立った。

そこからは、一瞬だった。

新たな曲を知る度に、感じたことのない高揚感や衝撃、そして感動に襲われた。

1曲、また1曲と聴く度にゾワゾワする感覚。何度聴いても新たな発見のある曲の連続。何度聴いても鳥肌が立つ曲。

一瞬で、ミセスの虜になった。

時は流れた。スターダムやTheater。そこから1年8ヶ月の休止期間を挟んで、ニュー・マイ・ノーマル。そしてダンスホールやSoranji、私は最強、ケセラセラ。去年の夏にはアルバム、そして2024年に入ってからはナハトムジーク。数々の新曲を聴いてきた。

ニュー・マイ・ノーマルを初めて聴いた時の高揚感。ここから始まるんだ、というリスタートの決意。どんな景色を見せてくれるんだろうというワクワク感は今でも覚えてる。

ダンスホールを聴いた時の衝撃。フェーズ1では作れなかった、新しい側面を見させられた。

Soranjiは歌詞が聴き取りやすいように歌われていた。シベリア抑留の情景が脳裏に浮かんで、有り得ないくらい泣いた。Mrs. GREEN APPLEを好きでいて良かった、心の底からそう感じた。

ケセラセラ。魅せられた。転調、構成どれもがミセスにしか作りえない新鮮でキャッチーな曲。1週間は無限リピートしていた。

そして本日、2024年4月12日 ライラックのリリース。


この4曲を聴いた時にすら抱かなかった感情に襲われた。

この曲はアニメ「忘却バッテリー」のテーマソングで、元々アニメのPVなのでその1部を聴くことができた。ギターの若井が泣いた、という難解なギターフレーズから始まるイントロ。キャッチーなサビ、サビの最後に転調。ミセスらしさ溢れる歌詞。
正直、その時点で「好き」を確信していた。

実はこの1ヶ月ほとんどミセスを聴いていなかった。冷めた、という訳でもないけど、身体がミセスを求めることがなくなった。

でもやはり、新曲リリースは心が踊る。

しっかり待機して臨戦態勢に。

PVより長めのイントロから始まった。そこからはPV通りの1番が流れる。

キャッチーなサビを迎え、そして独特なギターフレーズが特徴の間奏。ここからは未知の領域だ。どんなCメロが待っているのかな。

影が痛い
価値なんかない
僕だけが独りのような
夜が嫌い
君が嫌い
優しくなれない僕です

ライラック

拍子が変わって、畳み掛けるようなメロディに息を飲む。

光が痛い
希望なんか嫌い
僕だけが置いてけぼりのような
夜が嫌い
1人が怖い
我儘が拗れた美徳

ライラック

大森はまだまだ畳み掛ける。息が詰まる。心拍数が上がるのを感じた。そして、思わず、曲を止めた。そうでもしないと、心が決壊しそうだった。目にはなぜか涙が溜まっていた。

呼吸を整えて再び再生ボタンを押す。

大森のギターと歌のみのパートからラスサビへ

鼓動が揺らすこの大地にハイタッチ

ライラック

独特で、ダイナミックなラスサビの入り方。
心を強く掴まれた。ボロボロと涙が零れた。なぜ、。バラードでもないのに。なんだろうこのどこか懐かしい感覚は。そして気付く。

忘れかけていた4年前のあの春の感覚

あぁ、そうだった。あの頃、ミセスの曲を新たに聴く度に感じたあの感覚。一筋縄では終わらないCメロに感激した。その後にやってくるラスサビに何度も心を打たれた。そして飽きるほど、何度も聴いた。
奇しくもあの時と同じ春。全く同じ感情をライラックに抱いた。これぞMrs. GREEN APPLEという楽曲に、あの時の興奮、感動、衝撃が蘇ったのだ。だから、泣いた。ほんとに彼らの曲が好きすぎる。ずっと好きでいて良かった。

あの春以来、高校生活はミセスに彩られていた。
大森が高校生〜20代前半で綴った歌詞は当時の自分には驚くほど響いた。

高校生の頃、ミセスは自分にとって青春だった。

そして青春が過ぎた今、ライラックという、少し大人になった青を歌った曲はまた、今の自分に驚くほど響いたのだ。

フェーズ1、フェーズ2。そこにはやはり大きな断絶がある。曲調も変わったと思う。変わったというか、より彩やかになったと思う。大森の書く歌詞も変わったと思う。そしてこれは現在進行形で変わり続けていると思う。

ライラックはフェーズ1ぽいか、と言われればそんなことはない。でもどこか懐かしい。フェーズ2らしさが全開、という訳でもない。どっちの要素もあると言われればそうだし、どっちでもないと言われればそうな気もする。

でもやっぱり言葉にならない!この曲の良さは言葉にできない。でも、本当に、史上最高傑作レベルに良い。好き。多分これを読んでるみんなも感じてるよね、この良さ。この曲はほんとに強いと思う。

歌詞を深く見ていきたいとも思わない。無条件の良さ。これが端的にこの曲の性質を表してると思う。

ア・プリオリのような転調の気持ち良さ
PARTYのようなラスサビの高揚感
青と夏とリンクするような歌詞
ナハトムジークのような孤独を歌い上げる歌詞
フェーズ1の曲に代表される独特なCメロ

彼らには4年前に心を掴まれてからずーーっと掴まれたまま。たまには離してくれてもいいのにね笑 今回でまたグッと掴まれた。

やっぱり無視できない断絶があったから、離れた人が多いのも知ってる。そして、離れたくても離れられない人も沢山いることも知ってる。

それだけ魅力的すぎるんだよね。唯一無二のサウンドに歌詞、異次元の歌唱力。どれもが替えが効かない。日本一だと思う。贔屓かな。

4年前からずっと人気絶頂と言われてた。いつまで更新するんだろうね。大森には見えてるんだと思う。メジャー10周年を迎える来年の景色が。

先ほど、ミセスは自分にとって青春だった、と言った。過去形なのは、もう青春は終わったから。

今なら満を持してこう言える。

Mrs. GREEN APPLEは自分にとって人生だ。

ほんとにこんな魅力に溢れるバンドを好きになれて良かったと心の底からそう思う。人生に付き添って、寄り添ってくれてありがとう。

4分48秒の楽曲で感じたことを書き綴りました。完全に自己満。内に留めておけるものじゃなかったから。ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

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