高木俊輔 Shunsuke Takagi

構造

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統治の技術

アイキャッチは「デルフォイの神託(Oracle of Delphi)」より 民主主義について議論するためには、「何が意思か」だけに言及していても仕方がない。コロナ対策、経済政策、外交・安全保障、原発政策(エネルギー関連)、選択的夫婦別姓制度...など、論点は無限にあるが、表層の政治のみに拘っても意味がない。 それらに対して声をあげて、問題になったあとの「統治の問題」こそ考えなければならない。 それこそがミシェル・フーコーが提唱する「統治性(governability)」

    • 【#GleninJapan】イベントレポート: テクノロジーに対する不信感が募る時代に、納得感のためのテクノロジーを考える

      Quadratic Voting(クラドラティック・ボーティング)などのメカニズムに関わった、Glen Weyl氏が来日し、1/3に「グレン・ワイル来日トークイベント」を開催しました。 WIRED Japanの編集長である松島倫明氏をモデレーターに迎え、渋谷区役所 グローバル拠点都市推進室 室長の田坂克郎氏、一般社団法人Next Commons Labの林篤志氏を招きました。 近年は「急速なテクノロジーの発展が社会規模のリスクを生み出している・民主主義を破壊している」とい

      • 民間か、行政かという対立を超えた先にCivictechは存在できるのか。そのためには「プラットフォームとしての行政」が必要かもしれない

        行政府のためのソフトウェア(GovTech)と公共のためのソフトウェア(Digital Public Goods)は、最終的に届けている価値は似ているし、大雑把にカテゴリーとしては同じように見られていると思う。 特に一般利用者、つまりほとんどの市民からしたらあまり大きな違いはないと思う。ただ、公共を作るための仕事をしている人たちが解像度が低いのは良くないと思っているので書いてみる。 自分から見て、GovTechの人たちへの批判はいくつかの観点に分かれている フィジカルな

        • 何が役に立つかよりも、何が役に立ったかについて合意する方が簡単

          民主主義について現在、60%以上の国が民主主義を採用していて、日本もそのうちの1つに入る。 今のところ、実質的に行われているのは「直接民主制」「代表民主主義」「あるいは2つのハイブリット」の3つぐらいしかない。 現状、この国で行われている「代表制民主主義」は世界中で最も多く採用されている。国民は直接投票権を代表者に譲り、代表者は国民に代わって国の問題に関する意思決定を代行する。いわば託すシステムだ。 ポピュリズムの構造 現状の民主主義のシステム自体だと、公約を事後的に

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        • 海外スタートアップのサーベイ
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        記事

          テクノロジーを用いた申請主義からの脱却

          最初は「ギャルでもわかる!テクノロジーを用いた申請主義からの脱却」というタイトルをつけていたら大人の事情で却下されました...😂 この記事は、タイトルの通り「テクノロジー」というツールを用いて、どのように申請主義と呼ばれる社会課題に向き合っていくか。を深掘るものです。 自分はソフトウェアを設計する立場の人間なのと同時に、この日本の市民なので、社会課題というものには一応興味を持っていたりします。 テクノロジーの業界では、大手のSIer(エスアイヤー:開発から運用・保守を行

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          ものごとがゆっくりしか変わらないという現実を許容できるか

          記事中に外部リンクが多いので、画面遷移をさせまくる気がします。 そのため、Twitterのブラウザで見てる人はSafariなどの標準ブラウザに切り替えてから読み進めてもらえると🙌 明晰さへの抵抗。 弱小ながら日々たくさんの人にお世話になりながら会社をやっていて、それが「公共領域にソフトウェアを導入しましょう」(いわば、DXというものです)というものなので、なかなか簡単にはいかないこともある。 自治体や中央政府で働いている人、1人ひとりはものすごく優秀なのに、(何人かであ

          ものごとがゆっくりしか変わらないという現実を許容できるか

          ソフトウェア開発における不確実性について

          この記事は、Code for Japanの運営する「Civictech 1年目 Advent Calendar 2020」の12/17のものになります。 これまで高校1年生から、2年間ほど ソフトウェア開発の現場に従事していました。 そして、今年の10月にCivichatという会社で代表取締役を務める事になり、Code for Japanなどのコミュニティに出入りする機会も増えたので、現時点での私自身の考察で「ソフトウェア開発において最も重要視するべきこと」を書こうと思い

          ソフトウェア開発における不確実性について

          1日16時間Macを酷使する俺がたどり着いた最強のChrome拡張とアプリを紹介する

          Apple製品である、Macを3年ほどずっと使っています。元々はWindowsを使っていましたが、フォントの綺麗さに気付いてからそこからずっとMacです。 Macだけではなく、周辺機器であるiPhoneやApple Watch、AirPodsなども買っているので、ある程度のAppleマニアなのかもしれません。 仕事にも、勉強にも、趣味にも使うので1日16時間ぐらいはディスプレイを眺めていめているので、ソフトウェアはもちろん ハードウェアも含めた周辺環境なども拘っています。

          1日16時間Macを酷使する俺がたどり着いた最強のChrome拡張とアプリを紹介する

          そろそろ、「ジャンケンって同じ空間軸・時間軸じゃなくても出来るよね?」って話をしよう。

          サムネイルは友人のGO氏より! TL;DR 「時間軸」と「空間軸」に拘らなくてもいい。もう一度最初から”それ”を作り直すと、命題は今の構造になるのか? もう少し要素を分解して、非同期でも成り立つ仕組みに移行しよう。 デジタル化の違和感COVID-19の影響で、一瞬にして生活が変わってしまった。 対面が差別点だった塾や学校はあえなくネット授業に移行することになり、空間までもがブランド価値だった飲食店が一斉にしてデリバリーやテイクアウトを呼びかけ、常連のために無理やり店を開け

          そろそろ、「ジャンケンって同じ空間軸・時間軸じゃなくても出来るよね?」って話をしよう。

          【翻訳】評価額290億円のメール高速化アプリ「Superhuman」をPMFさせた5ステップ

          今回は、Rahul Vohra(@rahulvohra)氏の「The Superhuman Product/Market Fit Engine」という記事を、本人の許諾を得て翻訳・掲載しています。翻訳にあたって、文脈の補正をしたりしているので、より詳しい本文が読みたい方はこちらから👇 長い記事なので簡単にまとめると、 ・筆者は以前ある程度スタートアップで成功したため、プロダクトの指標でPMFを判断できる数字がなかった ・そのためにPMFスコアやPMFエンジンを産み出し、

          【翻訳】評価額290億円のメール高速化アプリ「Superhuman」をPMFさせた5ステップ

          【翻訳】18万人が事前登録したメール高速化アプリ”Superhuman”がPMFするまでの道のり

          今回は、Rahul Vohra(@rahulvohra)氏の「How Superhuman Built an Engine to Find Product/Market Fit」という記事を、本人の許諾を得て翻訳・掲載しています。翻訳にあたって、文脈の補正をしたりしているので、より詳しい本部が読みたい方はこちらから👇 下記からが翻訳記事になります。 ・・・ はじめにこの記事は、最も素晴らしいメール体験を作り出すSuperhumanのCEO及びFounderである Rah

          【翻訳】18万人が事前登録したメール高速化アプリ”Superhuman”がPMFするまでの道のり

          奨学金のマーケットは「救済」ではなく『エンパワメント』の文脈になる話

          少し前に「奨学金のマーケットは救済ではなくエンパワメントなのではないか」という趣向のツイートをした。 エンパワメントは、個人や集団が自分の人生の主人公となれるように力をつけて、自分自身の生活や環境をよりコントロールできるようにしていくことである。 エンパワー(empower)という単語は、もともとは「能力や権限を与える」という意味である。 https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/glossary/Empowerment.html 要は、み

          奨学金のマーケットは「救済」ではなく『エンパワメント』の文脈になる話

          締め切りに間に合わなかったLINEインターン(UIデザイナー 就業コース)の課題を公開します。

          TL;DR(はじめに) この記事はどういったもの?:LINEのUIデザイナー向け夏季インターンの締め切り日に間に合わなかった(起きたら過ぎていた)けど、せっかくちゃんと画面を作ったので”リデザイン”の過程を公開する 誰のために?:デザイナー・プロジェクトマネージャー・デザインに興味がある人・私(フィードバックください!) ・・・ はじめまして! 私はネットで授業が受けられる「N高」というところで高校生をしながら、非大卒を対象としたヤンキーインターンなどの事業を行ってお

          締め切りに間に合わなかったLINEインターン(UIデザイナー 就業コース)の課題を公開します。

          個人がアカウントを持つときの最適解のコンテンツ戦略を考えてみた。

          まとめ 「SNSやれ!」とか、「とりあえずフォロワー〇〇人で…」みたいな偶像に対しての話ではなく、仕事でコンテンツストラテジー(マーケティング戦略)を担当していた知見を生かして構造的な個人SNSでの戦略について考察しました。まとめると、各SNSの特徴を生かしてアカウント(人格)単位で指名されるようになろうね、というお話です。 忙しい人はこちらからどうぞ↓ そもそも何でSNSをやっているのか?まず最初に、どんな人が今の自分をフォローしてくれているのでしょうか? たぶん人に

          個人がアカウントを持つときの最適解のコンテンツ戦略を考えてみた。

          【翻訳】なぜ今NoCodeか?あるいはコンピューターとインターネットの今後について

          翻訳にあたって一部省略しています. 翻訳元:No-code Revolution. Why Now? https://medium.com/fibery/no-code-revolution-why-now-2f2bd914cb05 コードを書かなソフトウェア,「NoCode」が急成長しているみたいです.素早い導入に,高い市場価値.顧客たちは幸せなようですが,なぜ今 これほどまでにNoCodeが騒がれているのでしょうか? そして,この技術は20年前にもあったものです.なぜ

          【翻訳】なぜ今NoCodeか?あるいはコンピューターとインターネットの今後について

          教材の公共性

          「教育」というと,すぐに学校を思い出す。「教育」には学校以外に家庭教育・社会教育があるのに関わらず,その中でも学校の割合が多くを占める. その担い手である教師は絶対的権威を持ち,家庭教育・社会教育の機能すらも学校の教師に委ねられてきた。しかし現在、人々の学校不信・教師不信が日々増大している。学校の公共性への疑念が生じてきている。公共性は画一化への動きと繋がる。この記事では既存学校の対極にある「教師なし・授業料不要のエンジニア養成機関『42 Tokyo』」を取り上げ、現在の公教