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勉強して気付いた飼育していたカブトムシ全滅の理由

農ちゃんは、小学校1年の時から高校2年までカブトムシを飼い続けていた。そして、毎年交尾をさせて幼虫をふ化させていた。だが、小学校1年の時から4~5年飼育すると、卵を一つも残さないで飼育していたカブトムシは全滅した。まだ知識の少なかった農ちゃんは、地球温暖化によって飼育ケース内の温度が上がって死んでしまったと結論付けた。その後も、4~5年飼育する度に卵を一つも残さないで、飼育していたカブトムシは全滅した。
この時も、おかしいなと思いつつも夏が暑かったこともあり、同じようにして結論を出してしまった。そして、高校3年の時、生物の遺伝子の分野を勉強した時に、農ちゃんが飼育していたカブトムシの全滅で出してきた結論に不足があることに気づいた。

その結論を、書く前に知って欲しい。まず、生き物には形質というものがある。形質とは、見た目でわかる違いのことをいう。天パか天パではないかの違い、中学校の時に習ったメンデルの遺伝の法則に出てくる、エンドウの種の形が丸型かしわ型かのような違いのことである。そして、カブトムシにも、そのような形質を遺伝する遺伝子がいくつかある。

今後の説明を簡易にするため、カブトムシについて知っておいてほしいことがある。それはカブトムシには、真っ黒に見える個体と赤黒く見える個体が存在する。(今回の題の上の写真が赤黒く見える個体)そして、ここではわかりやすくするために、真っ黒に見える形質をYとして赤黒く見えるカブトムシの形質をyとする。そして、何度かの交尾を経てYyの形質をもったカブトムシ同士が出会って交尾したとする。そうすると、下の表のような形質を持ったカブトムシが存在する。

この時、真っ黒に見える個体と赤黒く見える個体は2:1の比率で発生する。3:1ではないのかと思うかもしれない。これは、真っ黒に見える形質Yは、赤黒く見えるカブトムシの形質yに対して、優性遺伝子となる。しかし、YYになると、致死作用を表す遺伝子になってしまい死んでしまう。(致死遺伝子)
教科書では、このような実験をハツカネズミやカイコガですると、同様のことが起きたらしい。
このことを学び、飼育していたカブトムシ全滅の理由は、ここにあるのではないかという新たな要因を知ることができた。

そして、このようなことを学んで、カブトムシを密室で飼い続けると致死作用のある遺伝子ができてしまうことと、カブト虫の染色体数が20本くらいだったことを踏まえて、確かに致死作用のある遺伝子が起こり得る可能性があるなと理解した。そして、そのことを知らずに、飼育ケースの中で育てたカブトムシを死なせてしまったのかと思うと申し訳なく思う。

そして、動物が、近親交配を避ける理由もここにあるのではないかと思った。

ただ、一つ不思議に思うことが、全滅する前の年のカブトムシの卵の数と幼虫の数がとても多くなることだ。これにどんな意味があるのか知りたいなと思う。または、教えてもらえる人に話を聞きたい。

そのサポートで、さらに邁進して頑張っていきます。 よろしくお願いします。