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民泊とゲストハウス

Tipy records innのコアゼです。
小田原でゲストハウスをやっています。
この言葉に僕は納得感を持って言っている。
何で僕はしっくりきて「ゲストハウス」と名乗っているんだろう?と思ってたんですが、Backpackers' Japanのイッシーさんがnoteで言っていたことがとても腑に落ちました。

そもそも町における、そして旅行者におけるゲストハウスの役割はどういったものなのかというと、「両者の間の媒介役」という表現が僕にはいまのところしっくりきています。

まさにTipy records innとしてやって来た事。いや、むしろ遡ればバスの運転手として箱根に観光にくるみんなを案内してた事。もっと遡ればバンドでいろんな地方のバンドを企画で小田原に呼んだこと。すべてこの小田原近辺エリアと誰かの媒介をして来たんだなと思うわけです。
だから「Tipy records innはゲストハウス」と名乗ることに100パーセント納得感を持っています。

Tipy records innは民泊?

Tipy records inn は側から運営形態だけを見れば民泊です。
Tipy records innは一軒家の中に4部屋の個室。共有スペースがあるため、ここはホステルと民泊の間の様な宿ですが、Tipy records houseは一等貸切、Tipy records roomはワンルーム貸切のため民泊です。

民泊の多様さ

民泊と一口に言っても本当に多様です。
不動産投資家が賃貸経営より利回りが良いので民泊にし、運営を代行業者に委託しているところ。
はたまた田舎の老夫婦のおうちの一部屋で、夕飯はおばあちゃんの作ったおしんこ、庭で採れた野菜、その地域でしか食べられない食事を振舞っていただく。
前者も設備と空間として完成された素晴らしいものがあるのを知っています。後者は僕には絶対に真似できない民泊の最高の形だなと思います。運営している人によってゲストとの心の通い方の振り幅がすごいのが民泊です。

僕が民泊という言葉でTipy records innを伝えるよりもゲストハウスと伝えることが納得感があるのはこの点で、民泊という言葉の中には受け取る人にとっては全然違う印象を受けてしまう可能性があるからです。(民泊がダメとは一ミリも思っていません。)

民泊スタイルのTipy にはどんな人が泊まりに来てるの?

設計的には民泊のTipy records innはカフェもドミトリーも無く、全室個室です。交流にそこまで積極的でなく、グループやカップルだけで楽しみたいというお客さんも少なくありません。

しかしそれならホテルへ行けばもっと安いところもあるんです。旅館でも無く、ドミトリーのあるホステルでも無いうちを選んで来てくれたお客さんは理由があったりするなと思っています。

「友達と旅行に行きたい。でもリーズナブルなゲストハウスでドミトリーだと気兼ねなくおしゃべりできないし。ホテルに泊まってもなんかつまらないし、なんかちょうどよく地元の人と交流できるところとか無いかなぁ?無いならないでまぁいいんだけど...」

という人が国籍問わず来ているなと感じます。

お部屋の案内をする時、突っ込まないとそのままグループの空気で終わってしまうのですが、顔色伺いながら
「なんで小田原にきたんですか?」
「どっから来たんですか?」
「この後はどこへ行くんですか?」
なんて会話からオススメの箱根の遊び方から、小田原の見所、食べたいものに合わせてオススメのご飯屋さんの案内までペチャクチャとおせっかいをかますと喜んでくれます。多分...笑。いや本当に。

では貸切タイプの宿はどうしてるのか?貸切タイプのお部屋だとお客さんとコミニケーションをとる時間は圧倒的に少ないです。ではどうやってゲストハウスの様な町と利用者の媒介をしているのか?一つはairbnbが大きいです。

民泊とairbnb

Tipy records innは開業当初からairbnb経由で予約していただけるゲストが一番多いです。
僕の中ではこのairbnbによるゲストとのコミニケーションによって滞在中にゲストと同じ時を過ごさなくても心通わせることができると実感しています。
airbnbの僕のプロフィールには、バンドをやっている事。箱根でバスの運転手をしていた事。妻と子供がいる事。CDやレコードを持って来てくれたらディスカウントする事。などなどを明記していて予約前から僕の人となりを知ることができる様にしています。

予約があったらアクセスガイドをすぐに送り、質問があったらなんでも聞いてねと伝えています。「オススメの温泉は?」「成田から小田原までどうやって行くの?」「寒い?」とめちゃくちゃ気軽に聞かれるのですぐに返事するととても喜んでくれます。会う前から信頼関係を築けるし、滞在中も常にテキストベースですがそばにいる気持ちで僕はいます。
実際ゲストも普通のホテルと違った感情でチェックアウトしていってるなと感じます。部屋に置いたゲストノートには僕たち夫婦やスタッフに向けて多くのメッセージが残されています。このノートは宝物です。


副業で始めた民泊がゲストハウスへ

副業で初めた当初、確かに僕は投資としてこの民泊タイプの宿運営に出会いました。家族を養いながらバンドを続けるためには時間もお金も必要で必死にもがいて副業を始めた記憶があります。当時の気持ちはこのツイート内の記事に赤裸々と...

投資目的で始めた民泊ですが、次第にゲストと愛の溢れる交流をする度に自分の中で満たされていきました。
それが本当に幸せでした。会社員を辞めてゲストハウスをやろう。そして、本来の夢も叶えよう!そう決意して作ったのがTipy records innです。

これからの話

インバウンドに頼って来た宿泊事業者。僕も例にもれずそうです。
ここからは民泊にせよゲストハウスにせよ、使命を持った宿が残って行くと思います。
利回りを重視した不動産投資目的の施設は目的を失い撤退して行くでしょう。
僕は今、新しいTipy records innを見せて行けることができるとワクワクしています。今までのやり方では通用しません。試行錯誤、挑戦と失敗をして行くしか無いと思っています。でも、またみんなの笑顔が見たいんです。

世界中のみなさん。
いつかまたTipy records innで会いましょう。
それまで準備して待っています。


p.s.畑作りました。平井君が。


p.s.ベランダ改造しました。平井君が。










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