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既存ハードウェアで処理速度2倍!革新的なマルチスレッド技術が誕生 カリフォルニア大学リバーサイド校

スマートフォンやタブレット、パソコン、サーバーの処理速度を、今のハードウェアのまま2倍にすることが想像できますか?
カリフォルニア大学リバーサイド校のHung-Wei Tseng教授が、ACMデジタルライブラリに投稿した論文「同時実行異種マルチスレッド処理」で、コンピュータアーキテクチャを根本的に変える技術を提案しました。

従来のコンピュータは、CPU、GPU、AI・機械学習アクセラレーター、デジタル信号処理ユニットなど、複数の処理ユニットを搭載しています。しかし、これらのユニットは別々に情報処理を行うため、データのやり取りに時間がかかり、処理速度が低下していました。

Tseng教授は、研究室のKuan-Chieh Hsuさんと共に、「同時実行異種マルチスレッド (SHMT)」という新しい技術を開発しました。SHMTは、マルチコアARMプロセッサ、NVIDIA GPU、Tensor Processing Unitアクセラレーターを同時活用し、処理速度を1.96倍向上、消費電力を51%削減することに成功しました。

「新しいプロセッサを追加する必要はありません。すでに持っているものを活用するのです」とTseng教授は語っています。

この技術のインパクトは計り知れません。

SHMTは、従来のモデルとは対照的に、同じコード領域に対して異種タイプの処理ユニットを同時に利用できます。さらに、SHMTは、並列実行を容易にするための抽象化とランタイムシステムを提供します。さらに重要なことは、SHMTは、結果の品質を保証するためにさまざまな処理ユニットがサポートするデータ精度の不均一性にさらに対処する必要があることです。

また、既存の処理ユニットを同時に使うことで、コンピュータのハードウェアコストを削減し、サーバー運営に必要なエネルギー消費量を減らすことで二酸化炭素排出量を削減できます。さらに、サーバー冷却に必要とされる貴重な淡水の使用量も削減できる可能性があります。

ただし、論文ではシステム実装、ハードウェアサポート、コード最適化、最適なアプリケーションの種類など、いくつかの課題についてさらなる調査が必要であると注意喚起しています。

この論文は、カナダトロントで開催された第56回IEEE/ACM国際マイクロアーキテクチャーシンポジウムで発表されました。論文は、電気・電子学会 (IEEE) の専門家から高い評価を受け、同団体が今夏発行予定の「コンピュータアーキテクチャカンファレンストップピック集」に掲載される12論文のうちの1つに選出されました。

詳細内容は、カリフォルニア大学リバーサイド校が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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