萌木さな

宮沢賢治、中原中也が好きです。

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最近の記事

【詩】モノクロ

「モノクロ」 外は雨が降っている 部屋干しにした洗濯物 地球が回る速さに付いて行けず 重力に引きずられている ちょっと休ませて 散らかり放題の部屋 課題は山積しているのに 何も手につかない エサを撒いたのは誰? 仕掛けに囚われて逃げ出せない 段ボール箱がチャイムを鳴らす 手に余る文化的生活 小さなディスプレイから 溢れ出す新着情報 どんなに鮮明な画面でも 自然を感じる事はできない

    • 【詩】人間未満

      「人間未満」 障害者にも人権がある とは言っても 人間未満の扱いを受けてきた 人間を人間未満に扱うのが人間なら いっその事 人間未満であった方が良かったかもしれない そもそも 障害者という名称が気に入らない 指定身体者でいいじゃないか これだから、人間なんてやってられない それでも 私も人間なのだ

      • 【詩】ルッキズム

        「ルッキズム」 女王様は鏡に聞きます 鏡よ 鏡 世界で一番 美しいのは 誰? 鏡が映し出すのは いつも女王様 なのに女王様は言います 私じゃない!白雪姫よ! 女王様は毒リンゴを作ります 呪いの言葉を掛けながら オマエは醜い オマエは醜い それを白雪姫に食べさせました 女王様は再び聞きます 鏡よ 鏡 世界で一番 美しいのは 誰? 鏡が映し出すのは いつも女王様 なのに女王様は言います 私じゃない!私じゃない!

        • 【詩】プログラム

          「プログラム」 間違ってる事など何も無い 全てはあるがまま 私は操り人形 ドウゾ タノシンデ イッテクダサイ お芝居の はじまり はじまり 見ているのは誰? 見ているのは私 真っ暗な部屋の中で スポットライトが当たったステージ 操っているのは誰? 操っているのは私 全てはあるがまま

        【詩】モノクロ

          【詩】仮想

          「仮想」 Welcome! ここは夢の国 色とりどりのバルーンと ユニークな仲間たちがお出迎え 消えない過去も見えない未来も ゲートをくぐれば考えない 魔法のステッキで煙にして さぁ、歩み出そう!It's Show Time! Welcome! ここは夢の国 ポップコーンにキャンディもある チョコレートドリンクもお忘れなく 辛い朝も悲しい夜も ゲートをこえれば訪れない 太陽の光できらめく世界へ さぁ、歩み出そう!It's Show Time!

          【詩】仮想

          【詩】反応

          「反応」 進化の過程から考えて 脳より体のが先に動いているのは 間違いなさそうです 脳が考えてから体を動かしていると プロ野球選手が投げたボールを 打ち返してホームランにするには どうしても時間が足りないようです ボールを打ってから ボールを打つ、と 体から脳に伝わっているというのは 不思議な気もしますが 宇宙は不思議な場所なので そんなものなのかもしれません

          【詩】反応

          【詩】盲信

          「盲信」 神様がいた頃は 何でも神様のせいだった 雨が降るのも嵐が止むのも 病気が治るのも偶然が重なる事も 神様がいないと分かってからは 何でも人間のせいになった 傘を忘れるのも熊に襲われるのも 病気になるのも予想ができない事も 宇宙ができたのも地球ができたのも 生命が誕生したのも進化したのも 人間のせい…?

          【詩】盲信

          【詩】静寂

          「静寂」 今朝捨てた生ゴミと同じように いずれ私も灰になる 感動も苦悩も何事もなかったかのように 灰になる 線香がくゆる煙を出しながら燃え尽きる時 その先端からボロボロとこぼれていく あの辛気臭い灰になる それは正真正銘の ただの灰 全ては終わりを迎え 成功も失敗も勝ち負けも名誉も汚名も無い 粉々の灰になる

          【詩】静寂

          【詩】平日

          「平日」 ちっちゃな車で ブーンブーン 道を走るよ ブーンブーン 田んぼが広がる田舎道 まっすぐ走るよ ブーンブーン 山を越えて ブーンブーン 海を渡って ブーンブーン 虹を登って ブーンブーン 空を走るよ ブーンブーン 歌も歌うよ ララララララ 鳥と一緒に ララララララ 田んぼが広がる田舎道 まっすぐ走るよ ブーンブーン

          【詩】平日

          【詩】権力

          「権力」 選挙権? そんな大それたもの 私が行使できるはずがない

          【詩】権力

          【詩】真実

          「真実」 嫌気がさしている 人間である事に 戦争と飢餓 外国産の食糧 都合のいいルールと 泥と血と泣き声 見ないふり 知らないふり 誰かのせいにして 逃げる影 本当は知っている 本当の自分を

          【詩】真実

          【詩】罪悪

          「罪悪」 情報の鉄屑が脳に絡まって QRコードが読み取れないまま 一時間に一本のバスに乗る バスの中は不用品が詰め込まれ 駅に着く度に次々と押し込まれ 圧縮されてペラペラになる 結果が全てなら どうせ誰もが死ぬのだから 生命は消耗品に過ぎない 数字が光速で膨張して 実体がブラックホールに落ちたので もう、何もいらない

          【詩】罪悪

          【詩】信仰

          「信仰」 人間がどうであれ 地球がどうであれ 今日も宇宙は広がっている 何も心配しなくていい 全ては想定の範囲内 決めつける事はできない だから、信じるだけ 幕が下りるのを 拍手喝采を 涙を流す人形 白骨化したビル 血に染まった月 溶けていく花 エンディングロールが終わるのを 暗がりで眺めている

          【詩】信仰

          【詩】人間関係

          「人間関係」 冷たい視線 重い沈黙 遠くから聞こえる悪口 他人行儀な言葉使い 最小限の会話 隔てられた声のトーン 厳しい対応 呆れた表情 きつい口調 居辛い空気 さりげない文句 理不尽な叱責

          【詩】人間関係

          【詩】実在

          「実在」 重ねられた幾重もの月日が 特定の形と色彩を放つ とらえどころのない光や音が いつまでも焼き付けられる 選択された瞬間 可能性は消失する この世界以外の世界を 私は信じない

          【詩】実在

          【詩】小雨

          「小雨」 小雨降る降る 水の冷たさ 傘を伝って 肩に染みる 小雨降る降る 水の優しさ 肩を伝って 心に沁みる 小雨降る降る 降る降る降る降る 見上げた空から 小雨降る降る

          【詩】小雨