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小学生におすすめ漫画「ガクサン」~参考書は、教育リソースゼロの家に生まれた子の最後の希望~

先日、書店に行って思わず買ってしまったこちらの漫画。

参考書の出版社に中途入社した「うるし」と、学習参考書オタク「福山」を通して、普段はスポットの当たらない学習参考書(= ガクサン)の世界を描いた作品。

以前、朝日中高生新聞で紹介されているのを見てから、なんとな~く気になってた漫画。WEBで試し読みもして、「おもしろそう」と思っていました。

「学習参考書」という地味なテーマながら、福山の個性的な性格と鋭い観察眼が光る、おもしろい作品だなと思います。コメディ色強めかと思ったら、教育格差を背景にした、思ったよりも深い作品。今後の展開が気になる。

人によって、おもしろく感じるかどうか、評価は分かれるところかも、とも思います。

私自身は、子供達の参考書探しが好き、というのに加えて、登場人物の福山と同じように経済的余裕のない中、市販の参考書を頼りに大学受験をしたという経験があるので、とても共感できた作品でした。

逆に夫は、中学受験して中高大と受験せずに通ったので、市販の参考書は使用したことがなく、漫画自体はおもしろいけど、共感という気持ちは抱かなかったそうです。

ネタバレになるので、詳しくは描きませんが、「ガクサン」の中で描かれているように、教育格差というのは確実に存在しています。教育熱心な親から湯水のようにリソースを与えられた子と、それが全くない子。試験は公平な一発勝負と言いますが、そこに至るまでの過程は決して公平とは言いがたい。実際、中学受験も課金ゲーと言われたりしています。

そんな何もないゼロの子が、唯一闘うための武器になりうるのが、学習参考書。必要最低限のお金は必要ですが、通塾や家庭教師、私立の学校に比べれば、まだ現実的に手の届く範囲の最後の希望です。

中学受験ができるという恵まれた環境にいる子供にこそ、読んでほしい漫画だなと思いました。塾どころか、参考書さえ買うのに躊躇する、参考書でしか勉強する手段がない、かつての私のような存在がいるという社会の側面を、ぜひ知っておいてほしい。そう思います。


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