見出し画像

ちいさな気まぐれ

リセット癖があるわたしは、少し環境が変わると思いつく限りあれやこれやと消したり場所を変えたりと忙しなくなってしまうのだけど、ここだけは消さずに置いておいた。

それは単純にこの場所のことを忘れてしまっていたこともあるけど、ずいぶん時間が経って思い出して開いたときに、消してしまうのは惜しいかもとわたしにしては本当に本当に珍しく思ったのだった。

物理的なものも含めて、これだけの数のものを一つの場所に置いておいたことが人生でたぶんない。

それなりに年を重ねてきたくせに未だにそういう積み重ねみたいなことが苦手なのは恥ずかしい限りだし、唯一の場所がここでいいのかみたいなことも考えだすと立ち止まりそうになるし、そのわりにはそこまでの数でもないとは思うのだけど、現状、わたしの人生で何かしらとにかく積み重なっているのはここだけみたいで。

初めて更新ボタンを押してから、誰かに届いたらいいなと思ったものも、むしろ誰も読まないでくれと願ったものも含めたこれまでのものを、親指ひとつ、クリックひとつで削除してしまうのはきっと簡単なこと。

捨てずにはおくけど、だからといって新しいものが増えることもないかもしれない。だから今がまだそのときじゃないだけ、と考えてこれまで開くこともせずにただただ置いておいた。

今日だって特に何かあったわけじゃない。とびきりいいことがあったわけでも、逆に悪いことがあったわけでもないし、何かに浸りたい気分になったわけでもなく、なんとなく、本当になんとなく思い出したのだ。

文章を書くのが苦手というよりも、自分の気持ちをかたちにして人に知られることがとにかく苦手で、それを少しでも克服しようとnoteを始めた、ような気がする。

あれやこれやと綴ってきて、書くことそのものがセラピーとまで言っているから始める前よりは成長しているみたいだ。

久しぶりに会うここのわたしは、少し外向けで、でも自分の気持ちを自分なりに言葉にしようと悪戦苦闘していて、ほんのちょっぴり愛おしかった。

けしてうまい文章でも、人を引き込む言葉遣いでも、豊富な語彙があるわけでもなくて、恥ずかしくなることもそれはそれはとてつもなくあるけど、もしかしたらそれなりに自分の書くものを愛していたのかもしれない。

また思い立ったらぽつりと書いてみるのもいいかもしれないな。そのためにいま、今日、更新しておこうかな。そんなちいさな気まぐれ。

もっともっと新しい世界を知るために本を買いたいなあと思ってます。