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十三塚

十三塚 伊万里市史
 城古岳の山麓に大蛇が出て人々を苦しめた。神出鬼没で、所在がつかめないまま被害が広がった。
 そこで村人は武勇で知られていた源為朝に依頼した。

 為朝は蛇に気づかれないように、高台に陣取った。そうして、大蛇が水を池に飲みにきたところで、その強弓を引き絞り、矢を放った。
 大蛇は見事、撃ち抜かれた。

 大蛇は息絶えることなく、のたうち回った。動きは小さくなり、やがて息絶えた。
 為朝は刀を抜くと、十三に切り放ち、これを別々に埋めるように命じた。

 しかし、蛇の恨みは残り、為朝に退治を頼んだ村の長は代々夭折が続いた。そこで昭和になり、僧を招聘し、十三の供養塔を建てた。
 

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