薄い青の哀しみ

友達の結婚式だった。彼女は大学時代、いや生涯を通してたった1人友達でいる人だ。だから今回が唯一のお呼ばれ。

彼女はとてもきれいだった。明るかった。笑顔だった。彼女だけでなく、皆笑顔だった。



私はふと、「あ、私には一生味わえない『笑顔』だ」って思った。

同性と交際している人間には絶対に味わえないこと。数え切れないほどあるけど、今日の『笑顔』はまさしくそうだった。無条件に存在を祝福されること。自然に祝福される場が持てること。自分の愛する人を誰かに話すことができること。それらによって『笑顔』が満ち溢れること。

仄明るい景色の中、どこか悲しい気持ちになってしまった。


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