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生きようとする姿は、どんな形あるものよりも美しい

こんにちは





Beauty Japan 日本大会 2023
グランドファイナリスト

女優  𠮷越千帆です




ストーリーにも書かせて頂きましたが
先日祖母が亡くなりました


私の祖父母は父方も母方も
みんな健在だったので
今回初めて近しい家族を亡くす経験をしました



葬儀の日は晴天でした


私は
両親がまだ祖父母の家で
同居していた時に産まれ
その後も祖父母の家の近くに住んでいたので
小さい頃から祖母との思い出も
一緒に写っている写真もたくさんあります




私がきちんと覚えている1番古い記憶は
小学生の頃学童保育に通っていた私たち姉妹を
(私は4つ下に妹がいます)
両親の代わりに迎えに来てくれ
一緒にご飯を食べてくれたこと

祖母の家に幼なじみと泊まりに行ったり
遊びにたくさん連れて行ってもらったこと

スーパーでお菓子を買って貰いながら
妹と喧嘩したこと

両親に隠れてお小遣いをくれたこと

部活を辞めたあと
学校帰りにいつも祖母の家に遊びに行って
一緒にサスペンスドラマを見たこと

誕生日会にはお寿司とケンタッキー
たくさんのいちごを買ってきてくれたこと

お正月のお重が異常に多いこと



どの年を振り返っても
祖母の姿があります


祖母と私の最後の2ショット


祖母は歳を重ねてもお寿司と焼肉が大好きで
牛タンは薄いから嫌だと言って
いつもカルビを食べていました

亡くなる少し前の病室で
父が何が食べたいか聞いたら
焼肉と答えるくらいお肉が好きな人でした

自分が倒れてもなお
祖父の心配と
イオンのポイント交換のことを
気にするような人でした

自分が辛くても我慢して
いつも人のことばかりを考えている人でした




最期は心臓が弱くなって意識がなくなり
亡くなりました




火葬している間
祖母があんなに痩せて可哀想だと
祖父は泣いていましたが
最期は苦しまなくて良かったと私は思いました

孫が結婚したことを伝えに
祖母を故郷に連れて行けなかったことを
祖父は悔やんでいましたが
自分が結婚した男性と築いてきた家族全員に
見送って貰えて喜んでいるんじゃないかなと
私は思いました


そう思わないと
私も泣き崩れて終わりそうで怖かった

悔いだけを悔やむのは嫌だった

亡くなったあとでも
祖母が幸せだと思いたかった



最期に祖母が何を想ったのかは
いくら考えても分かりません



家に帰るために
不味いと言いながらも病院食を食べ
リハビリに励もうとしていた祖母には
やり残したことも
伝え切れなかったことも
たくさんあったと思う

祖父の言う通りのことを
想っていたかもしれない




私たち家族の目標は
家に帰るのは無理だと言われた祖母に
1回で良いから家に帰れるようになって
一緒に焼肉を食べることでした

でもそれが出来たとしても
多分違うことで
同じように悔やんだと思います

だからこれで良かった

祖母の誕生日に贈った雨傘
使ってもらうことは出来ませんでした



きっと

私たちは命が尽きるその瞬間も
完璧にはなれない
アニメや漫画のように完全体にはなれないから

私たちはいつもどこかに
弱さや不安を抱えている



でもそれが人間で
だからこそ儚くて美しい



どんなに滑稽に見えたとしても
どんなに後悔や絶望を抱えていても
生きようと懸命にもがくその姿は
どんな形ある美しいものよりも美しい



私の祖母は最期まで美しかった




Beauty Japanにある
Beautyのコンセプトは「美しく生きる」
正に祖母にピッタリだ

私もそんな祖母のようにありたい
美しく生きていつかの最期を迎えたい


だからこそ祖母と祖父
そして両親が紡いで来てくれたこの命を
どんなことが起こっても私は全うしてやる


Beauty Japanで私の今までの生き方が
結果として実るかは分からない
でもそんなのはどうだって良い
ここは私の人生の
ほんの一部分にしか過ぎないのだから

でも今この時に
そう思えたことには必ず意味があるんだ






おばあちゃん
最期まで命を全うする姿を
美しさを見せてくれてありがとう

今はまだ
おばあちゃんを思い出しては
たくさん泣いてしまう私だけど
そのうちきっと笑顔で
思い出を語れるようになるから
それまで泣いてても許してね

数え切れないほどの思い出があるくらい
一緒の時間を過ごしてくれて
本当にありがとう

今までもこれからもずっとずっと大好きです






#結実のbj2023


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