「ちりとり」を聴く留学生
初めまして。ただの大学生です。
大学の授業で、いつも隣に座ってくれる方がいます。
中国からの留学生だそうで。
この記事では、彼女に注目してみて、多数言語を操る人って、ひたすら言語習得に貪欲で、同じ人間とは思えない! と恐れおののいた話をします。
ノートを日本語でとっている
隣に座っているので、一度、留学生のノートをチラ見しました。
母国語でノートを取っているのかどうか、気になったからです。
日本語で書いていました。見た感じ。
私からすると、英語のリスニング問題を、すべて英語でメモしながら聞く感じがします。
頭で思ったことって、一番慣れ親しんだ言語で言語化されると思っていました。だから、ノートを取るには、母国語で書くのが一番早いと。
その子の日本語運用の感覚は、私の英語に対する感覚とだいぶ違うみたい、と気が付き、衝撃でした。
神聖かまってちゃんの「ちりとり」が好き
授業開始前、少しおしゃべりを吹っかけてみました。
神聖かまってちゃんというバンドのファンTシャツをきっかけに、彼女の好きなバンドが判明。
一番好きな曲は? ときくと、「ちりとり」だそうです。
家で聴いてみました。
曲の良しあしというより、海の向こうで育った人が、これを聴いて、いいなとまで感じられることに注意が向いてしまいました。
歌詞のメッセージ性がかなり強い曲だと感じました。
ポップソングらしいリズム感もないし。なんとなくメロディーが好き、という直感的な楽しみを狙った曲ではない気がします。
日本人ですら、聴いてると「通な人」って感じがするような。
中国にはこういった曲を作る人がいないのか、その辺はわからないですが、あえて、日本語で、歌詞の味わい深さを楽しみ、しかもそれが好きな曲としてすっと出てくる。
この人、計り知れない……と思いました。
こういう人を見ると、「なんとなく留学」するのはお金がもったいないと思う
なんとなく、大学にまで進めたし、留学しておくのもいいかも。
何度となくそう思ったことがあります。
でもお金かかるし、なんとなく熱意が足りない気がする。
中国からきた彼女を見て、「なんとなく」ではなく「はっきりと」熱意が足りないと実感しました。
第二、第三の言語を、コミュニケーションのためのみならず、自分の趣味を広げ、考えるツールとしても使いこなす、言語への貪欲さ。
それがまだ私にはない。
やっぱり、いま留学しても、「なんとなく外国行きたい」というぼんやりした動機しか持てないままだろう。
留学生って尊敬するなあ……と思いました。
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