谷口茂 Shigeru Taniguchi

谷口茂 Shigeru Taniguchi

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自己紹介

プラトンの普遍的イデアを、トマスは「個」のイデアが根源的であると一見矛盾する論を示した。その研究をカトリック神学会や中部哲学会等で発表してきました。 researchmap.jp/thomasaquinas2000

    • NSIからAGI、ASIへの進展

      塚本レポ:AI EXPOと日本のAIベンチャー (youtube.com) 先に動画をアップされた「エージェンシー」としてのAI研究、活用が重要であると思います。  これまでのAI研究の一方向が人間の自然知能NIを脳内作用として眺め、その自然的完成品のリバース・エンジニアリングで人工知能AIを作ろうとしたものだと言っていいと思います。ただ、ここまでの研究では生体個体脳のリバース・エンジニアリングでした。勿論、この研究成果だけでも、個体脳NIを遥かに凌ぐ情報の獲得(学習)と保

      • シンギュラリティ社会について

        【ライブ】超知能が実現するシンギュラリティ社会 [超知能シナリオコンテスト受賞] <6/5(水)21時〜> (youtube.com) 受賞、おめでとうございます!! さて、いきなりですが、今回の話題を、単純化して考えます。  AIと呼ばれる人工物は、与えられたアルゴリズムに従うプログラムを実行します。基は計算機です。これが知能と言われる所以は、生物が単なる試行錯誤から生存確率を高めるのに、先ず成功例の情報を記憶し伝達し合い、その集合集積をループ状に拡張し、言わばその生

        • AIアライメント問題と宗教

           AIアライメント問題に発生する、専門家とは別のベクトルの問題が出てくる気がする。  集合知問題を扱う際、出てくる古来からの民主的知性の問題で、「衆愚」とされる大衆集合知の問題。ウイリアム・パウンドストーンが「ダニング・クルーガー効果」を説明する際に表現した。大衆は学習して賢くなる。大衆にとって解らないことは衆愚に陥る、と。その例として量子力学の話などを上げている。  これは宗教、神概念の問題が、一番近接する。 「信じる(神への信仰)」ことが、ここに始源があるということも言え

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          LLMの透明性について

          クリエイティブAI講座:LLMの透明性について (youtube.com) 保田先生の言われた「透明性の透明性」が、まさに基礎だと思いました。  P.リクールの解釈学で、「説明と了解」の弁証法過程は、当然、対話的原理に基礎があるとされ、「説明すればより解るようになり、解るようになればより説明を求める」という解説があります。  ルーマン社会学のシステム論考察では、システム層の開放性は上にも下にも(横にも縦にも)無限に続くとしても、そうした連続する層の無限に発散する開放性の中で、

          LLMの透明性について

          コミュニケーション・ネットワークのエージェントLLM

          松田語録:エージェンシー (youtube.com)  以前の先生方のお話から、「エージェンシー」の意味に、社会組織における相互代理作業・特化型分業・分担役割を置けばいいのだろうと思っています。  人間社会も個体脳が、合図・言語・記号・文字・図示等のメディアに始まるコミュニケーション・ネットワークで社会脳を形成しました。拡張脳と表現できると思います。そこでのエージェントが個体脳を持つ人間個々人であり、社会的分業(専門)を展開し、構造的に身分制度まで形成しました。ここに情報

          コミュニケーション・ネットワークのエージェントLLM

          シンギュラリティは近い

          松田語録:シンギュラリティの式について (youtube.com)  預言と予言は違い、前者は「主の言葉を預かる」、後者は「予め言う」です。前者は社会の現状を憂慮し主張するため、預言者は為政者に処罰されたりします。イエスもその一人であるともされる所以です。それは人間社会にとって「在るべき在り方」を主張するだけで、奇をてらう予言はしません。「〇〇の国は近い、悔い改めよ」との主張には、現状認識が先ず前提だと思います。  ところで、今回の「知能爆発」という観方には、確かに現状認

          シンギュラリティは近い

          普遍と個;真理(知識)と救済

          茂木先生の立場なら、「知識とクオリア」とでも言えますか?  私の問題意識に照らすと以下の様になります。  拙論 note「神の知に観られる個―救いの対象―」=『日本カトリック神学会誌』第27号(日本カトリック神学会、2016年)の引用文です。 「西垣通も「いのちの集合知をつくる―アート、精神ケア、現代宗教から考える」というイベントで、「集合知」について発言し、「知とは基本的にはWisdom(知恵)であり、Knowledge(テクニカルな知識)ばかりではない。仏教でいう

          普遍と個;真理(知識)と救済

          人間、そしてその心の定義

          クリエイティブAI講座:心の理論をGPT-4oで試してみた (youtube.com) 先ず、塚本先生のLex Fridmanを超えた、その場でのMC、その後の編集の能力と働きに、感動しました!サロンにお邪魔させていただいた時も、本当に感謝感謝でしたが、今回も驚嘆しました。AGIならぬNGI自然汎用知性とでもいえるような、高度な総合力知性を感じます。収録前にテーマの情報もしっかりご自分も把握され、既によく纏められた保田先生のプレゼンを視聴者の立場になって問いかけてみたり、瞬

          人間、そしてその心の定義

          夢…宇宙の見る夢:シミュレーション仮説

          夜見る「夢」と人生の「夢」はなぜ同じ「夢」という言葉が使われているのか? (youtube.com) 先生の問題設定、切り口が多様で、私の情報処理速度がついていけない・・、なのに「今申し上げたのはごく一部なんですけど」とは!!?!! さすがですね・・。  さて、     夢という脳内情報処理作用は、情報編集作用の現象であり、覚醒時では情報処理作業といえるかもしれません。  個体脳も個々の意識を向けた経験認識による情報プールになっています。そもそも「反射」から始まったと思

          夢…宇宙の見る夢:シミュレーション仮説

          世界観

          松田語録:ビッグヒストリー (youtube.com)  古代から人間は自然宇宙を、一方で遠い天空に想いを馳せながら観測し、他方で小さな生物や物質現象を観察して、自身人間様態の投影であるpersonificationの神話的表象から始めて、論理の刃をいっそう砥いで抽象力abstractionを高め、幾何学的イメージから高次関数表現へと、近代、現代へと自然科学を進展させました。それ自体が、人間をその内側に含む自然宇宙の「情報展開(進化)過程」を示していると思います。  松田先

          オメガポイント

          松田語録:オメガポイント理論 (youtube.com) 進化的適応が、その作用を現実化する機能を収斂させる現象に導くのは、自然な流れであり(「進化的適応」の同義反復ですが)、”知性作用”を大きな自然宇宙史で眺めれば、エントロピー増大の散逸構造の内に非平衡状態を発生し自己組織化のネゲントロピーの現象が展開している作用だと思います。  これを古代ではヌースの作用であり、その作用を現実態エネルゲイアの状態にするのがロゴスであるとしました。そして完全で純粋なその作用、即ち、現実態

          未来を将来への弁証法過程

          擬似自己〜PFN・花王・東大の丸山宏さんのビジョン (youtube.com)  古来から続く「個と普遍」「現実と理想」の問題、まさしく以前からコメントさせていただいている問題であると思いました。  SFのお話も出てきましたので、1978年 第1作『ルパン三世』(ビデオソフト化の際に『ルパン三世 ルパンVS複製人間』)のメッセージで眺めますと、無数に生まれた(作られた)クローン人間の個々人の主観意識と、オリジナルの肥大化した脳との対比が、思考実験のモデルになると思います(こ

          未来を将来への弁証法過程

          個体化現象;個人の存在理由 資料????

          Many Small Insights = Major Discoveries- Explore Earth, Life, and the Universe | Miraikan – The National Museum of Emerging Science and Innovation             https://miraikan.jst.go.jp/en/exhibitions/world/frontier/…             自然宇宙の展開過程

          個体化現象;個人の存在理由 資料????

          AIアライメント問題について

          Bioshokさんシリーズ1〜AI脅威論がなぜ最近話題なのか? - YouTube Bioshokさんが「制御」の問題とされたのと同様に、ビル・ゲイツは以前から、それを二つの情報制御問題として提起していると思います。バイオハザードとAIアライメントと言ってよいでしょうか?  コロナ禍でも問題にされましたが、分子担体情報の情報プールにおける情報展開過程の現象も、生命における絶滅と進化という在り方を示すとされます。  同様に電子担体情報として作用する情報プール(人間が文化とし

          AIアライメント問題について

          生死・死後・再創造;個人‐個とは?

          クリエイティブAI講座:デッドボット〜死後のデジタル産業 (youtube.com) 以下はこれまでの論文に書いた内容の纏めです。京大の学際センターで発表を試みようと考えていた内容でもあり、Facebookのヘッドに2年前に揚げました。 「宇宙のエントロピから散逸構造でネゲントロピとして生じた情報進化過程は、RNAワールドに始まった生体高分子の分子担体の情報から、神経、脳の電子担体情報へ進展し、さらに脳の自己外化で半導体に拡張し古典コンピュータとなり量子コンピュータに進

          生死・死後・再創造;個人‐個とは?