平松 武|元外務官僚

外務省、在外公館、内閣官房に通算30年以上勤務し、21年10月退官。元内閣参事官。著書…

平松 武|元外務官僚

外務省、在外公館、内閣官房に通算30年以上勤務し、21年10月退官。元内閣参事官。著書に、『「自由」が「民主」を喰う~迷走するグローバリゼーションの深層』(時事通信社)。国際関係・政治についての私見を中心に、映画、旅行、デザインなど趣味についての投稿もしていきたいと思います。

最近の記事

『用心棒』VS.『荒野の用心棒』

黒澤明監督の映画『用心棒』('61)と、それをリメイクしたセルジオ・レオーネ監督の映画『荒野の用心棒』('64)です。後者は、最近日本でドル三部作として、『夕陽のガンマン』('65)、『続夕陽のガンマン』('66)とともにリバイバル公開されました。(見出し画像は、『用心棒』初公開時のパンフレット表紙及び『荒野の用心棒』初公開時のポスターよりコラージュ) 1.そっくりの内容 『用心棒』と『荒野の用心棒』。リメイクなので、ストーリーが似るのは当然なのですが、「似ている」という

    • 模様の世界(16)~日本・東京都心

      • 霞の中の整列(7)/ 教会のある風景(6)~ベルギー・アントワープ

        • 『ゴジラ』VS.『ゴジラ-1.0』(4)~視覚効果について

          『ゴジラ-1.0』が、アカデミー賞視覚効果賞を受賞しました。日本映画では初めてのことで、まさに快挙といえます。『シン・ゴジラ』の時点ですでに凄いと思っていましたので、今回国際的な評価を得られたことをとても嬉しく思いました。 1.伝統的な日本の「特撮」 「視覚効果」(Visual Effects, VFX)には、本来幅広い内容が含まれます。怪獣や恐竜を出現させるだけでなく、俳優に特殊なメイクを施したり、霧がたちこめるようなスモークをたいたり、本当は降っていない雨を降らせたり

        『用心棒』VS.『荒野の用心棒』

          World Signs 世界の標識・看板(13)~日本・東京

          World Signs 世界の標識・看板(13)~日本・東京

          +2

          いい感じの戸口(13)~フランス・パリ

          いい感じの戸口(13)~フランス・パリ

          パゾリーニの映画『テオレマ』とドン・シーゲルの映画『白い肌の異常な夜』

          イタリア出身のピエル・パオロ・パゾリーニ監督は、一昨年生誕100周年を迎え、来年は没後50周年を迎えるようです。先日、その代表作『テオレマ』('68)を観る機会がありました。初見です。 (※「ネタバレ」という類の映画ではありませんが、双方の映画のストーリー終盤まで言及します。) 『テオレマ』は、会社経営者を主人とするブルジョア一家(夫、妻、息子、娘、家政婦)の話。ミラノ郊外にあるその屋敷に、何の説明もなくひとりの美青年が同居するようになります。家政婦を含む一家5人は、いずれ

          パゾリーニの映画『テオレマ』とドン・シーゲルの映画『白い肌の異常な夜』

          模様の世界(15)~日本・東京都世田谷公園

          模様の世界(15)~日本・東京都世田谷公園

          映画『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』~G.A.ロメロ監督の非ゾンビ映画

          急に思い立って、配信でジョージ・A・ロメロ監督の『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』('73)を見ました。初見です。 ロメロ監督は、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』('68)や『ゾンビ』('78)をはじめ、ゾンビ映画の第一人者として知られており、特にキャリア後半ではほとんどゾンビ映画を撮り続けていました。 そのロメロ監督が、初期に撮った非ゾンビ映画のひとつがこの映画です。(以下では、ラストまでは明かしませんが、クライマックス近くまで明かしますので、準ネタバレ注意です

          映画『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』~G.A.ロメロ監督の非ゾンビ映画

          アフリカ点描(3)~トカゲ親子のシンクロ

          アフリカ点描(3)~トカゲ親子のシンクロ

          世界の水辺から(5)~オランダ・ユトレヒト郊外

          世界の水辺から(5)~オランダ・ユトレヒト郊外

          冬の逆光(13)~日本・東京(冬の日の出)

          冬の逆光(13)~日本・東京(冬の日の出)

          映画『悪魔のシスター』~ブライアン・デ・パルマ初期の大傑作(ネタバレ篇)

          (前回に続き、どうしてもネタバレをしないと語ることができない部分を語りたいと思います。ネタバレにもいろいろな程度のものがあると思いますが、この映画はミステリーの要素もあるため、未見の方はこの記事はお読みにならない方がよいと思います。また、不可避的にヒッチコック監督の『サイコ』のネタバレも含みますので、こちらを未見の方もお読みにならない方がよいと思います。) 4.意外な結末 ミステリーの中には、 ①誰が犯人か最初はわからず、登場人物と観客・読者が一緒に謎解きをしていくタイ

          映画『悪魔のシスター』~ブライアン・デ・パルマ初期の大傑作(ネタバレ篇)

          映画『悪魔のシスター』~ブライアン・デ・パルマ初期の大傑作

          多分30年前くらいにレンタル・ビデオでこの映画を初めて観て、かなり気に入っていました。今般、全国の劇場でデジタル・リマスター版が上映されることになったのを機に、所有していたDVDソフトで再見しましたので、感想みたいなことを書いておきたいと思います(すみません、劇場では観ていません)。 (今週はぎりぎり「ネタバレなし」の範囲で書き、来週はネタバレ部分を書きます。)(画像はデジタル・リマスター版HPより引用させていただきました。) 1.日本題名 まず、日本のタイトル『悪魔のシ

          映画『悪魔のシスター』~ブライアン・デ・パルマ初期の大傑作

          模様の世界(14)~日本・山梨県

          模様の世界(14)~日本・山梨県