都会と地方の架け橋になりたい
アプリコットデザインの本社は長野県にあります。僕は生まれも育ちも長野県で、若い頃から特に「都会への憧れ」を感じたことはありませんでした。
しかし、6年前に東京に事務所を開設し、仕事が順調に増えたため、月の半分は東京で過ごす「二拠点生活」を送るようになりました。東京での生活を始めてからは、「東京の凄さ」を実感することになります。
東京は情報量が多く、すべてのもののクオリティが高いです。働く人々の意識の高さには、「さすが東京」と感じざるを得ませんでした。特に印象深かったのは、森永製菓さんへ初めて打ち合わせに行った際、ドラマでしか見たことのなかった、ビルのセキュリティカードを使うシステムが実際に存在することを知り、一人で興奮した記憶があります。
しかし、二拠点生活を送る中で、東京のテンポで長野で仕事をすると、何かと噛み合わないことがありました。たとえば、東京では当たり前のマーケティング手法が長野ではまだ浸透していないなど、デザインに対する感度にも温度差を感じました。
これらの体験から、「東京と地方の格差は情報の格差にある」と実感しました。情報の格差は、アクセスのしやすさや速さ、情報リテラシーに対する教育機会の有無などから生じます。しかし、今はインターネットが普及しており、誰もが手軽に情報を得られるため、情報を自分から積極的に得ることが重要です。
僕は都会だけが正しいとは思っていませんが、情報が多いほど選択肢が広がり、無駄なコストを避けることができることは確かで。そこで、東京で得た知識や情報を地方にも還元し、都会と地方の情報格差を縮めるための架け橋になりたいと思っています。これが、長野と東京で活動する僕らに与えられた役目だと考えています。
そして昨年オープンした複合施設tone villageは、この役目を果たすためにも作られた施設です。カフェやネイルサロン、トリミングサロン、スクール等で新しい情報や手法を取り入れながら、情報を得るきっかけを提供していきたいなと思っています。
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