「光る君へ」への長い道のり ~『第17回 「うつろい」振り返り』(その3)(ネタバレ)~[2739文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第17回『うつろい』 の振り返り、その3です。
※以下より、第17回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第17回をご視聴ください🙇。
■[第17回『うつろい』 振り返り]その3
登華殿ー。定子〔高畑充希〕と一条天皇〔塩野瑛久〕。
定子「父が病に倒れてから、ひとりでいると心細うございます」
一条天皇「会いたければ二条第に行ってもよいぞ。朕が良いと申せば、よい」
定子「私はお上のおそばにいとうございます。父を見舞う間でも離れるのは嫌にございます。兄を呼んで父の様子を聞いてみますので」
一条天皇「定子は朕が守るゆえ、好きにいたせ」
定子「はい。お上・・・」
一方、東三条殿ー。
道長〔柄本佑〕と道兼〔玉置玲央〕を前にした詮子〔吉田羊〕ー。
詮子「そんなに悪いの、関白は」
道長「飲水病であろうと薬師が申しておりました」
詮子「浮かれ過ぎたから、罰が当たったのね。お若い頃は、優しい兄上だったのに。次の関白は道兼の兄上であるべきよ」
道兼「なんと・・・」
詮子「だって、それがまっとうな順番でしょう。だから今日、道長に一緒にお連れしてと言ったのです」
道兼「今宵はそういう話だったのか・・・」
詮子「私は道兼の兄上のことが、昔から好きではありません。されど、あの出過ぎ者の伊周に関白になられるのはもっと嫌なの。だから道兼の兄上を後押しするわ」
道兼「女院様にお助けいただく身になるとは不思議な気がする。また道長に借りを作ったな」
道長「では姉上。帝にお話しいただけますね」
詮子「内裏に行くのは嫌」
道長「え?」
詮子「定子に首根っこつかまれてるような帝、見たくないもの」
道長「え・・・、ならばどのようにして道兼の兄上が・・・」
詮子「ほかの公卿たちを取り込んでおくわ。そもそも大納言も中納言も参議も公卿は皆、伊周が嫌いだから。そこは私がひと押しすれば、うまくいくはず」
道兼・道長「お~・・・」
当華殿ー。伊周〔三浦翔平〕の前に定子。
定子「内々に先例を調べさせておりました。父上のお命のあるうちに、兄上は帝から内覧のお許しを得られませ。
ナレーション:「内覧とは、帝の奏上する文書や、帝が宣下する文書を、事前に読むことができる関白に準ずる職である」
定子「20年ぶりでも何でもやってしまえばよいのです。父上から帝のお願いしていただいて。私からも帝に強くお願いしておきますから」
伊周「されど定子はすごいな。男で合ったら、俺なぞかなわぬやも」
定子「あの女院様から我が身を守り、帝をお守りしているうちに強くなりました。内覧になってしまえば、関白になったも同じですから、ともに力を尽くしましょう」
朝、二条第ー。道兼が来る。
道兼「火急の御用とは、何事でございますか」
厚みのある畳に座った道隆。
道隆〔井浦新〕「こちらに参れ」
前に進み、座り直す道兼。
ゆらゆらと手招きをする道隆。這って道兼に近づく。探りながら道兼の手を握る。
道隆「もし、わしが倒れても、いまだ懐妊せぬ中宮様も貴子も伊周も隆家も・・・支えてやってくれ。酷なことをしないでくれ。どうか・・・どうか、どうか。どうか・・・。伊周を・・・。我が家を・・・頼む」
道隆をながめる道兼。
為時の屋敷。桜の舞う庭ー。文机に向い荘子の写本をしているまひろ。
従者の乙丸が、さわが来たことを知らせる。
さわ「まひろ様・・・。ご無沙汰いたしました」
まひろに駆け寄るさわ。
さわ「その節のことは、お許しくださいませ(頭をさげる)」
まひろ「どうぞ、お上がりくださいませ」
さわに水をだすまひろ。
まひろ「ご息災でした?」
さわ「はい。私は何があっても病にはならない頑丈な体なのですが、実は兄弟を疫病で亡くしまして・・・」
まひろ「それはお気の毒なことでございました」
さわ「あまりにはかないことで・・・。人に許された年月は実に短いのだと知りました」
まひろ「本当にそうですね。私が文字を教えていた子も、その親も、ついこの間、疫病で逝ってしまいました。私もかかってしまって、危うく・・・」
さわ「えっ」
まひろ「今、生きていることも少し不思議な気がします」
さわ「まひろ様!(まひろの手を握る)再び、まひろ様にお目にかかれて本当にうれしい。生きていてくださって、ありがとうございます」
まひろ「わたしもお目にかかれてうれしいです」
さわ「石山寺の帰り道のことは、どうかお許しくださいませ。このとおりでございます」
まひろ「そんな・・・私も・・・」
さわ「頂いたお文をいちいちお返ししましたことも、申し訳ございませんでした。実は頂いた文は全て書き写して持っております」
書き写しを差し出すさわ。
まひろ「あ・・・。まことに、わたしの文と同じ・・・」
さわ「まひろ様の文を写すことで、まひろ様に追いつきたいと思っておりました。そんなことできっこないのに・・・」
さわの文字をみつめるまひろ。
さわ「まひろ様。私の友はまひろ様だけなのでございます。いろんなことがあって、そのことがよく分かりました。まひろ様、また私と仲良くしてくださいませ。末永く、末永く、私の友でいてくださいませ」
笑い合うふたり。
夜ー。夜桜の舞う縁で、さわの書き写しの文を見つめるまひろ。
まひろ「(心の声)私の書いた文がさわさんの心を・・・。書くことの何が・・・」
文机にむかうまひろ。細い筆先に墨を含ませ、文字を書く。
まひろ「(心の声)何を書きたいのかはわからない。けれど筆をとらずにはいられない」
空に明るい半分の月。
ということで、長くなりましたので、『第17回 「うつろい」の振り返り』その3は、その4へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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